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寒い日に見つけたほっこり 15


「大寒波」襲来!
寒気スッポリ
大雪に警戒
厳しい寒さ    テレビから流れるニュースではとてつもなく寒くなるぞ! と繰り返す。
インドネシア生活の長かった私は、恐る恐るカーテンを開ける。ピカ一ン! ーーーあれ?お天気いいじゃん。
毎朝、ウォーキング帰りに、生存確認に来てくれる長男曰く「晴れてるけど、風は冷たいよ。買い物とか行くなら、昼間、陽の照ってる間に行って来な。」「はーい。」
とは言え、 結露を拭いて、洗濯して、干して、なんてやってたら、もれなくお昼近くになる。
そう言えば、この結露。
冬になって、日本ってのは乾燥する。 肌カサカサ。喉もカラカラ。
美肌自慢のおばちゃんでいられたのは、インドネシアの湿度のお蔭だったのかぁ。
加湿器てぇもんがほしいと言ったら、 Hちゃんが車で Y電気へ連れて行ってくれた。「それぐらいのお部屋でしたら、この辺ですね。これが衛生的でお手入れが簡単でお薦めです。ケツ口もつきにくいです。」
「そうなんですよね。 この時期ケツロがねぇ。」
...っと、やたらと ケツ口 というワードが出てくる。
聞いたことはあるが、ケツ口って何? もちろん聞いたことはあるが、ケツロなる物が、どんなものなのかが分からない。万年あったかーいインドネシアで、暖房なんてつけたことないし。
もしもあったとして、結露なるものが発生したとしてもインドネシアだったら、「そのまま、ほっときゃ乾くわさぁー !」でオシマイ。
よって、 私は、その場で「ケツ口って何?どっちがどういいの?」と質問することすら憚られ、黙って Hちゃんの勧める方を買ってきた。
それでも毎朝、 その結露ってのは発生するので、チョイチョイと拭いてあげなきゃならない。
日本ってめんどくさーーい。
まあ、せまい家で良かった。
さて、陽の差してるうちに買い物行ってくっか?っと外へ出たが、とにかくここは風が強い。
キャラ的にか弱ぶるわけじゃないが、痩せちゃったし、入院生活で筋肉落ちちゃったせいで、風で飛べちゃう?
 右へ ヨロヨロ・・・。左へヨタヨタ・・・。
真正面からの風が来たら、マジに一歩一歩踏ん張らないと進めない。前からの冷たい風に顔をなぶられると、
「それでも、進みたいか?」と言われてるようで、本来の負けず嫌いが出て、思わずアゴを上げて、前へ。
数歩進んだら、 今度は 後ろから?追い風!?
逆にひざの裏側をぐいぐい押すように吹いてくる。サッサと歩けとばかりに押してくる。ーーーはいはいはい!
また今年もコロナと共に年を越す。 もぉ〜、カンベンしてくれと言いたい。 いくらなんでも長過ぎる。
されど、どうしようもないことならば、 陽の当たる道を遅々としてでも、ヨタヨタとしてでも、前へ歩こう。
いつか、 追い風が吹いてくれるかもしれない。 その追い風が吹き始めたことに気づける自分でいる為に。
家に戻ってみたら、干しておいた洗濯物が、仲よく手をつないでいた。 

風の強いこの地にて、ほっこり



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