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Food for Well-being

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特に「食×健康」の分野に関心があり、学習記録メモ等をnote・マガジンに残しています。 <ブログ> https://qaqqar.com/ (Wordpress) https:…
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2019年9月の記事一覧

コレステロールが「高い」「低い」どちらが長生き?

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「5 コレステロールと寿命の関係」より

あるアメリカ人高齢者(65歳以上)を対象に血中コレステロール値と死亡率の関係を(単純に)調べた調査によると、血中コレステロール値(mg/dl)が、

160以下の場合:1.63
161~199の場合:1.00
200~239の場合:1.03
240以上の場合:0.96
となっている。

これだけ見ると、「血中コレス

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高中性脂肪には炭水化物・脂質どちらを控える?

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「中性脂肪値を上げない食べ方」より

飲酒量と中性脂肪との関連を調べた研究によると、お酒は「1日に1合」を超えると高中性脂肪血症になりやすいことが言える。
また、総エネルギー摂取量を変えずに総エネルギーの5%を炭水化物から脂質に置き換えた研究では、LDLコレステロールが増加する一方で、中性脂肪値は減少する(=炭水化物の方が中性脂肪を上昇させる)ことが分か

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トランス型脂肪酸と飽和脂肪酸、どちらに注意すべき?

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「トランス型脂肪酸の問題点」より

飽和脂肪酸/トランス型脂肪酸と血中コレステロール(LDL÷HDL)変化量を観察した研究をまとめた結果によると、
同じ量を摂取した場合は、トランス脂肪酸の方が血中コレステロールにより悪い影響を与えることが分かった。

しかし、日本国内で成人男女の食事を調べた研究によると、トランス型脂肪酸の摂取量平均は総エネルギーの0.8

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コレステロール対策は揚げ物に注意するだけで万全?

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「揚げ物と高コレステロール血症」より

総エネルギー摂取量の5%だけ、炭水化物から各脂肪酸(飽和脂肪酸/一価不飽和脂肪酸/多価不飽和脂肪酸)に置き換えた時の血液中LDLコレステロール値変化を観察した研究によると、

飽和脂肪酸:+6.4mg/dl
一価不飽和脂肪酸:-1.2mg/dl
多価不飽和脂肪酸:-2.8mg/dl

であり、飽和脂肪酸だけがコレス

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2つの「コレステロール」が招いた誤解と混乱

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:「コレステロール値を下げるには」より

食品中のコレステロール:
主に動物の細胞膜に存在し、細胞内外の物質輸送を担っている。
特に神経組織に多く、他には卵の黄身にも豊富である。

血液中のコレステロール:
コレステロールは主に肝臓で合成され、全身の細胞に輸送される。
コレステロール単独では動脈の中を移動出来ないため、リポたんぱく質と結合し、リポたんぱくコ

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[フィンランド]森と湖と疫学研究の国

佐々木敏の栄養データはこう読む!
第1章:フィンランド「森と湖と疫学研究の国」より

フィンランドが生活習慣病の予防に関する様々な医学研究、特に「疫学」(※)と呼ばれる分野の研究を他の国に先駆けて行い、数多くの成果を世界に発信してきたことは日本であまり知られていない。

(※)疫学:疾病や健康に関連した出来事とその要因を集団を対象に研究する学問のこと。

1960年頃、フィンランドは世界一心筋梗

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[野菜]「1日に350g」の根拠はどこにあるのか?

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ
第1章:野菜「「1日に350g」の根拠はどこにあるのか?」より

「健康日本21(栄養・食生活)」・・・「カリウム、食物繊維、抗酸化ビタミンには野菜摂取の寄与が高く、これらの栄養素の適量摂取には野菜350g~400gの摂取が必要と推定される」
↑野菜のみでなく他の食品群を組み合わせても達成出来るはずで、野菜だけ増やすという条件設定は少し不可思議である。

欧米諸国

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[モンゴル]赤い食べ物と白い食べ物

佐々木敏のデータ栄養学のすすめ
第1章プロローグ「[モンゴル]赤い食べ物と白い食べ物」より
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ゴビ砂漠の遊牧民が極寒の冬を乗り切るためには大量のエネルギーが必要であり、かつ体力のない家畜は冬を越せない。
そのため、家畜は秋の終わりに処分され、冬の間の食料となる。モンゴルの人々は肉類のこと

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発達障害と完全母乳・カンガルーケア・帝王切開

発達障害児急増の原因は、「完全母乳・カンガルーケア」である可能性がある。なぜなら福岡市において、1993年に生後3日間の完全母乳(人工乳なし)を、2007年にカンガルーケア(産湯なし)を導入後、発達障害児が急増しているからだ。つまりカンガルーケアをおこなっている施設では発達障害の発症率が高く、おこなっていない施設では低いというのである。

アメリカで自閉症が増えはじめた時期を調べると、WHOで「出

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発達障害と農薬(書籍より)

OECDの加盟国のなかで、単位面積あたりの農薬使用量の1位が韓国、2位はなんと日本である。そして自閉症の有病率の1位も韓国、2位は日本なのだ。
だからといって、 農薬が自閉症の直接の原因だということではないが、 少なくとも自閉症の有病率が、韓国と日本だけ突出して高いことは事実 である。

<出典>
溝口 徹. 発達障害は食事でよくなる . 株式会社 青春出版社.
(Kindle の位置No.43

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新しい卵のゆで卵は殻がむきにくい

新しい卵より産みたてから4~5日経ってからの卵のほうが、ゆで卵にした時殻がむきやすい。

生みたての卵は、卵殻と卵殻膜の間、卵殻膜と卵殻の間が接着している。
しかし産卵後5日程経つと、卵殻膜と卵殻の間に隙間ができ、卵殻もつるんとしていてむきやすくなる。これは卵白から出る炭酸ガスの急激な放散がおさまるためである。

<参考文献>
Newton別冊『食品の科学知識 第3版』 (ニュートン別冊)