インポーター(輸入代理店)と面接、試飲でびっくり
Vol.008
白ワインの名産地、フリウリ=ヴェネツィア・ジューリア州のワインを選びつつ、イタリアワインのインポーター(輸入代理店)も調べていきました。
これぞ、という話題の白ワインがいくつもありましたが、その手のワインに共通するのは、一定のインポーターに集中していることでした。
この状況を、ファッションビジネスに置き換えてみます。
こういうことです。
たとえば、Aという人気ブランドのアイテムを扱うインポーターは、販売力のある小売店との交渉に長け、また雑誌やウェブメディアにもブランドが紹介されるつながりをもっていることがあります。
そのインポーターは、力があるともいえるし、たまたまマーケットが反応して、Aというブランドが売れるようになって存在感が増した、ということでもあるでしょう。
本来の力量か偶然かは別にして、新たに日本上陸を決めたBというブランドは、そんなインポーターと契約すれば、必ずうまくいくだろうと考える。そして、Cというブランドも、Dも……。
いま、話題のファッションブランドを見渡すと、特定のインポーターに偏っているように、ワインの仕入れのからくりも、どこか似ています。
しかし、ワインの造り手と、ファッションブランドとの考えの相違をあげるなら、ワインの造り手は、哲学的に醸造を語るでしょう。つまり、ものづくりの根源的なことをいまも大切にしている。トレンドなんてまったく意識しないことがほとんど。小さなショップでも商機を生み出せそうなのは、そこです。
新参者のヴィーノサローネが、どこまで受け入れられるのか。
めぼしい代理店に、「取り引き開始依頼」のメールを送りました。
会社によっては会議で取り引きを決めるため、結果が出るまで、結構時間がかかりました。
そして、まず、3社のインポーターとの、取り引きが決まったのです。
いよいよ、インポーターとの面接。
実際に販売したいワインを試飲しました。自然派、ビオ、オレンジ……、このあたりは、いま最も注目されているカテゴリーで、味わったことのない白ワインにも出合い、俄然、販売意欲がわく。
ナチュールワインを中心に仕入れる会社では、まったくワイナリーの名前すら聞いたことのないワインも多い。これまでのイタリアワインの常識を覆すほど、新しくも珍しいものをそろえていました。
これは、行けそうだ!
次回の“ディアリオ ヴィーノサローネ”に続きます。
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