鞘の内

橿原神宮で行われる奉納演武大会まであと、一週間。
試合ではないので気楽にいこうと、先輩に言われたものの、やはり緊張せずにはいられない。
自分にとって、居合道における初の大舞台である。
まだ初めて4か月。
間が短く、業一つ一つのクオリティは低いかもしれないが、これまでの稽古の成果が発揮できるように努めるしかない。

ところで、居合における精神的な鍛錬の為の深いお言葉がいくつかあるのだが、特に肝に銘じている言葉がある。

常に鞘の中に勝ちを含み刀を抜かずして天地万物と和する

つまり、刀を抜かずして勝利を納める、という考え方だ。

イラッときて、すぐに相手に刃を向けるのではなく、何らかの手段によって最終的に相手を負かせば良いわけである。

真っ向からやり合うだけが戦じゃない。
品格の高い大人になる為に必要な言葉だと思う。

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