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J2第16節 京都サンガF.C.戦 プレビュー

前節水戸に勝利し、連勝を3に伸ばし迎える今節の相手は首位京都。
10戦負けなしの強敵に挑む一戦となる。

1.対戦成績

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これまで通算で23試合の対戦で甲府の7勝7分9敗となっている。

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アウェイでは4勝4分4敗と全くの五分となっており、昨年完成した「サンガスタジアム by KYOCERA」では引き分けに終わっている。

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最近の対戦では7戦負けなしと近年は相性がいい相手であるが、チョウキジェ監督が就任した今シーズンはどうなるか。

2.前節

甲府

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苦手としているアウェイに乗り込んでの一戦は試合開始早々の得点を守り切り3連勝となった。
試合内容はレビューをご覧ください。

京都

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アウェイで首位新潟との一戦。
勝てば順位が入れ替わる中、前節水戸戦からスタメン3人変更。
福岡、中川、李に代えて三沢、武富、ウタカを起用。
開始10秒でいきなり新潟がシュートを放つ。
キックオフを受けた堀米から本間を背後へ走らせ、クロスに鈴木が合わせる。
立ち上がりから共にゴール前に迫る形を作っていく、動きの多い試合の入りとなる。
ボールを保持し、京都を揺さぶる新潟と強度の高いプレスと密集を作ることでボールを奪いにいく京都。
京都は新潟の2CBに対して、ウタカと武富をマンツーマンでつけることで新潟のビルドアップを封じていく。
19分に京都に最初のチャンス。
左サイドからのクロスにウタカが合わせるが、枠の外へ。
新潟もCKから千葉が合わせ、ゴールに迫るが共に大きなチャンスは無いまま飲水タイムへと突入する。
テンションの高い試合であり、共に球際でのバトルで一歩も引かない展開は飲水タイムに入っても変わらない。
共にSBの背後に起点を作る狙いを持つが、ゴール前はどちらもやらせない。
新潟はFKから鈴木がフリーで合わせるも強いシュートは打てず。
セットプレーからチャンスを作っていく新潟。
35分頃から京都は武田のポジションを下げ、ボランチを2人並べる形へと変更する。
アディショナルタイムには本間が中央からドリブル突破し、ミドルシュートからゴールに迫る。
続いて京都にチャンス。
右サイドから斜めの縦パスが入り、ウタカが潰れたところを荻原が拾いシュートを放つが阿部が防ぐ。
共に強度が高く、スピード感のある引き締まった展開で前半を終える。
後半から京都は荻原と三沢に代えて本多と福岡を投入する。
後半も最初のシュートは新潟。
左サイドからの高木のクロスに鈴木が合わせるが若原が防ぐ。
中央で本間が起点を作り、クロスから京都ゴールに迫る形を続けて作っていく。
前半は京都のハイプレスに手を焼いていた新潟だが、後半は逆手に取り京都陣でプレーする時間が多くなる。
京都は53分に武富に代えて荒木を投入する。
後半に入っても共に球際強く戦っていくが、それに伴いファールが多い展開となる。
新潟優位の展開となっていた後半だが、先手を取ったのは京都。
58分に川崎のミドルで先制する。
一度ボールを奪われかけるも、川崎が潰しマイボールにする。
ウタカ、福岡と繋ぎ川崎がミドルを放つとゴールネットを揺らす。
甲府のアカデミーで過ごした川崎にとってプロ初ゴールとなった。
62分にはカウンターから京都がゴールに迫る。
最後はウタカのシュートに阿部が反応し防ぐ。
飲水タイムで新潟は三戸に代えて谷口を投入する。
74分には島田が強烈なミドルを放つがまたも若原が防ぐ。
82分に新潟は島田に代えて星を投入する。
直後に新潟に決定機。
高木のパスを受けた谷口が若原を交わすも福岡がカバーし、シュートは打てず。
85分には左サイドから本間がクロスと見せかけ、シュートを放つがまたも若原が立ち塞がる。
92分に京都は荒木に代えて曽根田を投入する。
続けて94分に松田に代えて中川を投入する。
新潟の猛攻を耐え切った京都が1点を守り切り、首位に躍り出た。

3.今季成績

両チーム比較

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ここまで8勝4分3敗で5位の甲府と11勝2分2敗で首位に立つ京都の一戦となる。
京都はホームでは得点が増える一方で、失点も増えている。

直近5試合すなわち5月の成績であるが、甲府と京都が4勝1分の勝ち点13で並んでいる。
勝った方が5月最も勝ち点を積んだチームとなる。

甲府
直近5試合成績

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先にも触れたように4勝1分と負けなしの5月。
上位追撃の月となっている。

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好調を支えているのは安定した守備となる。
5試合で2失点、4試合で完封となっている。
中でも被シュート本数はリーグで2番目に少なく、被チャンス構築率も4番目に少なくなっておりGKの活躍だけで失点を減らしているのではなくチームとしての守備が機能していることがわかる。

