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昔長女と観た映画

私がまだ少女だった頃、大好きな本がありました。見たのは学校の図書室だったのか、それとも自動車文庫だったのかは定かではありません。とにかくその本とは2週間だけの付き合いだったのですが、私にとって一生忘れられない物語となったのです。



5才になるロッタちゃん、ある朝起きた瞬間からご機嫌斜めです。それというのも大事にしているぬいぐるみを学校に行っているお兄ちゃんとお姉ちゃんがいじめた夢を現実とごっちゃにしてしまったから。しかもお母さんが出してくれたセーターはチクチクするから着たくない。そこで着替えもせずに寝室でふくれっ面をしています。お母さんもそのうち「知りませんよ」と出かけてしまいます。ロッタちゃんは憎らしいセーターをハサミでじょきじょき・・・!やってしまうとちょっと心配になりますが、そこでどうしたかというと、なんと家出することにしたのです。行き先はとなりのおばさんのおうちです。すると、おばさんは庭にある物置小屋の2階を貸してくれます。いつも上りたかった物置の2階にはお宝がざくざく。おばさんの娘が使った子ども用ベッドやら椅子やらをきれいにしているうち、引き出しからはステキな人形と人形用のたくさんのドレスまで出てきます。 大喜びのロッタちゃん、自分の所帯をととのえてご満悦です。お兄ちゃんやお姉ちゃんも遊びに来てうらやましがります。けれど、夜になるとひとりぼっち・・・。(築山真希子)


何がいいって、物置の2階につくった子供部屋です。かわいいカーテンに小さなベッドや子供用の椅子。かわいらしい人形のベッドも置いてあります。自分でお掃除して作った自分だけのお城。ご飯の時間になるとベルイおばさんが窓から下げたカゴに食べ物を入れてくれるのでそれを引き上げるだけでいいのです。手作りの、ままごとみたいな小さな生活。私は人形遊びやドールハウスやままごとが大好きなので、きゅんきゅんしながら読み進めました。そこには、インテリア好きの要素も加わっていたかもしれません。


スクリーンショット 2020-10-05 午前11.51.15


まだ長女が小さかった頃、ある日レンタルビデオ店でそれを見つけました。


スウェーデンの小さくもかわいい街並みに、夢いっぱいのインテリア。ロッタちゃんと同年代の娘と観たこの映画を一瞬で大好きになりました。それは長女も同じだったようです。それからは時々ビデオを借りて長女と一緒に視聴しました。


ロッタちゃんがいつも連れているブタのぬいぐるみのバムセ。ある日おもちゃ屋さんで偶然売られているのを見つけたので、即座に買って家にお迎えしました。


書店でロッタちゃんの絵本を見つけると、喜んで買い集めました。長女にとってロッタちゃんの思い出は「妹たちも知らない、これはママと自分だけの秘密の宝物」なのではないでしょうか。私の想像にすぎませんが。


長女も大きくなり家族も増え、私たちは福岡へ引っ越しました。ロッタちゃんを観ていた頃の長女の年齢に三女が近くなった頃、我が家が住んでいた家にはかわいいロフトがありました。


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ここには赤×白のギンガムチェックのカーテンをつけて、ままごとキッチンを置き、ロッタちゃんのお部屋さながらの三女のための遊び場を作りました。とてもかわいい部屋ができていたので当時の画像が残っていればよかったのですが、これは引っ越したあとの引き渡し時に撮ったものです。


今はもう娘たちはとうにロッタちゃんの年齢を超えて絵本も家には残っていません。女の子の遊び道具がだんだん消えつつあるこの家で、少しの寂しさを感じながらも新しい展開に幸せを感じながら子育て継続中です。長女はいつの間にか私が長女を産んだ年齢を超えてしまいました。仲睦まじい彼氏がいるのですが、もし結婚して出産したら、どうせ生まれるのは女の子。そのとき長女はどんな子育てをするんだろうなんて考えました。



この場を借りて一言。この数日間、noteの中で誰かの痛みに寄り添って慰めるという機会がとても多かったのです。そしてその反面、自分が励まされて元気をもらう場面も本当に多かった。人って第三者のことはわかっても、意外に自分のことが見えていないものなんだなぁと思います。傍から見た自分をイメージするのは難しいけれど、それでももっと自分自身を内省して、心の奥底を見つめたときに見えてくるもの、感じるものがあると思います。その声を大切にして生きていきたい。そして、いつも私を元気付けてくれる仲間たちや記事を読んでくださるみなさん、私はみなさんのやさしさに支えられて、毎日noteを続けられます。これからも良い記事を作り続けられるよう頑張ります。本当にいつもありがとうございます!

未来はいつも面白い!