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詩…「幻燈夏」

古い映写機を
今年は回すことにしたの
もう後ろを向かないと
決めていたけど



思い出は美しい
過ぎるほどになお深く
同じ結末(おわり)と知って
忘れたように繰り返す



あの日が最初で最後だったんだろう
永遠などないと今ならわかるけど



襲いかかるように
雲が流れてゆく
晴天の青さは
嘲笑うかのよう



私が生きてることを
あまりに強く知らされる
なのに夢を見ているみたい
それが本当だとしたら



同じ痛みだわ
変わっていないはずよね
この手の感覚なら思い出せるのに



ずっとはいられないわ
燈火がやがて絶えるように
消さなきゃならないの



秋が訪う前に

幻燈夏-note-タイトルなし



photo by 写真AC https://www.photo-ac.com/main/detail/3693541
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