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スイスワインとチョコレート(スイスでワイン造ってるの? #26)

スイスワインとチョコレート。
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「何の関係があるね〜ん!」という声が聞こえてきそうですが・・・
いろいろと興味深い関係性で結ばれているのでご紹介します。

ヴヴェイ(Vevey)

ヴヴェイはレマン湖畔の街でスイスワインの銘醸地の一つです。
スイス公共放送協会が発信しているSwiss Info (https://www.swissinfo.ch/jpn)によるとフランソワ-ルイ・カイエ( François-Louis Cailler, 1796-1852)がヴヴェイに世界最初のチョコレート工場を作ったそうです。
日本ではスイスのチョコレートといえば「リンツ」が有名ですが、「カイエ」は今でも続く最古のスイスチョコレートのメーカーです。
下の写真を見て「あ~、これ知ってる、食べたことある!」という声が聞こえてきそうです。輸入食品店などで見かけた方も多いのではないでしょうか。
何とも言えないあのまろやかなミルクの風味は僕も大好きです。

カイエ

ろうそく職人

カイエの娘ファニーはろうそく職人のダニエル・ペーターと結婚しました。
ダニエル・ペーターは隣人のアンリ・ネスレが開発した粉ミルクをチョコレートに混ぜ込もうとしましたが失敗し、ネスレに作ってもらったコンデスンミルクを使ってミルクチョコレートを発明しました。
ネスレ」はみなさんご存知、世界有数の食品メーカーです。
世界遺産になっているレマン湖畔に広がるぶどう畑近くにネスレの本社があります。
(タイトル写真は僕がヴヴェイを訪れた際に撮影したもの)。

また、日本のネスレの本社は僕の会社「ヘルベティカ」(https://www.vinumhelvetica.com/)がある神戸にあります。
なんかご縁を感じて嬉しいです。

ワックスキャップ

「ろうそく職人」という言葉を聞いた時に「そうだ!」とピンときました!

僕が輸入しているワインの中に、ベストオブスイスワイン (BSW)を何度も受賞している「ピノ・ノワールの女王」と言われる「ヤウスリン・ホーレガッセ」というのがあります。
ボトル上部のキャップシールは、よく使われる金属のキャップシールではなく、ろうのキャップ(ワックスキャップ)です。

ワックスキャップは、ほぼ空気を遮断できるので、温度変化による瓶内への空気の出入りを防ぎ、また急激な酸化を防止できます。
同時に、乾燥に対する防御もできるので、湿度も気にする必要がなくなると言われている優れものです。
このワイナリーのフラッグシップワインでもあり、より大切に扱われていることがわかります。

ワックスキャップ

白ワインとのマリアージュ

チョコレートには赤ワインと思っていませんか?
確かにカカオの風味と赤ワインは相性がよいものが多いです。
でもそこはスイスワインで日本のみなさまへ「新しい食卓の提案」をしようとしているヘルベティカ森本です。
あえて白ワイン(シャスラ)とペアリングしてみました。
合わせたチョコレートは今流行の「Bean to Bar」ではなく、様々なスパイスが入ったユニークな味わいのチョコを作っている「animus」さんのチョコレートです。
もちろんチョコレートだけでもとても美味しいんですよ。

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スイスワインで有名な品種シャスラにバッチリ合ったのはホワイトチョコにカルダモンを加えたチョコレートです。
カルダモンの香りが広がり、ワインもキリッとひきしまりました。

次点は塩キャラメル味のチョコレートです。ワインが全く違う味になり、新しい美味しさになります。

「これはあかーん」という組み合わせはダークチョコにクローブを加えたチョコレートでした。
「歯医者さん」みたいな味になります(涙)
歯医者さんの味・・・分かってもらえるでしょうか?表現の仕方がイマイチでごめんなさい。
このチョコはメルロの赤にも合いませんでした。

一口にチョコといっても千差万別で面白いですね。

今回のタイトル「スイスワインとチョコレート」、なんとかまとめることが出来ました。
雑学も交えてお楽しみいただけたでしょうか。
次回の記事も楽しんでいただけますように~

Beyond the Glass
ワインを通じてスイス文化を日本のみなさまへ
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