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easy FPS editor備忘録 1.性能・導入

easyにFPSをeditする

https://jessicochan.itch.io/easy-fps-editor-lite

アメリカのインディーズゲーム配布&寄付サイトitch.ioにおいて配布されているゲーム制作ツール「easy FPS editor」。itch.ioでのみ配布されているために、同サイトに馴染みがない日本人にとってはあまり知られていないと思われる。

また、ツール自体もアメリカ語のみで構成されているためにややハードルが高い。もちろんヘルプやチュートリアルも亜米利加人向けのものばかりため、日本語標準搭載のRPGツクールなどと比較するとエディターとしてはやや難しい部類になる。

だが、これまでに存在した似たようなもの、例えばRaycasting Game Makerなどと比較すると手軽さやモダンな操作、セーブ機能などクオリティの高いものがわりと簡単に作れるのがeasy FPS makerの魅力だ。数枚のペラ画像からでもゲームが作れる2Dレトロ風FPS特有のカンタンさは本ツールでも健在であり、日本人にとっても十分使う価値のあるツールだと言えそうだ。

何が作れるのか?

本作には無料のLite版と有料のPro版があり、有料ゲームとして商用配布する際にはPro版を購入する必要がある。マァ今回はどういうツールなのか知るのが目的なのでLite版を使っている。

作れるものとしては大まかに表現すれば「初代DOOMやそのWADのようなものを作れる」といったもの。ただし地形はWolfenstein 3DやRise of The Triad(あるいはマイクラ)のようなブロック方式となっており、
・順番にステージをクリアする方式(数は無制限に増やせる)
・鍵は『DOOM』同様に三つまで
・地形はブロック型で、広さ64×64ブロック、縦には9段まで積める
・1/3ブロック刻みで階段を作れ、ブロックの上に登ることができる
・ドアはあるが、梯子・エレベーターなし
・素材の解像度制限はあんまりない(2Dだが、レトロじゃない感じも可能)
・頑張ればテキスト表示とかも可能
だいたいはこんな感じだ。

Wolfensteinフォロワーを製作した例。

Bloodフォロワーなホラーゲームを製作した例。

導入

ダウンロードする

まずはLite版をダウンロードし、zipファイルをPC上で解凍する。
ファイル内には完成したゲームが出力される「Build」フォルダ、英語解説が見られる「Manual」フォルダ、製作中のゲーム素材などを入れる「Project」フォルダ、そしてアプリ本体の4つが入っている。

新規プロジェクトを作る

起動時の画面

ツールを起動したら、まずは新規プロジェクトを作成する。

Create New Projectを選択
Projectフォルダ内に、新規作成したいゲームのフォルダを新しく作成する

この際、必ず新規フォルダを作成すること。そのまま何もせずにプロジェクトを作成するとプロジェクトフォルダ内に直に素材やファイルがぶちまけられ、ビルドする際に出力に失敗してしまう。

ゲームタイトルの入力

ビルドした時のフォルダ名になる

次にgame settingからgame info configuratorを選択し、ゲーム名を入力する。複数作品を作る場合はデフォルトだったり被ってるとビルド時に厄介なので…

最初のステージの作成

縦方向に順番に並べていく

Mapsをクリックし、緑色の+アイコンで示されたCreate New Mapを押す。
するとステージ格納フォルダにアクセスするので、ステージ名(map01など)を入力。するとメイン画面に選択されているステージの編集画面が表示されるようになる。

テクスチャの読み込み

100×100のpng画像で作成した床テクスチャ
同じく100×100の壁テクスチャ
壁と床の画像をそれぞれの枠にインポートする

床と壁のテクスチャを作成し、プロジェクト内のTexturesフォルダに入れておく。
import resourcesからimport Texturesを選択し、床画像と壁画像を登録する。

まずは簡単な迷路を作ってみる

床は置いていなくてもフロア1の地面に予め当たり判定があるため、落下することはない

Tilesを選択すると登録した床と壁が配置できるようになる。

開始位置とゴール位置の指定

スタートとゴールの設定。

objectsからプレイヤーのスタート位置を、default modifiersからゴール位置を指定するアイコンを選んでマップ上に配置。

完成品として出力してみる

BuildからBuild and packを選択して、一旦ゲームとして生成させてみる。

Lite版では同エディターの宣伝と非商用利用に限りますよ!の文字が左上に出る

Buildsフォルダの中に、入力したゲームタイトルの名前でフォルダーが作成される(今回は「Test game 1」)。NEW GAMEを選択でゲーム開始。

WASDでプレイヤーの移動、マウスで視点移動

ゴールに向かうとクリアとなる迷路が完成した。




空の追加

真っ暗で不気味なので空を付ける。

100×100の水色png画像
オレンジ色の四角がフォルダ参照ボタン

空のテクスチャを作成し、プロジェクトフォルダ内のskyboxフォルダに入れておく。
マップを開いている際の右メニューからSkyboxを選び、空のテクスチャを挿入。ついでにFog(霧)も水色にして空気遠近法っぽさを出す。
再びビルド。

霧の距離は好みで。数値(視界距離)を多くして実質無効化しても見やすくなって良い

解放感が出た。が、ちょっとフォグは濃すぎるかもしれない。
この状態でBuilds内のフォルダをzip圧縮するだけで一応迷路フリーゲームが完成する。よかったね。


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