5月8日 アウェイ 栃木SC戦 VF甲府 選手採点
過酷な5連戦最後の試合。
両チームとも疲労は色濃く、ゆっくりとした立ち上がりが予想されました。しかし、予想に反して試合開始から栃木の圧力が非常に強く、25分まで甲府が何もできない一方的な状況からゲームはスタートしました。
パライバ 5.5
初スタメンおめでとう。
高さが有効で、しばしばヘディングで味方に繋いでくれた。
リラよりも足元が柔らかい印象で、浮き球をワンタッチでゴロのパスに変えてつないでいた。
パライバも飯島も裏を取ろうという意識が強く、相手の最終ラインに吸収されている時間が多かった。
どちらかが下りて、最終ラインと2列目の間に空いたスペースを有効に使いたかった。
後半は少しライン間まで下りて受ける様になったが、前を向いた状態でボールを持つ時間をもっと与えてあげたい。
味方からパスの入る場所のフィーリングはまだまだ合っていない。
守備では、プレスバックして単独で奪いきるシーンがいくつかあり、守備の意識が高かった。
48分に一人で奪いきったシーンでは、相手の二次攻撃を防いだナイスプレーとなった。
飯島 5
一発で裏を狙う意識が強く、もう少しライン間で受けて角度をつけた攻撃をしたかった。
水戸戦では低いところまで下りて組み立てに加わるプレーが上手だったので、戦術的な役割だったのかもしれない。
しかし43分に長谷川が持ち上がるシーンでも、長谷川から下りて来いというジェスチャーをもらっているので、ピッチ上でもライン間で受けて欲しい意図は見えた。
居て欲しいスペースに入れず、試合に入り切れなかった印象。
長谷川 5.5
序盤から25分くらいまでパスを受けようとするたびに潰された。
相手の勢いが収まってからは、いつものようにフリックで繋いだり、隙があれば持ち上がってサイドや中央を狙い続けた。
25分に持ち上がったシーンでは、球離れが遅れてカットされてしまいもったいなかった。
もしかしたら、サイドを警戒している相手選手を、自分に引き付けてからサイドに出して、味方にフリーの時間を増やそうという意図もあったかもしれない。
終盤はボランチに入ったが、相手の縦パスを予測してカットしていた。
荒木 6
ボールを持ってアクションを起こすことは少なかったが、1発で裏を狙う意識を持っていた。
長谷川との補完関係が整っていて、ボールをスムーズに引き出すように努め、また長谷川が深く入り込んだ時は後ろでサポートし、居て欲しいところに居てくれた。
46分、石川が逆サイドでさばいているときに、長谷川が少し後ろ目のポジションを取るやいなや、荒木はすぐに左シャドーの張った位置までポジションを上げた。山田から良いサイドチェンジが長谷川に入る頃には、もう画面から外れるほど高いポジションに居る。
縦と横のレーンのどちらも長谷川と立ち位置が被っておらず、その後の左サイドの展開力が増す素晴らしいポジショニング。
50分に、相手ボランチがアタッキングサードで前を向いてボールを持っているシーンでは、長谷川のプレスが遅れてしまい、荒木がボランチと外から裏へ抜けようとしているサイドの選手の二枚を見なければならなくなっている。
ボールホルダーに詰めていけば、サイドに出されて裏を取られ、詰めなければ前進されてスルーパスを出されるかミドルシュートの危険性がある。
ここで絶妙な立ち位置と、一度距離を詰めるフェイントを入れて牽制し、相手のパスが強くなりすぎて、ゴールラインを割った。
ピンチの場面でありながら老獪な対応で相手のミスを誘ったナイスプレー。
しかし、59分に前掛かりになったところを裏へ1発で通されしまった。
5連戦の最後なので仕方ないけれど、昇格するためには、ここで走り負けない集中した予測と走力が求められると思う。
最終ラインの3人と山田陸も出ずっぱりで非常にコンディションは厳しいと思うが、何とかもっと全速力で戻って欲しかった。
山田陸 6.5
普段に比べると流石に運動量は少し少なかった印象。
しかし、小気味好い縦パスやサイドへのフィード、またはワンタッチパスを何度も刺してゲームのリズムを生み出していた。
59分のシーンではもっと全力で戻って欲しかったが、82分の被カウンターの場面では、1対1で体をぶつけて潰してくれた。
石川 6
浦上の隣へ下りて最終ラインからビルドアップを担ったが、45分の中盤4枚を置き去りにしたパライバへの縦パスは素晴らしかった。
守備への切り替えが早く、即時奪回のプレスを強度を保って繰り返してくれた。
関口 5.5
ウィングバックでありながら、リカバリーが不十分な中で怪我なく5連戦を戦い抜いてくれた。
しかし流石の関口もこの試合では疲労が限界に近いように見えた。
いつものスピードはなく、運動量も少なく、裏を狙うチャレンジも少なかった。
終盤でも深いところまで走り上がってくれたが、いつもなら縦に仕掛けるところで消極的なプレーを選択していた。
