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Vision ProとiPhone、空間ビデオ撮るならどっち? 空間写真は便利アプリも

Apple Vision Proの目玉機能の一つが、風景を3Dで撮影・再生できる「空間ビデオ」と「空間写真」です。

空間ビデオの撮影風景(Image: Apple)

加えて、昨年登場したiPhone 15 ProiPhone 15 Pro Maxは、「空間ビデオ」の撮影機能を搭載。Vision Proを買う時に備えて、撮りためている人もいるのではないでしょうか。

実際に使ってみるとiPhoneとVision Proでは、空間ビデオの撮影機能に違いや特徴があったので、紹介します。

画角や精細さに差

Vision Proは本体のトップボタンを押すと、撮影画面に切り替わります。今回はクリスマスツリーを、約140cm離れて撮影しました。

その空間ビデオをVision Proで再生した一コマがこちら。撮影場所が屋内で光量が十分でなく、写真が全体的に暗くて恐縮です。

解像度は2200x2200ピクセルで正方形。データサイズは11秒間で37.9MBありました。

画角が正方形であるメリットは、映像を空間に広げて鑑賞できる「Immersive View」に切り替えると感じます。映像が視界全体に広がり、いっそう臨場感が高まるのです。

Immersive Viewで表示

一方、ツリーを同じ位置から、iPhone 15 Proで撮影した空間ビデオがこちら。

葉っぱなどがより精細に映っていますし、iPhoneなら空間ビデオ撮影時にも露出(明るさ)の調整ができます。海外メディアが指摘しているように、私も今回の撮影では、空間ビデオの画質はiPhoneの方が良いように感じました。

解像度1920x1080ピクセルで、画角は長方形。そのため同じ位置から撮影しても、Vision Proと比べて特に上下方向の画角が狭くなります。

データサイズは11秒間で22.1MB、Vision Pro撮影のものより小さいですね。

Immersive Viewで表示したときも、上下方向の広がりはVision Proほどはありません。

また、Vision Proで撮影する場合、課題になるのが頭の動きです。カメラを大きく動かして撮った空間ビデオは酔いやすく、Immersive Viewで再生しようとするとアラートが表示されます。

実際に撮ってみると、手に比べて頭は、つい振り向いたりして大きく動かしてしまいがち。

それを防ぐため、Vision Proでは撮影時に特別なガイドが表示されます。

頭に連動して動く白十字マークが、黄色い円から出ないようにすると良いのですが、白十字マークは敏感に動きます。そのため撮影中は、頭の位置をほぼ固定することになります。

Apple公式動画のように静止して撮るのが良いのでしょう。

Image: Apple

一方、iPhoneでは現状、そこまでシビアなガイドは表示されません。ただやはり、カメラの動きは抑えて安定させたほうが良さそうです。ユーザーガイドにはベストな撮影結果を得るため、以下の三つのアドバイスが書かれています。

・iPhoneを安定して水平に保つ
・被写体をカメラから3~8フィート(約90~240cm)離れた位置に配置する
・均一で明るい光を使う

最後に改めて、今回使ってみた感想をまとめます。

  1. 空間ビデオの画質はiPhoneの方が良好

  2. Vision Proで撮影時は、頭の動きに特に注意

  3. Immersive Viewでの臨場感は、Vision Pro撮影の方が高い

「空間写真」はアプリを使う手も

一方、「空間写真」については、iPhoneの標準カメラアプリは撮影に対応していません(なぜなんでしょうか・・・?)。

しかし以前このnoteで紹介したアプリの一つ、Spatialify(価格400円)は、iPhone 15 Pro / Pro Maxによる空間写真撮影に対応しているとうたっています。

Spatialifyを起動後、赤矢印で示したカメラマークを押すと、撮影画面に切り替わります。

Spatialifyの撮影画面

こちらも見比べてみましょう。まず、Vision Proで撮影した空間写真を、Immersive Viewで表示したのがこちらです。

一方、Spatialifyを使いiPhone 15 Proで撮影した「空間写真」がこちら。Appleの空間写真と全く同じかは分からないのですが、Vision Proで確かに立体視できています。

やはり画角の上下は狭い一方、より精細に感じました。ファイルサイズは4.1MBと、Vision Proよりも大幅に増えています。

登場したてのアプリのため「安心しておすすめ」というわけではないのですが、こんなこともできるんだと面白く感じたため、紹介いたしました。

▼この記事には動画版もあります(内容はほぼ同じです)

▼iPhoneでの空間ビデオ撮影を詳しく解説した動画


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