育ってきた環境が違うから

好き嫌いは否めない

私はセロリが嫌いだ。

独特の匂いが幾つになっても受け入れられない。

子供の頃、苦いものが嫌いで

コーヒーやゴーヤなんで一生私のからだにとり入れるわけがないとまで思っていた。

しかし、今はどうだ。

大人になると味覚がバカになって、

苦いものが受け入れられるようになるとどこかで聞いた。

私自身、毎朝コーヒーを入れて飲みたいとまで思う

お口にがにが好きウーマンになった。

今日の晩御飯ゴーヤだったし。

このシステムで行けば、匂いも許容できるようになると期待したが

やぱりセロリは無理だった。

セロリ農家の方ごめんなさい。

美味しく消費できるレシピください。


ワンナイトパクチー

こんな私でも、定期的に挑戦したくなるのがパクチーだ。

このパクチーもなかなか強烈な匂いで私たちに語りかけてくる。

直接的な匂いよりも、口の中で弾ける瞬間が一番強烈だ。

それなのにパクチーだけは、季節に一回挑戦したくなる。

好きになりたいわけじゃない。臭いのもわかっている。

でも今夜はなんだかイケそうがすると思ってしまうのだ。

ちゃんとそのワンナイト未遂は不発に終わる。

この顛末もわかっているのに、なぜか季節に一回挑戦したくなるのだ。

例えるなら、

嫌いで別れて、ダメなところもわかっているのに

定期的に連絡のくる元彼に、近況報告という名目で互いの恋人の愚痴を肴にを言い合いながら酒を飲み

気づけば昨日彼氏に抱かれたこの部屋で元彼と朝を迎えてしまう感じ。

飲みすぎてやったかどうかも覚えてないが、

ここまできたらやっていない方が不思議。

まだ酒の残った体を無理やり起こして、換気扇の下でタバコを吸う感じ。

換気扇の音と元彼の肌と布団が擦れる音が交互に聞こえて、

付き合っていた頃はもうすぐ起きてきて、

後ろから抱きしめられながらおはようと頭にキスされたなあ。

夜を共にした後に迎える朝の彼が一番好きだった。

タバコを一本吸い終わるころにようやく元彼は起きてきて、

俺にもと平気でタバコをせがんでくる目の前の男は

ちゃんと今の彼女を幸せにできるのだろうか。

こいつに不幸にさせられるのは私だけで十分だと

すこしの優越感が混ざった倦怠感が私をつつんだ。

という感じ。

私にとってパクチーはそんな存在なんじゃないかと思う。

まあ、そんな関係の人もいないし、タバコも吸わないから、

どんな感情かはわからないし、分かり得ないが。

だがセロリ。お前は別だ。ベランダに立ってろ。


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