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【あつ森】クリーム島青春与太話(モニカルート2)

(前回↓↓)


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ハムカツ「わりぃ加納!オイラとしたことが、化学の補講が入っちまった。今日シベリアのとこにはオマエ1人で行ってきてくれ。」

聞くとハムカツは今日の化学の小テストで酷い点数を取ってしまい、教師に補講を受けるよう言われてしまったらしい。サボれば恐らく成績に響いてしまう可能性がある為、泣く泣く補講を受けることにしたんだとか。

「しゃーないな、分かった。居残り授業頑張れよ。」

そういうことで今日は俺1人でシベリアが入院している病院へ行くことになった。

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たぬき総合病院は学校から離れていない場所にある為、学校からそのまま簡単に寄っていける。俺は面会の手続きを済ませた後、シベリアのいる病室を尋ねに行った。

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シベリア「今日は1人で来たんだな。」

「ハムカツが化学の補講で捕まったんだよ。」

ハムカツのことも含めて学校であったことをシベリアに色々話して聞かせたが、俺はシベリアに聞こうと思っていたことを聞いてみることにした。

「なぁシベリア。前に姉がいるって言ってたよな。その人って運動部やってたりしないか?」

シベリア「へえ、よく分かったな。ああ、部活やってるぜ。確か……」

その時だった。病室のドアが音を立てて勢いよく開かれる。

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モニカ「ヤッホー、かわいい弟君!お姉ちゃんがお見舞いに来たよー!」

そこにいたのは同じ学校の女子制服の女。テンションは高めで溌剌としている。

「………………………。」

シベリア「………………………。」

見覚えのある女子校生の姿に俺だけでなくシベリアまで口をぽかんと開けていた。俺は恐る恐るテンション高めの女子校生に声をかけてみる。

「えっと、モニカさん??」

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モニカは俺とシベリアの姿を交互に見ると目を丸くして「きゃー!」と声を上げると俺の肩を掴んでガクガク揺さぶってきた。

モニカ「うっそー!加納少年じゃない!!君、シベリアと仲良かったの!?」

シベリア「は!?加納お前、いつの間に姉貴と知り合ったのか!?」

「し、質問を同時にしないでくれ。」

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モニカ「ホントすっごい偶然!そうなの、アタシ実はシベリアのお姉ちゃんやってるんだ。ウチの弟、なかなかイケメンでしょ?」

「は、はぁ・・・。」

モニカさんから解放された俺は改めてシベリアとモニカさんと雑談を楽しむことになった。元気に喋るモニカさんの隣でシベリアはぐったりと疲れたような表情を浮かべている。この様子だとシベリアは普段から姉のモニカさんに振り回されているんだろうな。

シベリア「……なんか色々と悪りぃな加納。なぁ、姉貴がどっかで迷惑かけたりしてないか?」

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モニカ「もう!シベリアったら本当に心配症なんだから。お姉ちゃんに悪い虫がついちゃわないか心配?アタシはちゃんと彼女は自分でよく考えて選ぶから心配いらないよ。」

シベリア「そういうことじゃねぇ!!言葉のまんまだ!人前でぶっ倒れたり突然座り込んで疲れたーって駄々捏ねたりしてんじゃねえのか?大体姉貴はすぐ調子に乗りすぎなんだよ。」

いやぁシベリア。いくら何でもいい高校生がそんな事堂々とするとは俺も思えない。

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モニカ「あーあー、全然大丈夫。自分のことは自分でなんとかするわよ。今までそうだったでしょ?」

ところがモニカさんの方は怒りもせずサラっと流している。それにしても何が今までそうだったんだ??

