なぜベトナム人は目先のことしか考えず、長期的な視点が足りないと言われるのか?

ベトナム人の短期的視点の特徴

ベトナムに住んだことがある人や、ベトナム人と働いたことがある人なら、「ベトナム人は目先のことしか考えず、長期的な視点が足りない」という印象を持つことがあるでしょう。

例えば、ベトナム人は「給料が高い」ことを最優先する仕事観を持つ人が多いです。ベトナム人は自身の今後のキャリア形成よりも、目の前の給料が高い会社によく転職します。これは短期的な計画を重視する典型例です。 

また、特に私がベトナムに住んで強く感じるのは、長期的な視点が足りないことによる「即時性の強調」です。即時性の強調とは、要するに「今がよければそれでいい」という考え方です。現在問題がなければそれで良しとし、根本的な解決をせず、対処療法的なアプローチをすることです。

例えば、以前アパートのトイレの便器から異臭がして、その臭いを取って解決してほしいとお願いしました。ベトナムでのトイレの便器の異臭は、たいてい便器のセメントの施工不良によるすき間から下水の臭いが立ち込めることが原因です。だから、しっかりした管理人ならば専門業者を呼んで便器を外し、セメントをきちんと塗り直すことで解決できます。

しかし、いい加減な管理人の場合は、消臭スプレーをトイレにかけるだけで「はい、これで良いにおいになったから大丈夫」としてして処理してしまいます。
ベトナム人はこのように何か問題があれば即時的にそれを手っ取り早く解決し、次にまた問題が起きたらその時に考えればいいとする例が多くあります。

場合によっては即時的でスピードが速いことが良い結果をもたらすこともありますが、問題の根本解決や予防、長期的な視点が必要な場合には、この「即時性の強調」が致命的な結果を招くことがあります。

では、なぜベトナム人はこのような短期的視点しか持てないのでしょうか。その一因として「ベトナム語の時間表現の頻度」が関係していると考えられます。

ベトナム語の時間表現と短期的視点の関係

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