スイスワインの聖地(スイスでワイン造ってるの? #64)
スイスワインの輸入業を始める前からスイスのワイン産地のあちこちを巡っていました。
その当時は「わ〜、きれいだな〜」とか「お〜、斜面が急だな〜」と誰もが感じるような印象しかなかったのですが、コロナ禍も落ち着き、4年ぶり(2023年3月〜4月)にスイスのワイン産地を巡ったときに
お〜っ!、こここそスイスワインの聖地や〜❗️
とビビッときた産地がありました。
ということで、今回はスイスワインの各産地やその聖地について綴ります〜
6つの産地
スイスには大きく分けて6つの産地があります。
アルプス山脈をぬって流れるローヌ川畔*1のヴァレー地方
レマン湖畔のヴォー地方
スイス中央部から東部、北西部のドイツ語圏地方
レマン湖西端のジュネーブ地方
アルプスの南側のティチーノ地方
ヌシャテル湖、ビール湖、モラ湖(ムルテン湖)畔の三湖地方
スイス全体で原産地呼称(AOC)に認定されている地区・特級畑は69あります。*2
スイスの国土は九州とほぼ同じ面積ですが、多様な自然環境により各産地のワインはそれぞれユニークな特徴をもっています。
どの産地も鉄道や高速道路からぶどう畑が広がる景色を眺めることができます。
スイス旅行に行かれる際にはどうぞお楽しみください。
聖地
ティチーノ地方名産のメルロの白ワインでスイスワインに魅了され、ドイツ語圏地方バーゼルラントのぶどう畑でぶどう収穫のお手伝いをしているときに起業を思いつくなど、ぼくは特に「スイスワインの聖地」を意識したことはありませんでした。
ヴォー地方のラヴォー地区のぶどう畑は世界遺産に認定されており、ブルゴーニュのシトー会の伝道師がラヴォーでワイン造りを発展させた歴史があるなど、ヴォー地方はスイスでは一番有名なワイン産地ではありますが、判官贔屓のぼくは「ヴォーだけがワイン産地ちゃうで〜」と心の中で叫びながら、他の産地のワインを輸入してきました。
ところが、今回の出張で新規ワイナリー開拓のためヴォー地方を訪れた際にその考えが卑屈だったと思い知らされたのです。
なんでかって?
それがうまく説明できないのですが、もうなんか景色というか、空気というか。
その空間に身を置くだけで心が震えて他のワイン産地と明らかに違うのです❗️
水道ひねっても蛇口からシャスラ*3のワインが出てくるんちゃうかと思えるほどなんです。
各村の入口のモニュメントがぶどうのモチーフになっていたり、ぶどう畑をぬって走る道路のあちこちには「統一された」ワイナリーの看板があったりするなど、世界の名醸地とおんなじなんです*4
また、ヴォー州の州都があるローザンヌにはその名もズバリ「スイスワインホテル」までもがあります❗
館内や部屋のインテリアやデコレーションがワインやぶどうだらけで、それだけでもテンション上がりました。
やっぱ、名醸地と呼ばれる地方は何もかもがちゃうな〜って感動しきりでした。
ぷんぷん!
ヴォーの雰囲気に魅了されたぼくは、ヴァレー地方やドイツ語圏地方のぶどうでワインを造っている、協働ワイナリーvinigmaのオーナー、ヴァレンティンに「やっぱりヴォーは違うね〜、スイスワインの聖地やな〜」と言うと、めっちゃ機嫌悪くしていました。
しゃーないやん、ぼくがそう感じたんやもん、ヴァレーにもドイツ語圏にも「スイスワインホテル」ないやんか〜
と心の中で呟いたぼくでした。
オール紫
ヴォー地方で訪れたワイナリーの一つ、Cave du Consulのマダムはワイナリーのテーマカラーである紫で全身まとっているのです。
眼鏡も指輪もネイルも!
な、ヴァレンティン、こんな突き抜けた人、他の産地におらんやろ〜
もう、マダムの大ファンになったことは言うまでもありません。
ワインの味もワイナリーのストーリーにも感銘を受けたので、2023年の秋冬には輸入する予定です。
乞うご期待❗️
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