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Vol.3 突き抜けた先の自然体のフラ。2人だったから生まれた、これからの物語

 フラの全日本チャンピオンに輝いたお二人のロングインタビューVol.3。今回はハワイの最高峰の舞台に立ったその後から今、そしてこれからについてお伺いしました。

【小澤早紀さん(写真右 サキ・2013年第一回全日本フラ選手権ソロ部門優勝)&橋本実優さん(写真左 ミユウ・2015年第三回全日本フラ選手権ソロ部門優勝)】

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前回まで、フラに出会ってから憧れの大舞台・メリーモナークまで上り詰めていく壮大なストーリーをお伺いしました。大きな大きな第一幕が終わって。でも人生は続いていくし、フラも続いていく。その後はどんな感じだったのでしょうか。


ミユウ:
「もうメリーモナーク終わった後は灰だよね・・・・。なにもかもが気力がなくなって、フラも踊りたくないくらいになって。」

サキ:
「でもそこからは二人で良く語り合ったよね。なんだかそのぽっかり空いた穴はミユウとしか語り合えなかったと思う。まったく同じ心境の相方がいたからこそ、そこから動き始めることができたんだと思う。」


そこから新しいブランドの立上げ、4人でのユニットの立上げ、と今の活動につながっていくんですよね。

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サキ:
「そうですね。本当に今までフラをやってきたことは縁だし、フラにたくさんのことを教えてもらってきて、たくさんの人に支えてもらってきて。その受け取ったものをもっと発信していくことが大切なんじゃないか、と考えて。

わたしがアクセサリーを作ることが大好きで、よくミユウにプレゼントしていたので、それを形にしようって。メリーモナークの翌年、2017年に立ち上げました。」

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「HULA. OCEAN. FAMILY. LOVE」をコンセプトにしたLanakoiは、天然の貝殻やサンゴを使ったアクセサリーや、ハワイ語のメッセージがユニークなTシャツなどをラインナップし、作る側から完売していくという人気のブランドに。

ミユウ:
「もう間違いなくサキちゃんがいなかったら、私は『夢かなった、ハイ終了!』、ってなっていたと思うなぁ。サキちゃんがいたから、お互いがいたから、そこからまた新しいスタートが切れたんだとしみじみ思う。フラを踊りとしてだけじゃなくて、新しい解釈や表現とか、いろんな幅で考えられるようになったよね。」

今フラを踊っていると、どんなことを感じるのですか

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ミユウ:
「今はなんだろうな・・・それまではハラウ(フラスタジオ)のスタイルとかそういうことをメインに、忠実に踊ろうと考えていたけど、今は自分がいかに自分の踊りを極めていくか、というステージに来ている気がする。自分たちがどう何を表現するのか。」

見ている方々に何を受け取ってもらっているのでしょうね。

ミユウ:
「ちょっと前までは笑顔になってほしいとか、幸せになってほしいなぁと思って踊っていたけど、今は自分が楽しい、自然とつながって気持ちいい、ということを表現したい!という感じに変わってきたかな。なんか自分が伝えたいな、と思うことって伝えなくても勝手に伝わるんだな、と思って。本気で思うことをただ表現するだけでいいんだな、って。」

サキ:
「そうだね、なんというか愛みたいな大きな見えないものを、与えるというよりは感じて踊っていたら、自然と伝わっていくという感じだよね。

小さいころからずっと踊ってきて、大会にも出て、教える立場にもなって、パフォーマンスもすごいたくさんのところでやってきて・・・・。たくさん伝わっていたら嬉しいなぁ。」


Lanakoiで、またはwaleaで、自由に踊る時は本当に二人の創造ですよね。二人が感じている世界そのままが、自然と観ている側に伝搬していっているように感じます。

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ミユウ
「もう自由に踊っていますよね、サキちゃんと踊っているときは」

サキ 
「フラは本来は楽しんで、地球とつながって、神さまに捧げたり、ご先祖様に語り掛けるといったものなので、2人で踊る時は解き放たれて踊れているのでそういう本質的なところが表せているのかもしれないですね。

ハラウ(スタジオ)の伝統を守って踊るフラと、この自然体で踊るフラ、両方をやっていきたいですね。」


あと二人のミュージシャンと組んだwaleaのまた違う楽しいフラもあるんですよね


ミユウ
「やっぱりこれもまた違いますね。ミュージシャン2人の歌の波長や気持ちにのってくるものもあるし、踊りだけでは表現できないことも音楽が加わることで幅が広がって、チャレンジできている気がします。

活動して2年くらいになりますけど、空間づくりというか・・・場づくりが面白いですね。」

場づくり。今の状況下ではなかなか難しいこともあるかと思いますが。コロナの状況になって、ライブ配信をされるようになって、全国のみなさんにもお二人の踊りが見れる機会が増えたということですよね~。

サキ
「本当ですね。環境も整ってライブ配信も本格的にできるようになってきたので、さらにいろんなチャレンジをしていきたいなぁ、と思います。」


ライブ配信でも十分伝わるような気がします。見ていてなんか本当に宇宙とつながっている感じというか、この二人は宇宙人では!?と思うような感覚ありましたよ(笑)

ミユウ
「わぁ~、嬉しい!それってほめ言葉ですよ~。宇宙につれていっちゃうぞ~~という気持ちで踊りますね(笑)」

サキ
「目で見えること以上のもの、空気感とか宇宙とか、そういうものを感じてもらえて一体になれたら嬉しいですね。」

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~インタビューを終えて~

「踊る」というわたしたちが失いかけている、とってもプリミティブな喜びの手段。それを極めたサキさん、ミユウさんのその過程は壮絶なものでしたが、「抜けた」「無私の状態」「0になった」という言葉にあるように二人が持つ突き抜けるような透明感は、踊りを極めた先から生まれたのだと感じました。
古来から踊りは喜びの手段でもあり、祈りでもあり、さらには巫女のような特別な役割を与えられたものが厳しい戒律の中で神とつながるための手段として存在していました。
彼女たちのフラに呼ばれ極めていくプロセスは、まさに現代版の巫女のようなものだったのかもしれません。そして一つの役割を終えた今、自然なスタイルで踊るそのフラは、自然とつながるシンプルな喜びに溢れていて、「さぁ、一緒に踊りましょう」、と呼びかけられているような気持になります。彼女たちのhua styleに刺激をもらって、わたしたちも一歩を踏み出してみたいですね!

追記

2020年9月21日。半年以上休止となっていたWaleaのLIVEが逗子surfersで行われました。熱気あふれる会場で満面の笑みを浮かべて踊る二人の姿がありました。ぜひ@w_a_l_e_aで今後の活動もご確認ください!またそれぞれからメッセージも頂いていますので次回、そちらもお届けします!

■前回までの記事はこちら。


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