許認可のデータを1つのフォーマットで見られるよう整備した話。
去年、ふとしたキッカケで行政や自治体が持っているデータを集めて整備して、1つのデータとして見られるようにする取り組みを始めました。
行政をハックし、行政データをオープンにしてみようとした結果 - 2019年の取組みと今後の展望
Civic Tech Forum 2019での登壇、その後取り組みについてtwitterやFacebookなどに投稿したことがキッカケで、協力や助言をしてくれる沢山の人に出会うことができました。色んな人の協力もあり、ようやくデータベースの運用を開始したのでご報告と今後取り組んでいきたいことを書きます。
実現できたこと
全国の自治体が保有している許認可に関わる事業者情報(いわゆる台帳データ)を集め、整備してデータベースにしています。
現在は、1都3県(東京都、埼玉県、千葉県、神奈川県)の食品営業許可・届出に関する施設情報のスナップショットをデータベースにしています。
どんなデータ?
食品営業許可とは「飲食に関わるリスクをへらすために、施設運営にあたって行政が出した許可」のことで、例えば飲食店やバー、コンビニやスーパー、あるいは自動販売機まで、食品が絡んでいるお店や施設を作るときには行政への申請と承認が必要です。
今回この許可に関わる情報、例えば、
・どの店舗がどんな許可を持っているのか
・その店舗の住所とか連絡先、あるいは運営元の会社情報
・許可が出てる期間や開業・廃業した日
などについて、自治体横断で見られるようなデータベースを作りました。
これを使うと、
・●月●日時点の食品営業許可施設の一覧
・▲月▲日〜■月■日の新規に開業した施設の一覧
を1フォーマットのデータとして抽出できるようになっています。
例えば、このデータで何が分かる?
こんなことが分かると考えています。
エリアごとの業態別の施設分布
・スーパーやコンビニなど、生活に必要な施設が揃っているエリアはどこらへんか?
・ラーメン屋はどのエリアにどれくらいあるのか?
・自動販売機はどのあたりに多いのか?
エリアごと&業態ごとの開業件数、廃業件数
・XXエリアの直近●ヶ月における飲食店の開業件数はどれくらいか?
・最近多く出店している運営元会社はどこか?あるいは撤退しているのはどこの会社か?
今後取り組んでいきたいこと
上に書いたような分析結果を少しずつ公開していきたいと考えています。行政が保有するデータがどれだけ有用なものかを証明することにもなるし、昨今の情勢を受け、飲食店を含め様々な業態の企業が直面している困難に対し、経済支援策として何をどれだけ講じるべきか?の一助になると考えているからです。
キカクという会社をつくりました
正直に言うと、データベース運用にはとても多くのお金がかかっています(笑)
ある程度の経済性がないと取り組みの維持ができないので、会社をつくって進めることにしました。
ありがたいことに、構築したデータベースを利用してくれる企業も見つかり、有料での提供を開始しています。
ちなみに、会社名は「キカク」です。「行政データのスタンダード(規格)を企てる(企画)」という意気込みからそう名付けました。
データを使って何かしてみたい人を募集しています
自治体ごとにデータ形式や項目定義が違うデータを1つのフォーマットで見られるようにし、それをデータベースとして提供することで、市民が「知りたい」ことにたどり着くための民間サービスが沢山生まれるのを手助けできると考えています。
...という感じなのですが、実はこのデータの使いみちをちゃんと見定められているわけではなく、活用してみたい人と一緒に考えていきたいです。
この記事を読んで興味を持ってくださった企業の方や、研究者、データサイエンティストの方はぜひご連絡いただけると嬉しいです!