引きこもりが部屋の中から世界を変える


7年前うつ病で引きこもっていた時、家から出られないことを悲観していた。以前はアクティブに日々多く人に出会っていた私が、ベッドから起き上がれない日が続く。情けなくて、周りから取り残されたような気持ちがして焦っていた。

そんな時に電話口で友人に「家の中でもできることがある。部屋の中から革命を起こしたり、世界を変えることもできるんじゃない?きみはそういうことができる人だと思う。それってなんかオタクっぽくてかっこいいし、うらやましい」と言われた。

オタク?!?? 会社でバリバリ働く友人がうつ病引きこもりの私を羨ましがる意味も分からなかったが、その言葉は当時の私を大きく励ましてくれた。

「部屋の中から革命を起こす」
...その言葉になんだかワクワクして、引きこもりの状態を肯定してもらえたみたいで嬉しかった。
家から出られないのならお家時間を楽しもうと思えた。今の私には少なくとも安心して寝そべるベッドがあり、毎日ご飯が食べられてお風呂にも入れる。気分は日々ジェットコースターのように浮き沈みを繰り返したが、身の回りに目を向けると生活そのものは快適なのだと気がついた。
その時の私のスローガンは

「安心引きこもりライフ」

動ける日に手芸やお絵描き、お菓子作りをしては写真をSNSに投稿した。心配してくれる友人や親戚に、今の状況を肯定的に楽しんでいる姿を見せたい気持ちもあった。でも何より少しずつ元気になっていく自分を感じて嬉しかった。


それから何年も経って私はまた引きこもりになっている。あの時の言葉の意味をもう一度考える。私にもこの部屋からやれる事はあるかなと。

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