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【読書ログ】モネのあしあと


はじめに

2024年こそは読書ログをつけてみようと思い、重い腰を上げて挑むことにします。
本を読んでも数年たつとおぼろげになってしまうことが多いので、あらすじや印象に残った部分を残していければなぁと思います。
拙文ですが、読んでくださるとうれしいです。

きっかけ

先に告白するが私には美術の心得もなく、美術館に訪れたこともなかった。
しかし、友人の誘いで美術館を訪れる機会があった。その日は上野にある国立西洋美術館がモネの特集を行っていた。

そこで初めて睡蓮を見た。圧巻だった。
静かな美術館で声をあげそうになった。それだけの魅力があった。
ただ、先に述べたように私には知識がない。もしかしたら視界を埋め尽くすほどの景色に圧巻されたのかもしれない。

それでも私はまた見たいと思ったし、他の作品にも興味がわいてきた。
しばらく書店をプラプラ歩いていると、本書が目に入った。
原田 マハ 氏の『モネのあしあと』である。友人も好きだと言っていたし、共通の話題になればと思いたち購入した。

内容

全体として著書である原田マハ 氏が見聞きした調査と感想が述べられていた。
正直美術関係の本はこれが初めて読んだが、文体が読みやすく具体例、特に言及されている絵について写真が載っていることがありがたい。私にはタイトルを言われてもあまりピンとこないからだ。しかし、タイトルを知らずとも見ればピンとくる絵もあった (都合上仕方ないのだろうがモノクロなのが悔やまれる)。

さらに、解説のほうも充実しており、当時の芸術の移り変わりやモネの過ごした生涯、日本と欧州の芸術の差異など十分すぎるほど細かく書かれていたため、当時の情景を思い起こし印象派の勃興が鮮明に思い起こされた。

感想

全体として非常に読みやすい文体だと感じた。親しみやすく、それでかつなお語りかけてくるので、まるで久々に再開した旧友から話を聞いているようであった。
原田マハ 氏はタイトル通り ’モネのあしあと' を追って過去に住んでいた地を訪れるほどの (私から言わせてもらえば) マニアである。
書店で見かけて興味本位で購入し、読んだ本ではあったが、内容は非常にまとまっており、初心者でもモネという一人の画家のみならず、当時の欧州芸術史がどのように変遷していったかの知識が得られる良い書籍に巡り合えた。

ぜひとも「モネという名前は聞いたことがある」かつ「作品の詳細はよく知らない」という方に読んでいただきたい。
特に今後、美術館でモネの展示を見に行くのであればなおさら。

初めての方にモネの、印象派の作品を鑑賞させてくれる良い書籍かと思う。あまり価格に言及したくはないが、私が購入した当初は500円 (税抜) という価格だったので投資しても悪くない金額かと思う。

また、作者の原田マハ 氏は、他にも作品を手掛けていて、モネのほかにもゴッホ、ピカソなどがあるようで。
特にモネを含んだ印象派の創作活動を切り取った短編集『ジヴェルニーの食卓』も発刊しており、その短編集ではモネのほかにもマティス、ドガ、セザンヌという絵描きを題材にしているとのこと。

正直言うとモネ以外は聞いたことがない作者だが、原田マハ 氏が挙げるなら間違いないのかなと思わされるところ。
年度が替わるまでには読むつもりである。
(シリーズ物の積読の前に読んだ方が良いのかもしれない。)

以下、今回の書籍。
言わなくてもいいのかもしれないが、
アフィリエイトではない旨、ご承知おきを。


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