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いちばん多感な季節を制服によって奪われた者たち

私の暮らす地域にある、ある高校の制服が変わっていることには気がついていた。
お隣100万都市、市内の中学校の制服が変わってることは最近知った。
もう学生がいないので、情報に疎い。

どちらも女性の制服にパンツスタイルが選べるようになっている。

20年前はどうだ⁉︎

私の娘が中学生に上がった時のこと、娘の友人が入学のさいにスカートを嫌がった。
幼い頃から、女の子としての違和感があった彼女は物心付いた頃からスカートを履くことはなかった。
だから彼女は学校に申し出た。
「ズボンにしてください。」
親子さんも同じようにそれを願い出た。

中学校はそれを拒否した。

だから彼女は学校へ行くことができずに不登校となった。
学校に行くことができない健康で元気な中学生がどんな道を辿るのかは容易に想像できること。

制服ってなんだろう?
その中学校の廊下に大きく掲げてた金子 みすゞさんの
「みんなちがって、みんないい」
を見て、ゾッとしたことを思い出す。

違うことを何よりも恐れていたのは誰?

あれから20年。
やんちゃな時代を過ぎ、大人になった今、あの時よりは少し優しくなった世界で、今はジェンダーを生きている。
それでも、義務教育を受けてないハンディがないとは言えない。

あの時、パンツスタイルを認め、当たり前に小学校の同級生らと義務教育を受けることができていたとしたなら、彼女の人生はまったく違ったものになっていたのかもしれない。

誰にだって「もしも…。」はある。
〝普通〟や〝正しさ〟は時代によっても違う。
だから、過ぎたことをウダウダ言ったところで、どうにもならないことは分かっている。
たらればでしかない。
それでも時代と片付けるには、なんともやるせない…。

新学期という季節になるとふと思い出す。

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