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上野・国立西洋美術館にてー常設展と中世写本の世界

「内藤コレクション展Ⅱ 中世からルネサンスの写本」を見に、上野の国立西洋美術館に行ってきました。
確か去年の暮れあたりにゴシック写本の展示があり、本当は春あたりにこのルネッサンスの写本の展示があるはずだったのです。

上野はやや遠いので、しかもこんなご時世ですから、えいや!っと腰を上げないと行けなくて、どうせなら同じ国立西洋美術館で大々的に開催されている「ロンドンナショナルギャラリー展」にも行きたい、、、、と思うも、そちらは前もって日時指定券が必要。今、お盆休み時期のせいか混んでいて、昼間のチケット取れるのが来週になってしまうので、内藤コレクションのみを目指して出かけました。

と言っても、内藤コレクションは常設展と一緒のチケットになっていて、常設展示をずっと見ていって最後に写本の展示室にたどり着くという流れ。

中学生くらいの時、授業の一環でこの美術館の常設展示を初めて見にきたのですが、その時はモネやルノワールなど、印象派ばかりに目がいってました。でも、ここの常設作品、15、16世紀のイタリアやヨーロッパの絵画、中世の宗教画もけっこう見応えがあって、企画展とちがって人も少なめなのでゆったり見られます。

特にイタリアの宗教画のあたりを歩いていると、まわりの人を見なければヨーロッパの美術館にいるような錯覚さえおこすくらい、いい感じです(私的にですが)。

そして写本の部屋へ。

中世の写本についてはまたあらためて書いてみたいのですが、写本といっても展示では本の形ではなく、内藤裕史さんという中毒学の学者で医師でもある方が蒐集された写本の零葉を額装したもの。

とにかく細かいので、今日はルーペ持参(ハズキじゃないけど)。

今回の展示は、15、16世紀の西ヨーロッパ(イギリス、フランス、ネーデルランド)で制作されたもので、時禱書(じとうしょ)が主でした。時禱書とは「一般の信者が日々の定められた時間に朗読する、聖書の抜粋や祈祷文などを収めた書物」。

獣皮紙に書かれていて、文頭にある装飾アルファベットや、枠装飾がとても美しいです(でもサイズは本当に小さい)。昨年まで1年弱、こういった中世写本の装飾の講座に通っていたのですが、とても細かい作業です。

写本装飾出身の有名な画家といえばフラ・アンジェリコだそうで、彼の絵を思い浮かべて、なるほどと思いました。

本物の写本は、なかなか日本で見る機会は少ないので、貴重な展示です。

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今回はポストカードなどのグッズも少し販売されてました。
コレクションの中の時禱書から"花と小動物によるトロンプ・ルイユ風の枠装飾のマスキングテープ。かわいくてお気に入りです。
トロンプ・ルイユ風とは、だまし絵風ということだそうです。

書くこと、描くこと、撮ることで表現し続けたいと思います。サポートいただけましたなら、自分を豊かにしてさらに循環させていけるよう、大切に使わせていただきます。