624gで生まれた私が普通の人の皮を被れるようになるまでその19

生後5ヶ月になったころ、
ようやく保育器の外に出ることが
できた。

母が病院につくと、顔を合わせる
看護師さんたちが
ニコニコしながら、
「今日はいいことがありますよ。」
と教えてくれたらしい。

なんだろう?といつものように
面会しにいくと、
私が保育器の外から出て、肌着を着て
ベッドにいたそうだ。

普段無口なお医者さんからも
「よくがんばりましたね。」
と声をかけてもらったという。

この記事で
「この子の面倒は私が見ますから
産ませてあげて下さい」
と言ってくださったお医者さんにも
たくさんたくさんお世話になったので
お礼を言おうと思ったらしいが、
なんだか、そっけない感じであった
ため、言いそびれてしまったそうだ。

後から聞いたところによると、
「保育器からそとに出たよ。」
といろいろな人に触れ回って
1番嬉しそうに喜んでいたのは
そのお医者さんだったらしい。

照れ臭かったみたい。

たくさんの人に愛され、
応援されて生きてきた。

次回、ついに退院!
母の気持ち。

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