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天皇杯2回戦 環太平洋大学戦 プレビュー

プレビューとタイトルを付けてみたが、以前まで書いていたものとは違うものと思ってもらいたい。
良いタイトルが思いつかず、このタイトルにしたことをご了承ください。

今回は環太平洋大学と大学サッカーや大学野球に関心が無い方にはあまり馴染みの無いチームとの対戦ということで軽く紹介してみたいと思う。
とはいえ、私も総理大臣杯やインカレで名前を聞いたことがあるだけで普段からリーグ戦を観戦しているわけでないので自分自身の勉強にもなると思い、調べてみた。
より詳しくご存知の方がいらっしゃれば教えていただけるとありがたいです。

1.学校紹介

まず、環太平洋大学は岡山県にある私立大学となる。
英語でInternational Pacific Universityと表記することからIPUという略称で呼ばれることも多い。
設立は2007年と新しい大学である。
基本理念に「教育と体育の融合」とあるようにスポーツに力を入れている大学となる。

サッカー部は現在288人の部員を誇り、8つのカテゴリーで活動中。
今回天皇杯本戦に出場するのはトップチームとなる。
県予選決勝では3連覇が掛かっていた三菱自動車水嶋FCを2−1で下し、3年ぶりの天皇杯出場を勝ち取った。

主な戦績
天皇杯:3年ぶり3回目の出場。
総理大臣杯:4大会連続7回の出場。(昨年度時点)
インカレ:8大会連続8回の出場。(昨年度時点)

主なOB
植田峻佑(テゲバジャーロ宮崎)

現役のJリーガーは植田選手一人となっている。

2.今シーズン結果

ここでは対戦するトップチームの成績に限定して紹介する。

普段のリーグ戦では中国大学サッカーリーグ1部に所属し、3戦3勝。
天皇杯予選準決勝で対戦した環太平洋大学FCはBチームとなる。
今シーズンは9戦全勝となっている。
最も追い詰めた相手がBチームである環太平洋大学FCと中国地方では圧倒的な強さを持った大学となる。
以下は試合のハイライト映像となる。

3.選手情報

天皇杯に登録されているメンバーの今シーズンの成績を表にしてみた。
天皇杯予選の出場メンバー等はわからなかったため、天皇杯本戦とリーグ戦の出場数、得点数となる。

4試合のみのデータであるが多くの選手が出場機会を得ていることがわかる。
選手層の厚いチームと言えそうだ。
そして注目すべきは1年生の多さ。
GKの西岡政智選手、DFの海老沼慶士選手、北奥蓮選手、横山修也選手、MFの田口涼太選手、溝口飛和選手、角田京勇選手、山内創太選手、橋天飛磨選手とこれだけの選手が既に出番を得ている。
中でも海老沼選手は昨年度の高校サッカー選手権の優秀選手に選ばれており、山内選手も山梨学院を下した佐賀東の主力選手を担っていた。
田口選手は近年Jリーグのアカデミーで力を付けているサガン鳥栖U18で出場機会を掴んでいた選手となる。
有望な選手が多く集まって来ていることがわかるかと思う。
現在は中国地方を代表する大学チームであるが、今年のリクルートを考えてみると今後は西日本を代表する強豪大学となっていきそうだ。

4.予想スタメン

甲府
直近のリーグ戦が中2日での一戦ということで予想以上にメンバーを変えたことでこの試合の予想が難しくなった。
ただ、これまでリーグ戦で出場機会に恵まれていない選手の出場が中心となることは間違いない。
GKには岡西宏祐選手と予想した。
開幕から河田晃兵選手が全試合フル出場中の中、開幕当初は山内康太選手、途中から小泉勇人選手、最近では岡西選手がベンチ入りと全員がメンバー入りしているが怪我も癒えてメンバー入りを果たしている岡西選手がスタメンとなるのではないか。
DFラインは須貝英大選手、浦上仁騎選手、野澤陸選手が中心となっているが総入れ替えを予想。
大和優槻選手がプロ初先発、新井涼平選手が3/19のアルビレックス新潟戦以来14試合ぶり、レナト ヴィスキ選手が4/3のベガルタ仙台戦以来11試合ぶりの先発と予想した。
特にキャプテンの復帰に期待したい。
WBには荒木翔選手と中山陸選手と予想した。
小林岩魚選手が週末、荒木選手が週中での起用が続いており今回も荒木選手の起用となるのではないか。
右は関口正大選手しかいない状況だが、直近の熊本戦では中山選手を途中から起用した。
今シーズンはWBに挑戦しているようで小瀬でお披露目の試合となるのではないか。
ボランチは野澤英之選手と松本凪生選手と予想した。
野澤選手は3/30の秋田戦以降出場機会を掴めておらず今回チャンスを与えられるのではないか。
相方は悩むところ。
直近のロアッソ熊本戦で松本選手をスタメンで起用したが、次のリーグ戦となるいわてグルージャ盛岡戦で山田陸選手、石川俊輝選手、林田滉也選手を差し置いてスタメンは考えにくいと考えたため松本選手が連続での起用されると予想した。
山本英臣選手の起用や新井選手のボランチ起用の可能性もあるかもしれない。
シャドーには宮崎純真選手と飯島陸選手の起用を予想。
飯島選手はアクシデントさえ無ければほぼ間違いないかと思う。
ボランチ同様に飯島選手の相方は悩むところ。
いわて戦でのスタメンは長谷川元希選手と鳥海芳樹選手だと考えたため、宮崎選手が2試合続けてスタメン起用と予想した。
1トップは内藤大和選手ではないだろうか。
直近の熊本戦でウィリアンリラ選手を起用し、次のいわて戦もリラ選手となるだろうことを考えるとリラ選手のスタメンは考えにくい。
三平和司選手も先週の水曜日にスタメン起用されており、週末のいわて戦での途中出場も想定するとなるべく起用はしたくないはず。
また、ブルーノパライバ選手は負傷中であり、内藤選手がチャンスを掴む可能性は高いのではないか。

