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ビブリオマンシーとエンジェルカード

書物占い ビブリオマンシー


ビブリオマンシーといって、書物を開いてそこに書いてある言葉をメッセージとして受け取るという占いがあります。
聖書など、真実が書いてあると思う本でやるそうなのですが、イタリア・アッシジの聖フランチェスコが、出家した当初にやった場面が伝記にも映画にも描かれていて印象に残っています。

フランチェスコと同じように、財産を捨てて出家しようと彼の元をたずねてきた二人の友人たちがいました。
彼らは一緒に聖堂に行き、イエス・キリストにどうすればいいか聞くために、そこにあったミサ典書を開きます。
「もし完全になりたいなら、行ってあなたの持ち物をすべて売り、貧しい人々にやりなさい、そうすれば、天の宝を受けるだろう」
と書いてありました。
そしてもう二回開くと
「わたしに従いたいと望む人は、自分を捨て、自分の十字架をになって、わたしに従いなさい」
「旅のためになにもたずさえてはならない」
と書いてありました。
これに従って、フランチェスコはこれらのことを自分たちの生活と規則にして、何も持たないということを決めました。

これ、試しに聖書でやってみたことがあります。
ぱっと開いて、目をつぶって適当に指差したところを読みます。
すると案外、それなりに「なるほど」と思うようなことが書いてあったりします。

ビブリオマンシー用の本が現代でもでていて、何年も前ですが西洋占星術家の鏡リュウジさんが訳されていますし、やはり占星術家の石井ゆかりさんも「青い鳥の本」とか「薔薇色の鳥の本」など、ビブリオマンシーとして使える本を出してますね。

はじめてのエンジェルカード

今はオラクルカードというものがたくさん出ているので、聖書を開いて指差すより、好きなカードを買ったほうがいいですよね。
ドリーン・バーチュー博士のエンジェルカードのシリーズが一番有名で、スピリチュアルなことが好きな人なら知らない人はいないと思います。

でも、日本ではじめてエンジェルカードを出したのは、中森じゅあんさんだと知ってる人は、そんなに多くないのかも?
見出し写真で出したものがそれです。

もうまったくといっていいほど使っていないので、メルカリにでも出そうかなと思っていましたが、ひさしぶりに出してみたら、なんだか可愛い。
金色と薔薇色の裏面が綺麗で好きだったのを思い出しました。

試しに一枚引いてみたら「独自性」というカードが出ました。
「ひとりひとりがユニークが存在です。人と比べると能力や魅力は弱まります。ありのままを生きていると独自性が光ってきます」というメッセージ。

カードのタイトルのフォントも明朝系でちょっと古くさい(失礼)

この天使のカードは元がトランプなんですけど、「天使のメッセージをトランプにしたらどうか」というアイデアから探していたら、たまたまアメリカの通販カタログでこの絵のプレイングカードを見つけて取り寄せ、その絵柄がすべて違うもので理想的だったことから、使用許諾を得て作ったのだそうです。
そのカタログがクリスマス号だったからでしょうか、ヴィクトリア朝時代のレトロなクリスマスカードの絵なんですね(1860年代)。

これを買った当初はちょっと古臭い感じもすると思ったものの、カリグラフィーを始めて蚤の市にも行くようになった今見ると、古い書体や絵が可愛い~と思ったりします。
人の感覚って変わるものです。

ドリーンの初めてのエンジェルカードの日本版が出たのが2002年らしいのですが、中森さんのエンジェルカードは2000年の春に初版が出ています。

中森じゅあんさんは鬼谷算命学の占い師で、2000年前後よく雑誌で見ていました。占いの分け方が「樹」とか「花」とか「海」とか「鉄」とか自然のもので、私は「海」です。
自由が好きで束縛を嫌い、外国とも縁が深く、旅が好きで放浪や海外暮しをする人も、というタイプ。
けっこう当たっているので、興味がある人はフィガロのサイトで調べられます。いま、今月1月の運勢も載ってます。

じゅあんさんの天使との初めての出会いの話が印象的でした。
1985年、青山の事務所のビルを出て、ふと空を見上げると、赤ちゃんの姿をした天使の大群が虹色の光とともにあったそうです。

不意を襲われて、思考が入る余地もない状態になった私は、瞬間的に歩みを止め、目を見開き、思わずぐるりと首を左右に巡らせたものです。
 天使達は、私の視野に入る空全体に、ビルとビルの谷間にさえすべて埋め尽くして、ギッシリといました。私が目に収めるのを待っていたかのように、天使達はやがて一斉に消え、あとは雲ひとつない日本晴れの青空が、果てしなく広がっているばかりでした。

「ANGEL CARD 52の天使からの愛と幸せの贈物」中森じゅあん

私はこれを読んだあと、表参道にいくと「見えないかなあ」と空を見上げたりしたものです。

その後、ドリーン・バーチュー博士のカードがどどーっと入ってきたので、このエンジェルカードは影が薄くなってしまいました。

が、そのドリーンものちにクリスチャンになってしまい、それまでのスピリチュアル活動を全否定したとのこと。
なにせ、エンジェルカードを燃やすか捨てろとか、スピリットガイドを信じてはいけないとか言い出したので、ファン騒然となりました。
私も思わず「だったらすいませんが、カード買ったお金返してくださいよ」と思ったものです(笑)。
持っている人はかなりの種類のカードを持っていたりするので、どうしたのでしょうね。
私もいくつか持っていますが、今でも普通に使ってますし、別にまったく気にしていません。

ビブリオマンシーやオラクルカードは、当たる当たらないという占いとはちょっと違うと思います。いろいろなことで迷うと、何かや誰かからアドバイスが欲しくなるものです。
そういえば、「ルーンの石」というのも持っていて、一時期それもよく使ってました。
その話はまた別の機会に。


書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。