メルロ=ポンティと顔ヨガと「反復概念」



メルロ=ポンティは人間の行為や表現には反復があり、その中に新しい意味や価値が付与されていくと考えていました。つまり反復の中に創造性が内在するのです。

顔ヨガを続けていく中で、同じ動作や呼吸法が日々反復されていきます。しかしその一つ一つが単なる繰り返しではなく、そこに新しい気づきや可能性が生まれ続けているはずです。

例えば、ある日の呼吸は昨日とは違う。表情筋の使い方に新たな発見があるかもしれません。このように反復による蓄積が、顔の身体性への自覚を高め、顔との対話をより深くしていくことでしょう。

さらに、メルロ=ポンティが言うように、過去の経験が現在に反復され、そこから未来への可能性も開かれていきます。つまり、顔ヨガの日々の実践は、過去の自分を発展させながら、これからの自己の在り方をも創造的に展開させていく契機となり得るのです。

この反復を通した創造性という観点から見れば、顔ヨガは決して単なる美容法に終始するものではありません。それは自己の身体性を掘り下げ、表現し、新たな存在様式を見出していく実践なのです。

私たちが日常生活の中で忘れがちな、この根源的な身体性。メルロ=ポンティの言うように、身体こそが世界に開かれ、意味を生み出す根源的場所なのです。顔ヨガはその身体性への気づきを呼び起こし、さらに反復による創造性を通じて、私たち自身の在り方を豊かに開示してくれるに違いありません。

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