ヴァージンVS 過去・現在・未来 46 ロックにおけるエモーショナルな表現
すっかりご無沙汰で申し訳ございません。
年度末なので2月、3月は何度も関西に行ったり、果ては九州大分の日田市まで行ったりしました。日田はあの「進撃の巨人」の作者さんの出身地だったのですね。とても良いところでまた行きたい。
帰りに日田市からの大分自動車道~九州自動車道が渋滞し、生まれて初めて飛行機に乗りそこないました。
ついでに関西出張の折立ち寄った、西宮市鳴尾浜にあった旧帝国海軍鳴尾飛行場跡を探索。
この飛行場は名飛行艇「弐式大艇」を作った川西航空機(現 新明和工業)の工場に隣接していた。
この川西航空機の傑作機「紫電改」の向こうに見える管制塔(本来は鳴尾競馬場の建物)は現在もこの場所に・・・
これが年度末の仕事というわけではありませんが、ついでにというやつでのご報告。
で、最近「GreenOnions」というバンドをやっております。
Key.にヴァージンVS最後のディレクターだった貫田顕勇氏。
Vo.Cho.にリッツ嬢も参加。
ベースは尚美ミュージックカレッジでPAの先生をされている旧知の折井先生。
Dr.はもちろん木村シンペイ。
なかなかの布陣でまずはライブをしようと思っております。
ヴァージンVSでリリースできなかった「ルナティック・ミラー」や「ねじ切れた夜」なんかもやるよ~!!
それになんといってもリッツ嬢が歌う「恋のメビウス」!!
これはたまらんぜよ!!
でもまだリハビリ中なのでいつになるかはわかりませんが、決まったらお知らせしますからよろしくね!!
では、前回の続きのようだが、ちょっと違う・・・
1980年代前半においての日本メジャーシーンでのレコーディングは、オケ全体が歪んでいるようなことは許されなかった。
そもそも音の「歪み」というものはミキサー、アンプに入力される、マイクや楽器のピックアップからの過大電流に起因する。
分かりやすいのがエレキギターの「歪み」。
簡単に言うと、ギターアンプのチューニング(ヴォリューム、トーン等のつまみの位置)がクリーントーンであっても、強いピッキングをすると多少は歪む。
要は強いピッキングによって生じた強い電流がギターピックアップからアンプに送られるので、アンプの方はこれはたまらんということで悲鳴を上げる。
この悲鳴が美しければ「良い歪み」となる。
この悲鳴を人工的に作り出す音響機器が「オーバードライブ」というエフェクター。
同じような効果を持つエフェクターに「ディストーション」、「ファズ」というものがある。
この3種類の違いはWeb上で語りつくされているようなのでひとまず置いておいて、この「歪み」がロックミュージックにとって、なぜ重要な要素になったのかということを私なりに語りましょうぞ。
私が最初にファズの音を聞いたのはシャドウズの「ボンベイ・ダック」であった。
シャドウズはご存じのように英国のインストロメンタルグループで、人気歌手クリフ・リチャードのバックバンドでもあり、独自に「春がいっぱい」や「アパッチ」というヒット曲も出していた。
米国は「ヴェンチャーズ」、英国は「シャドウズ」という図式。
この「ボンベイ・ダック」は日本のジャズ評論家本多俊夫氏(サックス奏者の本多俊之氏の父上)作のエキゾチックな曲。
この曲のバックで「グウェー」という音が「ファズ」の音でした。決して主役ではなくあくまで背景音。
だって、シャドウズは上品な英国バンドでしたから。
次がローリングストーンズの「サティスファクション」のあのリフ。(発売はストーンズの方が先だが)
ストーンズも英国ですが、上品というにはちょっとね、これにはファズの音がぴったり。
その次がジミヘンとくるわけです。
要は「歪み」というのは上品の対極に位置していたと今になって思う。
だって一般的には「きちゃない」音ですから。 1958年リンク・レイの「ランブル」から始まったギターの歪みは、ロックミュージックの重要な要素となり発展していく。
この「歪み」ちゅう奴は、世の中ブッコワシタル的なロックの持つ破壊力を「音」として具現化したものであった。
この「ランブル」は歌詞がない曲であったのに放送禁止になったということがその証拠。
当時の大人はこの音を聞いただけで、ヤバイ、この音は子供たちを不良にする!と思ったのでした。
このようなことを書いていると無性に「THE WHO」が聴きたくなるな。
要するに何が言いたいかというと、ロックというものは「乱暴者」の一面があるからロックだった。
だったという過去形で言うしかない今は21世紀。
おっと、これを書いているタイミングでマティアス・エクルンド緊急来日だって。
ワシはよく知らんがギターの達人。ユーチューブで見てみると、これはワシが500年練習してもこんなには弾けん。
しかし、やはり音は「歪んでる」。しかも藝術的や!!
単なる「ブッコワシタル的」な衝動を現す音から、ここまで「歪み」は進化したんやね~~
唐突に無理やり前回の続きへ・・・
ヴァージンVS最初のレコーディングから、演奏はエモーショナルな要素を排除するような方向を打ち出したのだが、ライブはA児氏の大暴れを筆頭に十分にエモーショナルであった。
ギターの音で言うなら、レコーディングは「クリーン」でライブは「歪み」。
たぶん「クリーン」でも十分にロックっぽいレコーディングは可能だったのでしょうが、少なくてもワシはそんなテクニックはなかったですわ。
結局は最後までその差は埋められず。
まあ、でもそんな中でもヒット曲が少々あったのがせめてもの救いでしょうか。
なんか今回は結論がいまいちやね、今度ガンバリマス。
ほな、さいなら。
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