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被災地への医療コンテナの提供~肌で感じた被災地の現状~

こんにちは!
ヴィガラクス株式会社です。

この度、私たちヴィガラクス株式会社は令和 6 年能登半島地震における被災地の避難所に医療コンテナ「モバイルクリニック™」を提供致しました。

今回は、医療コンテナを提供することとなった背景と、実際に現地へ医療コンテナをお届けした社員が現地で感じたことをお伝えします。

今回の医療コンテナ提供について

今回提供することとなったのは計4棟。
1 月18 日に石川県珠洲市にある正院小学校と宝立小学校に1 棟ずつ(窓口・設置︓株式会社ノルメカエイシア様、運送手配︓水野産業株式会社様)、
1月31 日に同じく石川県珠洲市にある蛸島小学校に2 棟(運送手配︓水野産業様、医療機器医療資材の調達︓石黒メデ ィカルシステム株式会社様)の提供を行いました。

災害時の医療コンテナの活用について

まずは医療コンテナの活用についてお伝えします。
医療コンテナは2018年の「国土強靭化基本計画」、2022 年の「経済財政運営と改革の基本方針」において活用を検討・推進されており、災害時等の活用が期待されています。
さらに令和5年(2023 年)7月28日の国土強靭化基本計画においては、保健医療・福祉分野において医療コンテナの活用・普及促進が追加記載され閣議決定されています。
テントやプレハブと比べて清潔性、堅牢性、耐候性に優れていること、水や電気の供給設 備の配備やCT等の大型の医療機器を搭載できること、医療機器を搭載した状態で運搬が 可能であり、災害時に被災地に運搬し医療提供が可能なこと等、災害時等の活用における利点が医療コンテナにはあるとされています。

過去の活用例

医療コンテナは平成 23 年東日本大震災、平成 28 年熊本地震、平成 30 年西日本豪雨 など過去に発生した大規模災害においても、日本赤十字社や陸上自衛隊等のコンテナが仮設診療所等として活用さ れました。
主な活用法としては、被災した病院の診察室、CT等検査機能の補完や避難所の巡回診療等に利用されていました。

内閣官房国土強靭推進室からの呼びかけ

令和 5 年 11 月、内閣官房国土強靭推進室から医療コンテナ活用を推進する為の資料として医療コンテナ取扱事業者へ取り扱いコンテナや取り扱い企業の情報提供が呼びかけられ、私たちも「モバイルクリニック™」の活用法などの情報提供を行いました。

そんな中発生した令和 6 年能登半島地震。
能登半島では医療機関を含む広範囲が被災し、医療提供体制も打撃を受け、避難所では医療従事者が診察、処置を行ったり休憩したりするスペースがありませんでした。
そこで医療コンテナに関して既に情報提供を行っていた弊社にも要請があり、石川県の中 でも特に被害の大きかった珠洲市へ合計4棟の医療コンテナ(当社が所有していた2棟、 さらに当社が設置した医療コンテナを医療機関様よりお借りした2棟)を設置することとなりました。

現地の声

実際に現地でモバイルクリニック™を活用し、診療を行っている HuMA 様、ピースウイン ズジャパン様のお声をご紹介します。

これまでは避難所の廊下を間仕切りして診療を行ってきましたが、プライベートの空間を確保し、診療所の機能を兼ね備えた医療コンテナを設置することで、患者さんにとってよ り安心して診療を受けてもらえる環境が整いました。(ピースウインズジャパン様)

発熱している患者さんは、他の患者さんと分けて医療コンテナで診療をしています。 被災地外と同じく被災地内でもインフルエンザ・コロナが流行しています。適切な感染対策をすることでインフルエンザ・コロナに立ち向かっています。医療コンテナの手配・調整していただいた関係者の皆様、ありがとうございます。(HuMA 様)

メディアからの反響も

被災地での医療コンテナの活躍はメディアにも注目され、2月5日の読売新聞オンラインでも紹介されました。

避難所では新型コロナウイルスなどの感染症患者を隔離するスペースが少なく、プライバシーに配慮した対応も難しかった。
感染症拡大を防ぐためウイルスを室外に出さない機能を備えたコンテナもあり活用が広がっているという紹介とともに、地域の診療所が再開できるまでの医療を支える拠点として活躍している様子が掲載されました。

実際に被災地へ行った社員が感じた現実

ー被災地へは何回行かれたのですか?
私が行ったのは計2日。1 月 31 日に石川県珠洲市にある蛸島小学校に2 棟設置しに行かせていただきました。

ー実際に被災地を目の当たりにして感じたことはなんでしょうか
日々のニュースである程度の現状は知っているつもりでしたが、実際に見た光景は想像以上で、言葉を失ってしまいました。
金沢から珠洲市までは2時間半ほどの道のりなのですが、道路が地割れなどで寸断されているところもあり5時間近くかかる道のりでした。
さらに町は断水し、電気や通信環境も悪化。車を進めるたびに建物の倒壊や被害の痕跡が見受けられ、胸が締め付けられたことを覚えています。

ー実際に見た光景は想像を絶するものだったんですね。避難所となっている蛸島小学校の様子はどうでしたか。
蛸島小学校には約120名ほどの方が避難されていました。
避難所内では限られたスペースで多くの人が過ごしており、プライバシーの確保の難しさや混雑からくる疲労感であふれていました。

ー確かに避難所でのプライバシーの確保は難しい課題ですね。医療スペースの確保はどうされていたのですか。
私が訪れた蛸島小学校では校内の一室を診察スペースとして活用されていました。
ただ、プライバシーの十分な確保や感染症対策を行うことは難しく、また夜間の診療では室内温度が低くなり寒いことも大きな課題でした。

ー実際に設置して、現地の医療チームの方とはどんなお話しをされましたか。
実際に医療コンテナを活用する医療チームの方からは、基本的な医療機器や医療従事者用の机などが設置され、かつ陰圧空気清浄機も搭載されているので診療所としての役割に加え感染症対策にも有効的だと評価をいただきました。
少しでも医療の安心を被災者の皆様にお届けできたことを嬉しく思うとともに、これからの復興にこの医療コンテナがさらに役立ってくれることを願っています。

最後に

今回私たちヴィガラクス株式会社は、このような経緯で被災地へ医療コンテナをお届けすることとなりました。
大規模災害はいつ・どこで発生するかわかりません。
しかし、医療はいつ・どこにでも必要です。
どんな状況においてもすべての人が安心して医療を受けられるように、医療従事者が安心して医療を提供できるように。
私たちヴィガラクス株式会社はこれからも医療の場を提供し続けます。

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