【聴かせるピアノ演奏術】プロローグ
演奏歴20年のあずです。
演奏経験を生かした記事を書こうと思います。
ここでお伝えするのは、単にピアノが上達する練習法ではなく、いい演奏だったと聴衆に言ってもらえる、いわゆる「聴かせる演奏」ができるようにするための方法や練習法です。
(そのため、ピアノが弾けることを前提とし、ポピュラー音楽の演奏を中心とした説明になります。)
そんなの難しそう?
ピアノを弾くことが好きであればクラシックの大曲を弾く技術がなくても大丈夫。技術よりも聴衆に伝えたいのは気持ち、感情ですから。
演奏家の気持ちが伝わるから聴衆の気持ちが動く。いい演奏だったと思ってもらえることで大きな拍手や笑顔、おこづかいだっていただくこともできるのです。
ピアノで仕事をしたい、演奏に行き詰まっている、新しい練習法を試してみたい、拍手がもらえる演奏がしたい、ピアノは弾けないけど心に響く演奏ってどんなのか知りたい、そう思っている方に読んでいただきたい記事を書いていくことにしました。
今回はプロローグとして、私についてと記事を書こうと思ったきっかけなどをお話させてください。
まずは自己紹介。
ざっくりとした自己紹介はこちらの記事で書いてありますが、もう少し詳しく自己紹介をします。
音楽事務所を経営して18年。結婚式場や葬儀場、イベントに演奏者を手配する仕事をメインに、楽譜浄書や音楽制作、音楽教室などもしております。もちろん私自身も現場第一線でピアノを弾いています。
私は音大にはいっていません。昔からクラシックよりも自由に弾けるポピュラーが好きだったので音大という選択肢はありませんでした。でも音楽に関係する勉強はたくさんしてきました。音楽療法、リトミック、音楽著作権、作曲(作曲スクールのコンテストですべてのグレードで第一位)、作詞、コード理論、DTM、楽譜浄書など。これらは無駄なく仕事に役に立っています。
専攻楽器はピアノですが、ときどきヴァイオリンやフルートも練習しています。作曲や編曲をするにあたり、楽器の特性や音色、演奏法など自ら体験することでより良いものができるからです。他にも鍵盤ハーモニカ、リコーダー、アルパも演奏します。でもアルパはお休み中。(その理由はこちら)
仕事以外の音楽活動は、初音ミクでオリジナル曲を作ったり、ビートルズバンドでキーボードを演奏しています。(現在バンド活動は自粛中)
とにかく音楽づけの毎日です。
「ミスのない演奏」と「いい演奏」は違うことに気づく。
演奏の仕事を始めたころは散々の演奏でした。もう20年も前のことです。
演奏していたレストランのオーナーにいつも「下手だな」と言われていました。でも、練習方法や演奏方法を試行錯誤していくうちに、
下手だな
↓
まだまだだな
↓
まあまあだな
↓
ちょっとはマシになってきたな
↓
コツを掴んできたか?
↓
今日の演奏はよかった!
↓
やっといい演奏ができるようになったな!
と言われるようになったのです。
どんなにミスなく弾けても、いい演奏とは言ってくれない。なんでだろう?
この答えは「求められた音楽を提供できていなかった」から。
とにかく上手く弾こうと一生懸命だった私。
でも、その考えはお客様には求められていなかった。
上手く弾こうという考えを捨て、演奏が楽しい、演奏が好き、そう思って演奏したときに、大きな拍手をいただけたのです。
それからずっと演奏の仕事で生きています。
求められる音楽とは。
これまでに数百名の音楽家を面接し、研修をしてきました。面接を受ける音楽家は8〜9割が音大出身。技術も音楽の知識もある方ばかりです。ですが、演奏の仕事をするということはそれだけではやっていけません。自分の得意なショパンのバラードを披露しても聴衆がそれを求めていません。
聴衆が求めている音楽とは、いい音色を聴いて幸せな気分になったり、音楽を通して楽しさや悲しみを共有したり、自分のための豊かな時間が欲しかったり…例を挙げればキリがないですね。聴衆は音楽によって心が満たされる時間を求めています。
面接時の演奏を聴いていると、自己満足的な演奏をされる方がとても多いのです。面接で弾くのですからみなさん一番得意な曲を用意してきます。「私の得意な曲を聴いて!すごいでしょ?」と言われているよう。確かに演奏は上手い。でも心に響かない。かつて私がレストランでダメ出しされていたときのよう。(私はみなさんほど上手くはなかったのですが。)
難しい曲じゃなくていいから心に訴えかける演奏を聴かせて欲しいんです。
心に響く演奏ができないと仕事にはなりません。いい演奏を提供しその対価をいただくのですから。
いい演奏にするための近道。
私の事務所の研修は、演奏の仕事をしていただくための研修です。いい演奏をするためのテクニック、アレンジの方法、演奏による演出方法、結婚式や葬儀の知識・マナーなど現場で必要なことを学んでいただいております。
たくさんの方の研修を経て、今や私は演奏を8小節聴いただけで、その人がどんな演奏をするのかだいたいわかるようになりました。演奏を分析し、得意なところを伸ばしていきつつ、弱点を改善するために具体的なアドバイスを研修生にしています。
「聴かせるピアノ演奏術」では、研修で行っている「いい演奏をするためのテクニック」の部分を簡単に簡潔にわかりやすくまとめたものになります。さらに、演奏のコツや知識、演奏のプロが実際に行っている練習方法、小ワザなどもご紹介します。
いい演奏にするための近道。
私の20年分の演奏経験を元にした「聴かせるピアノ演奏術」を多くの方に楽しんでいただければ嬉しいです。
この記事が参加している募集
障害を持ったお子さんや介護施設で暮らす高齢者の方々への音楽提供活動費に使わせていただきます。たくさんの方の笑顔のために。お気持ちいただければ嬉しいです。