ウォンテッドリー株式会社を読み解いてみた
1週間2時間だけ一社を調べて読み解いてみるシリーズやってみる。今回はIPO時の持ち株比率で上場ゴールだなんだとかで世の中がちょっとざわついていたウォンテッドリー株式会社について。自分もウォンテッドリーというサービスを使い始めてはや5年くらい。今でも採用する側として使っている。
↑てか、気づけば株価めちゃくちゃ下がってる。
ウォンテッドリー株式会社とは
もともとFacebook Japanの初期メンバーである仲さんがフューエル株式会社という名前で2010年に、Facebookマーケのコンサル事業から始まったのがウォンテッドリー社(以下、ウォ社)。そこから、事業もピボットして2012年に今の原型である「Wantedly」をリリースしている。2013年の仲さんのTEDを見たことをある人もきっといるはず。若い。かっこいい。
現在は、大きく分けて会社訪問アプリ(というなの採用メディア/管理ツール)と名刺管理ツールを運営している。
wantedlyのリリースが2012年、名刺管理ツールのWantedly Peopleは2016年の11月リリース。
決算資料にも書いてあるのだけど、この広告に頼らない成長サイクルが実現できるモデルであることがウォ社の強み。
企業側はとりあえずいい人を採用するために自社ページを作成⇛コンテンツを投稿⇛求職者はSNS上or 自然検索でそれを読んで興味を持って応募(管理)⇛企業側としてはATSとしても便利
みたいな良いサイクルを生み出している。確かに。実際にディップ社の小林さん( https://twitter.com/Bashiiiiii0603 )のようなwantedlyをいかにハックするのかで崇められる人物も登場し、Wantedlyからすると気づけばエンドユーザーにとって良質なコンテンツが自社のドメイン上にインデックスされていく。採用のGoogle みたいな感じのポジションが取れだしてきたので、採用したい企業はWantedly上のSEOをいかにハックしようかと躍起になるという良い循環が生まれている。実際にGoogleで検索してもWantedlyでいかに採用するのかをみんなが必死にハックしようとしていることが伺える。すごいなー。
2011年9月5日にTech Crunchに掲載されたこの記事がバズり、一気に2週間で1万人を超えるユーザーが獲得できたらしい。立ち上げ期は、渋谷のスタートアップに泥臭く飛び込み営業で訪問し、企業を獲得していたという話を知っている人も多いだろう。当時勃興し始めていたスタートアップとスキルセットベースの優秀な若者とのマッチングプラットフォームとして、一部の"ょうほう感度が高い"学生の間で一気にソーシャルリクルーティングプラットフォームとして流行した。
↑リリース時のwantedly
個人的に思うwantedlyの発明
1.スコア機能
特に初期の段階でうまく機能していた印象があるのが、wantedlyスコア。ソーシャルリクルーティングというだけあって、SNS的なバズり方を求職者側でうんだ。このスコアがランキング化され、当時(2014~15年)くらいの大学生たちは必死にwantedlyのプロフィールを充実させ、友人にレビューを依頼し、ソーシャル上で拡散した。
↑仲さんのウォンテッド・スコア
ポートフォリオや実績を掲載した自己紹介サービスの側面もあったため、優秀な若者を採用したい企業はWantedly上でスカウトし、学生はよりよい企業からスカウトされるためにWantedlyのプロフィールを充実させた。これが本当にすごかった。
しかし、残念ながら今やこのスコア機能は殆ど機能していない。このスコアが今も機能している企業ってあるだろうか。
2.スカウト機能
今やどこの企業もやっていて、目新しくはないがスカウト機能も非常に画期的な機能だった。FacebookやTwitter上で潜在的に起こりかけていた優秀な人間に対してのリクルーティングをサービスとして切り取った。ヘッドハンターのような高価で一部の人のみだったものをより民主化させたのもwantedlyの発明だと思う。ナビに掲載して求職者からの応募を待つしかなかった企業が自らの手で優秀な学生のポートフォリオや自己紹介から判断しスカウトを安価に採用できる。採用競争力の低かったスタートアップが重宝したのは当たり前のように思える。今や当たり前だけど、当時は割と革命だった。SNSの勃興と同タイミングでこの波に乗れたのはFB出身の仲さんならでは。
Wantedly株式会社の今後
サービスがマスに広がりすぎたせいで、優秀な若者と企業のマッチングプラットフォームとして機能しなくなってきた。当時の求職者のレベルの若者はより潜在化していき、Wantedlyで優秀な人が採用できなくなってきたという声も聞くし、採用する側としても実感する。
ミートアップ機能の追加など、リクルートマーケティングにより機能や方向性を寄せていこうとしているのも理にかなっているだろう。政府の副業推進や雇用の流動化が上がっていることなどまだまだ市場は拡大していく。それぞれの分野でニッチなサービスが乱立していく中、ソーシャルリクルーティングのパイオニアとしてウォンテッドリー社がどう舵をきっていくのか注目したい。Sansanがあの時価総額で上がった中、ウォンテッドリーを名刺アプリをどこまで持っていけるのかも気になる。
最後に
サイルの黒須さんのような記事を書こうと思ってやってみたけど、文章を書くのって難しい。2時間でタイムアウト。あと、ウォ社って一回も使わずおわってしまった。
ひえ〜