京都
直近5試合成績

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甲府同様4勝1分で独走していた新潟、琉球を追い抜いた京都。
上位直接対決でも1勝1分と負けていない。

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目立つのがシュートに関する項目。
シュート数、枠内シュート数がリーグトップとなっている。
シュートを放つだけでなく、得点数もリーグ2位と決めきる力も持っている。
シュート数の多い京都の矛か被シュート数の少ない甲府の盾か。
どちらの強みが発揮される試合となるか。

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プレーエリアを見るとリーグ平均では敵陣で赤くなっているエリアが多くあることがわかる。
前線からのハイプレスと敵陣に速く攻め込む特徴からこのようなプレーエリアとなっている。

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得点はクロスとショートパスからが多くなっている。
両サイドが高い位置を取る特徴も得点に表れている。
ショートパスからの得点が多いことはウタカや武田とラストパスが出せる選手が多いことが影響しているだろう。
失点はクロスからが多くなっているがこれも両SBの背後を突かれ、クロスをあげられることが多くあることが影響している。

京都はわかりやすい特徴があるチームと言える。
その特徴を最大限プラスに変換し、相手を押し切るパワーを持っているチームである。

4.予想スタメン

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甲府
4試合連続で同じメンバーを予想した。
前節内容面に不満もきちんと勝ちきれた。
中村のスタメンも考えたが、90分通して見た時に中村、鳥海、三平とパワーをもたらせる選手をベンチに置いておきたい。

京都
前節から1人の変更を予想。
三沢に代えて福岡のスタメン起用を予想した。
甲府は中盤から後方でのバス回しが多いことから福岡の起用で中盤の守備強度を高めてくるだろう。
また、前節同様松田を右サイドに起用し、甲府の強みである左サイドの守備強度を高めてくるだろう。

5.注目選手

甲府

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野津田岳人
武田将平が京都に移籍したことで広島から期限付きだ加入したのが野津田。
ここまで武田の穴を感じさせないプレーを見せている。
ボールを奪い切る力は劣っているかもしれないが、運動量では負けておらず、左足の精度や威力では武田を上回る。
ここまでアシストが1つと結果に繋がっていないだけに、ゴールという結果で首位撃破に貢献したい。

京都

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武田将平
昨年岡山からの期限付きで1年間甲府でプレーした武田。
シーズン途中から存在感を高め、最終的にはMVP級の活躍を見せた。
6節の千葉戦からスタメンに起用されて以降、チームは9勝1分と圧倒的な力を見せている。
武田が京都に足りなかったラストピースとなっている。
古巣甲府相手に元気な姿を見せたい。

6.展望

勝ち点7差で迎える一戦は「6 pointer」とも呼ばれる重要な一戦。
直接対決は勝ち点6の価値のある一戦であることからこのように呼ばれている。
勝てば勝ち点4に縮まり、負ければ10に開く大事な試合。
何がなんでも勝ちたい試合だが、それ以上に絶対負けられない試合となる。
このため、より自由に自分たちのやりたいことを表現しやすいのは京都の方であり、甲府としては手堅い試合運びとなるだろう。
前節早い時間に先制し、守りに意識が向いたことで水戸に押し込まれたが今節も似たような展開が考えられる。
また、京都のサッカーは水戸とも似た傾向にある。
だが、水戸以上に京都の個人の能力は高く質の高いプレーを見せてくる。

京都の特徴は豊富な運動量。
守備では前からのハイプレスとボールサイドに密集を作り、サイドに追い込むことでボールを奪いカウンターへと繋げていく。

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前からのプレスでは水戸同様に同数で嵌め込み、甲府のビルドアップを防ぎに掛かる。
近くで繋いでいくと連動してプレスを掛けられ、局地戦に持ち込まれる。
前に出てきた背後を突こうと前線に蹴っていくと、バイスが強さを発揮し川崎、武田がセカンドボールを回収し京都ボールの時間が増えていく。
前節見た光景と被るだけに、甲府としては上手くいかなかった教訓を生かし立ち位置をどれだけ速く取れるかが鍵となる。
甲府らしい可変を行う余裕は与えてくれないだろうが、相手に嵌まらないよう少し立ち位置をズラし角度を作ることで動くことでプレスに嵌まらないようにしたい。

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プレスに出てくることで生まれたスペースをいかに丁寧に突いていけるかが今節は重要となる。
水戸戦ではボールを奪えても繋ぎのミスで再度ボールを失い押し込まれる時間が続いただけにミスは減らしたい。

京都は攻守共に速さに特徴があるが、攻撃では速さの中に変化を加えられる選手がいる。
バイス、武田、ウタカと縦のラインに並ぶ3人はタメを作れ、大きな展開を見せることで変化をつけていく。
縦に速くなりがちなチームスタイルの中で、3人の時間や空間をコントロールできる能力がアクセントとなっている。
また、バイスは後方からの攻め上がりをウタカは前線から降りてきて中盤を助ける役回りも見せる。