環太平洋大学
スタメンの並びがわかった試合では4231の布陣となっていたため、このように並べてみた。
4バックとWボランチは崩さないと思うが、Jクラブとの対戦ということで5バック気味となる可能性もあるかもしれない。
多くの選手を起用しており予想が難しいが、1回戦をベースに考えてみた。

5.注目選手

甲府
44.内藤 大和

1週間前の徳島ヴォルティス戦でブルーノパライバ選手、三平和司選手がスタメン、土曜日の熊本戦ではウィリアンリラ選手がスタメン出場したことから今節チャンスを貰う可能性は高い。
スタメンと予想しているが、ベンチ入りはほぼ間違いないはずだ。
怪我やパライバ選手の合流もあり出場機会を掴めずにいる中、J1では同世代の選手が出場機会を伸ばし始めており悔しさを本人も抱えているはず。
贔屓目は間違いなくあるが、同じく年代別代表に選ばれている選手と比較して大和が劣っているとは思わない。
その証明を年齢の近い大学生相手に見せて欲しい。
パライバ選手の怪我や複数得点が取れないチーム状況を考えると今は大きなチャンスである。
チーム状況を打破するキッカケを作って欲しい。
小瀬で初ゴールといこうじゃないか!!

環太平洋大学
11.松久保 拓斗
環太平洋大学の得点源となっている選手。
記録が見つかった4試合で4ゴールとチームの勝利に貢献している。
ハイライト映像の得点場面を見ると得点パターンは豊富なタイプのように見えた。
ミドルシュートあり、裏抜けあり、ヘディングありと要警戒な選手となる。
また、駒澤大学附属苫小牧高校出身と高校時代は北海道で過ごしたが同学年には北海道大谷室蘭高出身で横浜F・マリノスに加入が内定している村上悠緋選手がいる。
北海道で切磋琢磨したストライカーの後を追うためにJリーグのクラブ相手に通用する姿を見せられるか。

6.展望

展望と言っても見つかったのは4試合のハイライト映像のみ。
ここから見つけた印象を軽く紹介するだけに留めたい。

ハイライト映像を見る限り、個々の能力は高くきちんとパスを繋ぐ攻撃的なスタイルを志向しているように感じた。
特にSBが高い位置を取ることは特徴的と言えそうだ。
ショートパスを繋ぐだけでなく、ロングボールからの抜け出しやミドルシュートを放つ場面もあり攻撃は多彩な印象を受けた。
SBが高い位置を取ることのメリットは映像からは見えて来なかったが、高い位置で張らせるということはクロスの本数も多くなるかもしれない。
テンポ良くボールを回せるチームなだけにボールを持たれる展開も充分に考えられる。
特に警戒すべきは松久保選手の動き出し。
裏抜けから得点を挙げる場面もハイライト映像から見えたが、最前線の選手が動き出すことでDFラインを押し下げる狙いもある。
一発で裏を取れなくてもDFラインを下げさせ、セカンドボールを2列目の選手が前向きに回収することも危険となる。
寺尾選手にはドリブル突破があり、紙元選手には強烈なミドルシュートがあるだけにライン間を空けてはいけない。
一方で失点シーンを見るとカウンターに対して脆い印象もあった。
誰がどこで止めに行くのかやファールをしてでもカウンターを防ごうという気概は見られなかった。
また、ライン間が空くシーンも見られるだけにシャドーの選手がホールでどれだけボールを引き出せるかはポイントとなりそうだ。
失点場面が多くないため、守備の弱点や持ち味は見つけにくかった。

理想はボールを保持する時間を増やし、ホールを起点に崩していくことだとは思うが我慢を強いられる時間も多くなりそうな試合だろう。
プロとして圧倒することが期待されるかもしれないが、油断したら呆気なく負けるだけの実力を持ったチームだと思う。

7.あとがき

毎年天皇杯の初戦は難しいゲームとなる。
特に今年は環太平洋大学と馴染みの無い方が多い対戦相手とあって勝って当たり前という見方がされるかもしれない。
しかし、サッカーという競技の性質上100%勝てる相手など存在しない。
上手くいかない時間は出てくると思うが、見る側の我慢は確実に必要となる。
環太平洋大学は有名な強豪大学ではないかもしれない。
それでも確実に力を付けている大学であり、実力者も揃えているチームとなる。
今後名前が売れていくチームとなるはずだ。

また、甲府としてはリーグ戦で出場機会を掴めていない選手が多く起用される試合となるだろう。
失点が続き、追加点が取れない現状の中5試合連続引き分けとリーグ戦は停滞中。
今回起用される選手にはスタメンに食い込む隙は多くある。
誰がゴール前で身体を張って守れるのか、誰が得点という結果を示せるのか。
この試合が停滞中のチームを加速させる試合となって欲しい。

勝てば加入が内定している桐蔭横浜大学の水野颯太選手と対戦できる可能性もある。
そこを勝ち抜けばサガン鳥栖に所属している堀米勇輝選手の凱旋試合となる可能性もある。
私はどちらとも対戦したいし2人共小瀬のピッチに迎え入れたい。
そのためにはまず目の前の相手を倒さなくてはいけない。
相手を最大限リスペクトして環太平洋大学に勝ちたい!

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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