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J2第25節 SC相模原戦 プレビュー

3週間の中断が明けたJリーグ。
2位磐田との差を離されず、迎えた今節はアウェイでの相模原戦となる。

1.前回対戦

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第9節にホームで行われた一戦。
今シーズンより相模原がJ2に初めて昇格したこともあり、初対戦となった。
試合内容については以下のレビューをご覧ください。

2.対戦成績

今シーズン初めて相模原がJ2に昇格したこともあり、対戦は上記の1度のみ。
相模原のホーム、相模原ギオンスタジアムでは初めての試合となる。

3.前節

甲府

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中断明け初戦は2位磐田をホームに迎えての一戦。
粘り強い戦いを見せ、勝ち点1を得た。
試合内容については以下のレビューをご覧ください。

相模原

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中断明け初戦はホームに栃木を迎えての一戦となる。
中断前の町田戦からはスタメンを3人を変更した。
シーズン途中で補強した選手を5人スタメンで起用。
木村と成岡は相模原でのデビュー戦となった。
強風の中、始まった一戦は立ち上がりから栃木が右サイドの背後を突き、クロスを入れていく。
対して相模原は風上を利用しセットプレーから藤本がインスイングのボールを入れ、ゴールに迫る。
徐々に栃木のプレスに慣れ始めた相模原はサイドからチャンスを作っていく。
安藤と兒玉で左サイドから決定機を作る。
押し込んでいく相模原だが、オビの牙城を崩せない。
栃木は耐える展開となったが、ゴールは割らせなかった。
前半は共に得点は無く、スコアレスで折り返す。
後半は立ち上がりに栃木が決定機を作る。
谷内田のCKから豊田がフリーで合わせるが、風の影響もあり上手く当たらず決めきれない。
その後は共に精度を欠き、チャンスが作れないでいると先に栃木が動く。
57分に谷内田に代え、畑を投入する。
選手交代を経ても大きな動きはなく、飲水タイムを迎える。
飲水タイム明けに相模原は安藤と澤上に代えて高山とユーリを投入する。
高山は移籍後初出場となった。
左WBに入り、兒玉がシャドーへと移る。
すると直後に相模原に決定機。
藤原のFKをユーリが競るとこぼれ球を拾った藤本がドリブルで前進し、兒玉にスルーパスを送る。
こぼれたところへユーリが詰めるが、枠を捉えられず決めきれない。
72分に栃木が2人を交代する。
菊池と森に代え、大島と松岡を投入する。
これにより、松岡が右サイドに入り矢野と豊田のツインタワーを前線に並べる。
共にチャンスを作れずにいると82分に両チーム共に選手交代を行う。
相模原は夛田に代え中山を投入する。
高山が左、兒玉が右のWBに入り、中山がシャドーに入った。
一方の栃木は松本に代え、西谷を投入。
共に得点を取り、勝ち点3を目指したが得点は入らず。
スコアレスドローで痛み分けとなった。

4.今季成績

両チーム比較

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12勝8分4敗と勝率5割の甲府は勝ち点44で6位につけている。
一方の相模原は3勝8分13敗と半数で敗戦を喫し、最下位となっている。

甲府
直近5試合成績

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4勝1分と負けなしとなっている。
好調を支えているのは得点力である。
5試合で13得点と得点力が伴ってきた。

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得点数、失点数ともリーグトップクラスとなっている。
チャンス構築率、シュート数に対して得点数は多くなっている。
前節のシュート数は6本ながら2得点と少ないチャンスを仕留めたが、積極性を増すことで相手に脅威を与える攻撃を増やしていきたい。

相模原
直近5試合成績

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1勝3分1敗となかなか勝ててはいないが、負けてもいない相模原。
失点はわずかに1と堅守を誇っているが、得点も1しか取れていないことが勝てていない要因となっている。

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シーズン全体で見ても得点が取れずに苦しんでいることがわかる。
シュート本数も少なく、チャンスも作れていない。

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攻撃面のスタッツも全体的にワースト3位に入っているものが多くある。
流れの中での得点が取れないのであればセットプレーの数を増やしたいところ。

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12得点の内、PKを含めて半数の6得点がセットプレーからとなっている。
獲得する本数を増やすことで得点の確率を高められるだろう。
一方の失点はセットプレーとクロスからが多くなっている。

5.予想スタメン

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甲府
前節からの変更はないと予想した。
システムは532の可能性もあり得るが、こちらも前節までと変更はないだろう。

相模原
前節の内容も考え、スタメンに変更はないと予想した。
得点力不足は解消されていないため、澤上に代えてユーリを起用する可能性も考えられる。

6.注目選手

甲府

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ウィリアンリラ
昇格するにはリラの活躍は不可欠となる。
起点となる働きや前線からのプレスでチームに貢献しているが、FWとして得点が少なく本人としても満足できないものだろう。
前節はアシストでチームに勝ち点1をもたらしたが、ゴールで勝ち点3に貢献したい。
リラの得点力の向上が甲府に勝ち点をもたらすこととなる。

相模原

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藤原優大
高校サッカー選手権での活躍も記憶に新しいが、浦和では出場機会に恵まれず出場機会を求めて相模原に加入した。
加入直後から守備陣の中心となり、相模原の守備を引き締めている。
日本の未来を担う選手になっていく可能性を秘めた選手の活躍がチームを勝利に導く。

7.展望

前回対戦時とはチームが大きく変化している。
監督は三浦文丈監督から高木琢也監督へと交代し、新戦力を8人も獲得している。
前節栃木戦では新戦力の内、5人がスタメンで起用されており全く違ったチームと言っていいだろう。