22分に敵に囲まれている須貝にパスしてしまい、プレスがハマりかけたのが危険だった。
須貝 5.5
深いところまで侵入してきたボールホルダーにも、1対1を制してピンチを防いでくれた。
18分に浦上がハイボールの処理で矢野選手に競り負けたが、競り負けたボールへの須貝の反応が遅く、拾った相手のシュートでポストを叩かれた。
矢野選手は空中戦が強いのだから、ゴール前の周囲の味方は常にこぼれ球にアラートであって欲しかった。
栃木の選手はこぼれてくるのを信じて準備していたから出足が早かった。
それ以外では、最後まで走り続けて相手のカウンターを潰すなど、失点0に貢献してくれた。
浦上 6
終始声を出して最終ラインの上下を管理した。
最終ラインで持った時、プレスをいなして持ち上がるプレーが効果的だった。
特に25分、中央の長谷川へつなげたシーンは滑らかだった。
守備では、特に88分の最終ライン3人のカウンターへの対応は見事だった。
浦上と野澤陸の2枚対相手2枚でカウンターを受けたが、野澤がパスコースを切り続け、浦上がフェイントを入れながらトカチを外へ誘導して須貝のプレスバックが間に合う時間を作り、須貝と二人で挟んで奪った。失点0に抑えたスーパープレーだと思います。
野澤陸 6
パスが全体的に少し弱く、攻撃をスピードダウンさせてしまった印象。
また、43分のシーンでは、少し守備の対応が軽く、交わされた後も全力で戻っていない。
5連戦を出ずっぱりで、ここでもダッシュを求めるのも酷かもしれないが、昇格チーム・残留チームを分けるのはこういう細かいところかもしれない。
河田も早く戻って来いというジェスチャーをしている。
何とか頑張ってもらいたい。
終盤は1対1を2度制し、矢野選手をストップしてくれた。
河田 6
冷静に枠内のシュートをセーブしていた。
ビルドアップ時に、プレスがハマりかけそうな時は、早めに前線に蹴り出していた。
鳥海 6
後半から鳥海を入れて、右サイドのローテーションが生まれてパスワークが活性化した。
56分に、コーナーからの流れで残っていた浦上が落としたボールを、ツータッチで反転してシュート。
相手を置き去りにするクイックネスは本当にすごい。
往年の香川真司を想起させられた。
71分にも前に走りながら浮き球をボレーシュート。
強烈なシュートを枠内に飛ばした。繊細かつ大胆な素晴らしい技術。
守備では79分に裏抜けしたトカチをカバーリング。
リラ 5.5
79分の、プレスを回避するゴールキーパーのキックを一人で踏ん張ってキープしてマイボールにしてくれたように、リラに当ててから展開のいつもの形で攻撃が活性化した。
その後、遠いところからミドルシュートを狙ったが、そこはセルフィッシュになるところじゃなかったかもしれない。
フォワードなのでシュートの意識が高いのは良いことだが、普段は打ってほしいところで打たないことが多いので、その辺の見極めができたらもっと点が取れる恐ろしい選手になってくると思います。
また、91分にマイボなのに相手ボールのスローイン判定をされてカッとなるが、ボールを叩きつけずに冷静になって我慢した。
替えが中々利きづらい助っ人外国人には、こういうのとても大事だと思います。
小林岩魚 5.5
80分、リラから長谷川へと繋がり持ち上がるが、外を岩魚がオーバーラップして行かない。
長谷川はそれを待っているが追い越さないので、後ろの岩魚へ戻して追い越せとジェスチャー。
荒木にできて岩魚がまだ整理できていないところかもしれない。
しっかり一週間で修正してもらって、今週の山口戦の見所の一つになるのでは、と思っています。
楽しみです。
宮崎 出場時間短く採点なし
スローインを背負いながら受けて、外してミドルを一つ打った。
ミートしなかったが、一人でフィニッシュまで持っていってくれるプレーは非常に心強い。
総評
終始ハラハラしながら90分を過ごしました。
栃木さんのプレスと球際の激しさは予想以上で、ここまで甲府が思い通りにボールを動かせなかった試合は、新潟戦と今節くらいじゃないでしょうか。
勿論、疲労もありますが、やはり栃木さんが強かったですね。
何とか失点せずに耐えることができたという感想です。
お互いに、もう一歩やもうちょっとの精度が足りずに仕留めきれない。
それでも気力で戦い抜いた好ゲームとなりました。
得点できなかったのは残念ですが、今は守備が課題のチームですので、失点0を素直に喜びましょう。
さて、そんな難敵栃木さんの次に戦う相手は、また難敵の山口さんです。
特にホーム小瀬での通算対戦成績が芳しくないですね。。
難しいゲームとなるでしょうが、しっかり休養をとったイレブンがきっと勝ってくれると信じています。
もちろん小瀬に参戦しますよ!
頑張れ!
甲府!
勝つぞ~!!
最後まで読んでいただきありがとうございます。
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