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それは涙だ

彼女の目をわたしは知らない
然し わたしは彼女の涙を知った

知らない筈の彼女の目から
宇宙でいちばん小さな海が流れる様を

聴き馴染んだ声で
堰き止めていた想いを紡ぐ音を

わたしが其れ等を受け止めるには
その宇宙でいちばん小さくて優しい海に
酔ってしまう程 潜ることしかできないけれど
屹度 宿酔いにはならないわ

だって約束したのだもの

「忘れる」と


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