立膝

居合道で『立膝』【たてひざ】と呼ばれる姿勢から放つ業がある。

『立膝』は正座よりも足が辛い。
まずは、この姿勢に慣れるしかないが、日常で全く行わない姿勢であるため、すんなりできるまでに時間が必要だろう。

『立膝』の姿勢について、文字だけで伝えるのは難しい。
武者座りとも言われるらしいが、戦国時代の甲冑(かっちゅう)を身につけていた頃からの座り方である。

左足にほぼ全体重が乗っかる。
足首が…いたたたた。
など、泣き言を言ってはいられない。
なぜなら、鎧を着ていないのだから。

当時の侍らは、重たい鎧を身にまとって座っていたのだから。
そして、敵を察知するや否や、即座に刀を抜き、相手を斬りつけていたのである。
侍になりたければ、修得すべき業である。

覚えなければならない業が、また増えた。
物覚えの悪い自分にとって、これまでに習った正座の業や立ち業すら、まだ身についていないのに、果たして上手くいくかしら…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?