特徴は以前までの甲府に近いチームと言える。
5試合で失点は1と堅守を誇っているチームは541でリトリートし、ブロックを敷きゴールに鍵を掛ける。
自陣に撤退し、ブロック内に入ってきたところへチェックに行きボールを奪いにいく。

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シャドーの選手は中央を締め、ボールを外回りに持たせるように構える。
サイドに出たボールに対してはWBが縦にスライドし、対応していく。
この際、全体でスライドしDFラインが4枚の形となりWB裏のスペースを埋めていく。
全体的にスペースを埋める意識が強い反面、強度が低くボールを奪いにいけない場面が見られる。

栃木のような攻撃を甲府がすることはあまり考えられないが、この場面ではブロックに入ってきたところへは強く当たりに行っているがブロックの外へ出たボールに対しては全体が下がったままであることがわかる。
栃木はここからロングボールを入れたが、甲府であれば3バックの選手がドリブルで運んでいくことが考えられる。
ミドルシュートの本数を増やし、相模原ディフェンスを引き出したい。

似たような場面だが、こちらはイメージしやすいかもしれない。
可変で中盤に上がった新井を起点に攻撃を組み立てる場面は多く作れるのではないか。
ライン間は緩くなる傾向もあり、ボールの前進を図りたい。
冷静に空いている場所を見極め、突いていきたい。

引いて構える中で藤原はボールホルダーに強く当たっていける選手だが、藤原の裏のスペースは空きやすくなる。
また、強く行き過ぎてしまいファールになることも多く、藤原の構える左サイド側のホールを甲府は起点にしたい。

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澤上の背後で新井が起点を作り、数的優位を作ることで藤原を食いつかせ、藤原の背後を攻略したい。

一方でボール保持を大事にするチームでもある。
ビルドアップ時には3バックが横に広がり、ピッチの横幅を広く使い攻撃を組み立てる形やボランチが落ちて4バック気味にすることもあり、相手を見てビルドアップの形を変える柔軟性も持ち合わせている。

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3バックの選手はいずれもボール扱いに長けており、ビルドアップを得意としている。
特に白井は左右両足からパスを配球できる選手であり、警戒が必要となる。
また、ボランチの選手がDFラインに下がりビルドアップに加わる際には主に成岡が下がることとなる。
テクニックに秀でた選手であり、自由を与えると正確なパスが前線に供給される。
前節、磐田戦では失点後に間延びしたことでボールを自由に回され押し込まれた時間もあったが、コンパクトに守れなくては相模原も自由にボールを回してくるだろう。
ビルドアップの形に合わせ、プレスの掛け方に変化をつけたい。

3バックの形を維持したままのビルドアップでシュートまで繋げた場面となる。
町田のミスも重なってはいるが、3バックが広がることでプレスを掛けにくい状況を作りボールを保持している。

こちらはボランチの川上がDFラインに降りてビルドアップに加わった場面。
幅を取り、ライン間を使いDFラインの背後を突いてゴールに迫った。
準備してきた再現性のある攻撃である。

左上がりに可変することは多くないが、右上がりとなり藤原がサイドに張ることも見られる。
だが、サイドで幅を取るのはWBが多く藤原がタッチライン際に開いた際も夛田が前方の高い位置で張っている。
ゴールに迫る形は主にそのサイドからになる。

サイドでボールを受けた夛田の背後から藤原がオーバーラップしているのがわかる。
また、サイドを活かすためにもシャドーがライン間で起点を作ることを狙う。

この場面もサイドからの斜めのパスをシャドーの安藤が受け、ライン間で起点となりチャンスを作った。
最終的にWBの兒玉を使い、シュートに繋げたが自らもシュートを打てる局面でもあり、何でもできるエリアであるだけにライン間を締めることでこのエリアにボールを入れさせないようにしたい。

足元で繋ぐだけでなく、シンプルにDFラインの裏へのランニングからもチャンスを作っていく。

サイドで幅を取るだけでなく、深さを取るランニングでピッチを広く使った攻撃を行なっていく。
甲府は可変を行いながらボールを保持し、DFラインも高く設定することが多いため背後へボールを出されることはあるだろう。
背後を取られても冷静に対応し、ゴールを割らせないようにしたい。

このように相模原はサイドを主に起点とし、ゴールに迫ってくる。
ゴール前で相手をフリーにさせずアラートに守り切りたい。

得点力不足にあるチームだが、セットプレーでは工夫も加えながら得点を取りにいく。

琉球戦の決勝ゴールだが、甲府に対してもこのようなセットプレーは有効となるだけに注意が必要となる。
ゾーンで守る甲府はゾーンを組んでいる外のエリアはプレッシャーが緩くなってしまう。
この場面はFKからだが、CKからでも似たような形は作れるだけに警戒が必要となる。

順位こそ最下位であるが簡単に勝てる相手ではない。
若手を多く獲得しているだけに、個々の成長もチーム力を高めていくだろう。
積み上げてきたスタイルで堅い守備をこじ開け、起爆剤となる新戦力を獲得してきた相模原を上回りたい。

8.あとがき

上位に食らいついていくためには勝ちきりたい一戦となる。
磐田相手に一定の手応えはあった前節だが、終わってみれば勝ち点1を取れて良かった一戦となってしまった。
相模原相手に中断中に積み上げてきたものをぶつけ、目指している方向性が間違っていないことを示す一戦としたい。

相模原は積極的な補強を行い、残留に向けて戦力値を高めてきた。
経験豊富な高木監督をシーズン途中で迎え入れ、初めてのJ2リーグで残留を目指している。
安定した守備を構築できるようになってきており、得点力の向上が残留には必要となるだけに守備の堅い甲府との一戦は自信を掴める可能性を持つ一戦となる。
勝ち点3を掴み、残留に向けて好スタートを切りたい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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