モニカ「それよりさ加納少年。折角だから可愛い弟君の幼稚園の時の話、聞いて見たくない?あれは遠足の日のことなんだけど…」

シベリア「待て待て待て!話を逸らそうとするな。あとその話は恥ずかしいから大声で語るなー!!」

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盛り上がりすぎてまた看護師さんに注意されてしまった。

面会出来る時間が過ぎたため、俺はモニカさんと一緒に病院を出て駅まで一緒に帰ることになったが…。外に出てからモニカさんは真顔で俺の顔やら身体やらを舐めるように見ながら歩いている。

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モニカ「ルックスはシベリア程じゃないけどまぁ許容範囲…背格好は………」

「あの、俺の身体に何かついてますか?」

モニカ「ん???あ、ごめんごめん。ちょっと考えてたことがあって。」

するとモニカさんは独り言のように「うん、これしかない!」というと手を合わせてお願いのポーズをしてきた。

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モニカ「ねぇ加納少年、あなたにお願いしたいことがあるの!」

「急にどうしたんですか???」

モニカ「実は今週末に友達とプールに行ってイケメンの弟を見せ合いっこしようって約束してるんだけど、その日だけアタシの弟になってくれない!?」

「いやいやモニカさん、それは流石に無理がありますって。」

モニカ「でも友達は今週末の約束にすごい気合を入れてるみたいなのよ。それはもうポシャったら許さん!ぐらいの勢いなんだから。友達のことはアタシがなんとかするし、君はその場にいてくれるだけでいいから!」

「厳しいですって。俺にシベリアの代わりは務まらないですよ。」

モニカ「この遊ぶ約束するのもう3回目なの。1回目は前日に体調崩しちゃって、2回目は女の子の日と重なっちゃって!シベリアはあんなことになっちゃったけどもうこれ以上ポシャリたくないのよ。ね、お願い!この通り!!」

モニカさんはそう言うと深々と頭を下げてきた。その瞬間俺は察した。これは俺が折れないと帰してもらえないやつだ。

「はー…。分かりました。それじゃ、当日はあなたを頼りにしますから。」

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モニカ「本当!?ありがとう、すっごく助かるーー!!プールのチケットはアタシがもう手配してるから。加納少年は水着を用意してきてね。よろしくー!」

マジか…。友人の姉と一緒にプールだなんて誰が予想するだろうか。俺は予想出来なかった。

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それから数日後、シベリアと会う機会があったので俺はモニカさんと遊びに行くことを話すことにした。案の定シベリアは信じられないと言わんばかりの顔をした。

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シベリア「何考えてんだお前、どうかしてるぞ!!」

「そうだな、俺もどうかしてると思う。お前みたいなイケメンじゃないしな。」

シベリア「そういうことじゃねぇ!あの姉貴に付き合うことがどういうことか知らないだろ。」

「考える余地を与えられなかったというかほぼ強引に決まったというか…」

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シベリア「…決まったもんは仕方ねぇ。お前が弟の代わりをするってんなら1つ話しておかなくちゃいけないことがある。」

「話しておくことってなんだ?」

シベリア「姉貴のことについてだ。」

次の瞬間、シベリアは真面目な顔つきで俺を真っ直ぐ見つめてきた。学校で見たことのない真剣な表情だ。

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シベリア「姉貴は実は……虚弱体質なんだ。」

「虚弱体質?モニカさんが…?」

シベリア「本人は悟らせまいと振る舞っているつもりだけどな。自分のパッションに対して身体がまるでついていってねーんだよ。」

チアリーディング部で部長を務めてるモニカさんを思い浮かべるととてもそんな風に感じられない。疲れを感じさせない爽やかな笑顔が印象的な彼女が本当に虚弱体質なんだろうか。

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シベリア「それがプールで大はしゃぎなんかしてみろ、絶対後でバテる。落ち着けって言っても聞きやしないし、きっとお前に迷惑がかかるかもしれない。それでもその日だけは…」

ここでシベリアは一度口を噤んだ。多分、この先を言っていいのか少し迷っているのかもしれない。しかしシベリアは俺にこう続けた。

シベリア「その日だけは……姉貴を受け入れてやってくれ。」

「シベリアはモニカさんに厳しいかと思ってたけど、そうでもないんだな。」

シベリアは一瞬だけ目を瞬かせた後、表情をフッと和らげた。

シベリア「そう、かもな。ていうか強く出れねぇよ。だって姉貴は…」

そこから続いたシベリアの言葉に俺はハッとさせられるのだった。

(次回↓↓)


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