ヴァージンVS過去・現在・未来6~クロコダイルの大立ち回り~

ヴァージンVS 過去・現在・未来6
1回目の珍道中が終わり、いよいよヴァージンVSの原型が姿を現します。

1979年冬、あがた氏から連絡がありバンドを作りたいとの事。
その時は事情がよく分かりませんでしたが、新規軸での活動が必要だったのですね、大人になってからわかりました。

1980年初頭にリハーサルを開始したのですが、どこのスタジオだったのか覚えていません。
バンド名もヴァージンVSはまだ名乗っておらず、Xバンドと称していました。
あがた氏のコンセプトは明確でした。
パンクとテクノ、混沌と調和、ディオニソスとアポロン、エロスとアガペといった相反するものを十字に組むという事です。これが後にバンド名VSとなり、これにはヴィジュアル&ソニックという事も付加されていました。
バンドコンセプトとしては完璧です!!
あくまで、コンセプトとしてですが、私のような稚拙な演奏者がこれを実現するのはどうしたら良いのか?

最初のライブは1980年3月、原宿クロコダイル。
この時のメンバーは、A児ことあがた森魚、木村しんぺい、張紅陽、ひかる、うちのヨメ、久保田、そしてベースには谷口守(後にソニーレコードより谷口雅洋名義でデビューし、今も頑張って活動しています)

この時のオープニングは凄まじかった!
エアプレンのイントロでステージ上のフロントマイクは全てA児氏の大立ち回りで薙ぎ倒されました。
後々の流血ステージをすでに彷彿させる荒行。
パンクとテクノを組み合わせるというコンセプトも吹っ飛ぶ、大暴れの弁慶のようです!!

最近、森魚ちゃんからこのときの「大暴れ」の事情を聞きました。それによりますと・・・

「当時のクロコダイルはビリヤードなどに興じる客などでごった返していたが、『ライブを聴いて欲しかったら、客の注目を集めるくらいの演奏をしろ!』というのがオーナーさんの口癖。だからステージ上で暴れていたとも。」とのことです。そうだったのか!やむにやまれぬ「必要があっての大暴れ」だったのですね!!

また、後日談として・・・「ステージの上手に、何故か爬虫類の小さいのが飼われていて、ある日それが昇天していて、僕がそれを教えたら、オーナーさんがキョトンとしていたのが印象深い。」

確かに、クロコダイルに「クロコダイルの小さいの」みたいなのがいましたけど、「オーナーさんのキョトン」というのはなんだったのでしょうか?飼っているのを忘れていたのかな?

ということで、XバンドことヴァージンVSの最初のライブに戻りましょう。

ライブ中、クロコダイルのガンさんが大きなビデオカメラを担いで収録してくれていました。映像を見てみたいですね。

VS版クラフトワークの「ラジオアクティビティ」の時、始めから終いまで、誰かがずっと1拍違いで演奏していたことを覚えています。
最後はちゃんと終わったので、1拍少なく終わってしまった人がいるのでしょう。アレっ?!て感じで。

終演後にガンさんと確か力也さんもいたかと、お二人が「なんかすごいね!!」と賛辞を述べてくださいました。それに対して森魚ちゃんは「ジャーマンプログレッシヴです」と汗を拭きつつ応えていました。
確かにクラフトワークはジャーマンですが、たぶんマイクは倒しません、というより当時からヘッドセットでしたもん。

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