ネコ

30歳ごろから自分として生きられるようになってきた。本を読んだり、美術館へ行ったり。

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30歳ごろから自分として生きられるようになってきた。本を読んだり、美術館へ行ったり。

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伊藤潤二展「誘惑」@世田谷文学館

伊藤潤二展、会期後半に2回訪れることができました。東京の会期は2024年4月27日(土)~9月1日(日)と長く、それも明日で終わり。 作品の素晴らしさ、 展示構成、展示室デザインの素晴らしさ、 グッズの展開とデザインの素晴らしさ。 また併設のライブラリでは伊藤潤二のコーナーが作られており、未読の漫画などをゆっくり読めてとてもよかった。 本展の特徴として、グッズ販売コーナーは展覧会に入場した人に限らず誰でも入れます。 また、展示作品は全て撮影可。 1回目は、とにかくじっく

    • 指を拾う

      月のない夜にはピクニックバッグを持って ぼくたちは指を拾う 世界中のさみしい人たちが落とした指が 新月の夜にこの公園に降るから 草のあいだに落ちている石灰の粉に塗れた指を 拾ってはピクニックバッグに入れて かげのように黒いぼくたちは孤独な探検隊だ ライトをとりつけた帽子をかぶり 指を見落とさないように ぼくたちは真剣だ 指を拾い集めると 公園の隅のモルタル製のテーブルに着いて 拾った指をひとつひとつ調べていく ぼくたちは古びた医療器具で拾った指を切り開き 乾いた血の赤の

    伊藤潤二展「誘惑」@世田谷文学館