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FUNDING FACTBOOK「株式会社東京ファクトリー」

「FUNDING FACTBOOK」では、資金調達ニュースの対象となった非上場企業の調達情報を、登記簿謄本を確認し、その調達内容を詳細にスキームまで解説する。
この記事では、2021年01月25日に資金調達を発表した「株式会社東京ファクトリー」の資金調達内容について取り扱う

1. 株式会社東京ファクトリーについて

株式会社東京ファクトリー(以下「東京ファクトリー」と言う)は、2020年4月1日に設立された、製造業用のクラウド型生産管理システム「Proceedクラウド」を提供する会社だ。

創業者の池実氏は、川崎重工業で生産技術エンジニアとしてキャリアを開始し、その後、戦略コンサルティングファームであるBoston Consulting Group(BCG)を経て起業している。

■ プロダクトの内容
東京ファクトリーの提供するサービス「Proceedクラウド」は、重工業をはじめとした生産現場における製造状況の可視化を行うサービスだ。写真の共有機能を軸として、①製造情報(製造現場の写真や工程進捗)の共有②製造工程に関する技能継承の元になる情報の蓄積を実現している(以下同社が提供するサービス動画)。

2020年10月からクローズドβ版の提供を告知し、体験を希望する企業に対してプロダクトの提供を行った(プレスリリース)。なお、β版提供期間中(2020年11月〜)に、造船業会社のイワキテック株式会社が強く協力したことが明かされている。2021年2月に正式版の提供が開始されている。

■ 「Proceedクラウド」が提供する領域について
近年のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の流れを受けて、デジタル化が進んでおらず市場規模も大きい製造業のDX化に挑むスタートアップも近年登場している。

2018年12月に10億円を調達したことなどで注目を集めるキャディ株式会社(2017年11月創業)は、設計データから見積を作成する工程を自動化することにより、受注する製造業と発注者を容易にマッチングさせる受発注プラットフォーム「CADDi」を提供している。

製造業に対して多角的にサービスを提供している企業が、2019年7月に12億円を調達したことを発表している株式会社アペルザだ。同社の「aperza catalog」は、見積の自動化まで行うキャディに対して、シンプルにマーケットプレイス型のプラットフォームにより企業のマッチングを試みている。

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