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人の生くるや直し

子曰く、之れをしいて生くるや、幸いにして免がるるなり
子曰、人之生也直、罔之生也幸而免
(雍也第六)

人は本来、この世に生かされているのは、真っ正直に生きているからである。もし曲がって生きていられる人がいたとしたら、それは偶然に災難を免れているだけである。

素直という武器

素直という言葉は、ありのままで、飾り気のないさま、性質・態度などが、穏やかでひねくれていないさまを指します。

パナソニックグループ創業者で実業家の松下幸之助氏も、著書の中で素直な心を下記の様に記しています。

「素直な心になって自然の理法に従っていれば上手くいく。世の中は成功するようになっている。」
ー松下幸之助 著『素直な心になるために』より

素直な心こそが成功を導くというのです。
私も長く指導者を行っている中で、素直さという基礎的能力はよい選手になるための必須条件だと思っています。
ただ素直な選手とは、指導者の言いなりや鵜呑みを言うのではありません。
同じく松下幸之助の著「素直な心になるために」の中の「素直な心の内容10ケ条」から考えるのであれば、素直な心とは、私利私欲にとらわれず、謙虚であり、寛容であり、物事のありのままが見え、広い視野からその道理を理解することができ、多くの意見に耳を傾けながら、自らの考え方も柔軟でありつつ、冷静で、正しい物事の判断がとれる力を持つ選手となります。

言葉を心に届けるために

しかしながら、これは言葉を受け取る側のみの話ではなく、言葉を伝える側となる指導者の心構えもとても大切だと思っています。
言葉を心に届ける前提条件に、互いの信頼関係あることは言うまでもありません。
選手にハードワークを要求しておいて、あぐらを掻く指導者ではあってならず、選手達に高い要求を求めると同時に、指導者ももちろん存分に汗をかく必要があるでしょう。
子曰く、巧言令色鮮し仁
子曰、巧言令色、鮮矣仁
(学而第一)
それは言葉の巧みさではなく、取り組む姿勢だと思います。
選手達は指導者の姿勢を間近で感じとるはずです。それは育成年代の指導者であっても同様であり、子ども達こそ敏感に感じ取るのではないでしょうか。

選手はサッカーと共に素直な心を養う。
指導者は自らを鍛錬し、選手から信頼される指導者で在るように努めていく必要があるでしょう。

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