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ボリス・ベレゾフスキがウクライナでの戦争を擁護

ブログ「Slipped Disc」の著者ノーマン・レブレヒトおよびフランスの複数の音楽メディアが伝えたところによると、ピアニストのボリス・ベレゾフスキは3月10日、ロシアの公共テレビ Russiya 1 の番組に出演し、ロシアのウクライナ侵略を熱心に擁護する発言をした。

ベレゾフスキは「今後しばらく西欧でコンサートを開くのは困難だ」と言った後、アメリカのある政治学者を引いて、今回の戦争を挑発したのは西欧だなどと発言し、明確にロシアの軍事介入を擁護した。同じくゲスト出演していた軍の人物に「ウクライナの人々のことはかわいそうだと思っているが」とした上で、「彼らを包囲し、電気を遮断することはできないのか」と質問。相手が「人道的災害を作り出すことはできない」と答えると、「今必要なのは戦争に勝つことだ。そのあとはどうにかなる」と切り返した。

その後、フランスのある音楽評論家がソーシャルネットワーク上で公開した、ベレゾフスキ本人のメッセージ(エージェントに宛てたものらしい)では、「番組での発言の意図は、悲劇が一刻も早く終結するための可能性を探る討論とすることだった」と弁解。キエフの電源遮断については、「街に爆弾を落とすという選択を回避し、これ以上人道的災厄を広めないようにするためという意味だったが、それ以上は発言させてくれなかった」と説明。また、戦争が勃発したのは西欧のせいだとしたことについて、「だからと言って、自分はこの戦争や、他の戦争を支持するというわけではない」と言ったという。そして、今後は音楽以外には発言しないとしてメッセージを終えている。

問題は、このテレビ局が誰の目にも親プーチンであることが明らかなことだ。

これを受けて、ピアニスト、指揮者で、パリ室内管弦楽団の音楽監督でもあるラルス・フォークト氏は、ツイッターで「以前友人だったベレゾフスキの発言は信じがたい。この友情は正式に終わった」と明言した。

この数日前、ラ・フォル・ジュルネやラ・ロック・ダンテロンなどの音楽祭の芸術監督で、長年ベレゾフスキをプログラムに組んできたルネ・マルタン氏は、「体制に加担していないロシアの音楽家は引き続き招く」とし、その中から代表的な名前を挙げていたが、ベレゾフスキはそのリストの中に入っていた。マルタン氏はこの発言を受けて、ベレゾフスキとは今後一切のコラボレーションを断つと公式に表明した。


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