バイスの上がった場合には川崎がスペースを埋め、ウタカが降りてきた場合には中盤の選手が前線へ飛び出しゴールに迫る。
自由にポジションを変えているように見えるが、チームとしての秩序の中に選手の個性を生かすための自由を与えている。

ビルドアップの際には超攻撃的な陣形を組み、相手を自陣に釘付けにしていく。

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SBが高い位置を取り、最終ラインではバイスと麻田にGKの若原を加えた形でビルドアップを行う。

SBの背後や川崎の両脇には大きなスペースがあり、バイスと麻田が晒される形となるリスクがある戦い方を京都は行っている。

右SB飯田の裏を取られ、クロスに対し大外が空いていた場面。
泉澤か荒木のクロスに関口が飛び込む場面を作りたい。

川崎の背後が空き、飯田の脇にもスペースができていた場面。
野津田あるいは荒木が受け、開いた泉澤を囮にするのがイメージしやすい。

2CBがカウンターを受けた場面。
最終的に自らシュートを放ったが、この場面のようにバイスをゴール前から引き摺り出したい。

左SBの荻原の背後は特に狙い目となる。

荻原は高い位置を取ることで背後を突かれるだけでなく、ポジショニングやボールウォッチャーとなることで背後を突かれる場面が良く見られる。

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長谷川が川崎の脇で浮くポジションを取り、関口に荻原が食いつくことで空いたスペースへ長谷川が飛び出すことで背後を突きたい。
サイドの奥を取れてもクロスに対してはバイスが待ち構えているため、単純に上げるのではなく変化をつけたい。
麻田がカバーに出てくることで、空けたスペースを川崎が埋めるためマイナスのクロスは有効となる。
川崎がいなくなったスペースに荒木や野津田、泉澤が入り込みクロスに合わせたい。

一方で攻撃面になると荻原は大きな武器となる。
サイドで高い位置を取る荻原のクロスからゴールに迫る形を多く作っていく。

京都は前線に人数を掛けているためゴール前には人数が多くおり、厚みのある攻撃を見せる。

前に人数を掛けているため敵陣で失った場合には、すぐにボールに奪いに行ける態勢が出来ており、リスクよりも大きなリターンを得られる戦い方となっている。

人数を前線に掛け、ボールサイドに密集していることからプレスを剥がされるとオープンな展開を作られる。
オープンな展開では素早く攻め切りたいところだが、京都としてはオープンな展開も許容している。
甲府は逆にオープンな展開は苦手としており、無理に速く攻めず一旦自陣に引かせてからじっくり攻める展開を多く作りたい。
前節同様、行ったりきたりと速い展開が続くと京都優位の試合となる。
一方で、ゆっくりした展開を作り甲府ペースの試合運びをしても個人技一発で仕留められるタレントが京都にはいる。
ウタカとバイスはJ2では飛び抜けたタレントである。
どちらも甲府サポーターにはお馴染みな選手ではないか。
ウタカは甲府に在籍していたこともあり、バイスには一昨年の昇格プレーオフでゴールを決められ涙を流した。

甲府得意のCKは京都にもウィークポイントがある。
マンツーマンで守るのが京都の守り方だが、ニアサイドにはウタカとバイスが構えている。
2人は対人も強く、ヘディングも強いためファーサイドを狙いたい。

秋田戦の決勝ゴールのようにファーサイドから折り返し、仕留める形が有効となる。

また、ペナルティエリア内に全員戻るため跳ね返してもセカンドボールを拾われることが目立つ。

一発で仕留められなくてもセカンドボールを拾い、2次攻撃へと繋げることで得点を狙いたい。

前節の教訓を活かし、相手のリズムで試合を行わないようにしたい。
速い展開に付き合うことなく、落ち着いて時間を使いながら空いてくるスペースを見極め攻めこみたい。
時間を掛けることで立ち位置も決まり、ボールを失った後のリスク管理も行える。
オープンでカオスな状況になるべく持ち込ませないようにしたい。

7.あとがき

京都は間違いなく今最も強いチームである。
2歩も3歩も先を行っているだけの差があるように思う。
だが、昇格のためには乗り越えなくてはいけない壁であり何が起きるかわからないのがサッカーの面白さである。
昨年から超えられない4連勝の壁とも戦う一戦だが、勝つことができれば得るものは大きい。
アウェイでの一戦でもあり、まずは負けない戦い方で臨むこととなるが焦れずに戦い抜きたい。

10戦負けなしとして一気に首位に浮上した京都だが、甲府も倒し差を広げたいところ。
ここまでは首位にふさわしい強さを示している。
また、京都には甲府で過ごした選手も多くいる。
ウタカ、武田、曽根田に加え下部組織で育った川崎。
活躍している姿を見せようと意気込んでくるのではないか。

勝って昨年からできていない4連勝としたい。
昇格圏の背中に迫りたい。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。











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