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地球は丸い。友達って温かい。 19

ジャカルタの呑み友達Nちゃんから、一時帰国するから会いたいと
Whats Appがきた。
嬉しいけど、よりによって、その数日は、医者巡りの予定が詰まっている。
すると優しいNちゃん「いいよ、私がそこまで行くよ!」
彼女の日本の実家って、北陸だったはず。 私、今、北関東ですけど...。「それに、ここ、ほんとなーんもないよ。」
「クニコさんに 会って、ちょっと一緒に呑めれば、それでOK!」
ーーーNちゃんと私で、ちょっとはありえんだろ?
と思いつつ、 結局、ここのフツーのチェーン店の居酒屋での再会となった。
丸1年半ぶりの再会が、なんと、 ここで!?
しょっちゅうWhatsAppでやりとりしてるけど、それでも話は尽きない。案の定、結構呑んで、 そして、 Nちゃん曰く。
「とにかく、 クニコさんが生きててくれたから、それでいい!クニコさんが生きててくれれば、私は、それでいい!」
外へ出たら、小雨が降っていて、ちょうど良かった。涙が出そうだった。
23才で海外へ出て、ずっと走ってた。 止まったことなんてない。
ずっと 走ってた私が、今、 止まっている日々が辛い。
これは、止まっているんじゃない。足踏みしているんだと自分を慰めてみても、 こんなNot Producting な日々でいいのか、焦りで
なんで? と思ってしまう。

薬の裏に日付けを書きながら、これが、大好きな人に会いに行く日までの日付けなら、どんなに心躍ることだろうといつも考えながら、その薬を飲むだけの日々。
こんな日々に言われた、この言葉。
遠く、インドネシアから会いに来てくれたNちゃんの、この一言。
 地球は丸い。 そして、友達って、あったかい。

「自慢じゃないが、Boy Friends 揺り籠かごから墓場まで」なんて冗談言ってたが、 私は、友達ってのは、 年上でも年下でも気が合えば、『友達』だと思っている。
私がLe’○atという店を始めた頃、連日残業帰りに通ってくれた、当時の駐在員の若手会というのがあった。その一人Fは現在NY 駐在。
彼からグループLineが来た。「ビザ切り替えで一時帰国します。」 米国内転駐という、カッコイイけど、 大変であろう。その任地へ赴く前の、貴重な時間を、「会いましょう!」と言ってくれるなら、もちろん、行く!
ラッキーなことに、ちょうど、 東京での 月に一度の検診日と重なっていた。
全員集合の予定だったが、 “当時の若手”は、“今の充分イイおトシ”である。 会社では、 皆、それなりのポジションに就いているわけだし、結局、FとMと私だけになってしまったが、Mが、部下の前で「今日は若手会だから。」と言ったら、皆、キョトン? だったと。 ーーーそらそうだ。Mがうちの店で「ママー!」せっかく企画していたパーティが突然のジャカルタ赴任命令で全部キャンセルって泣いてたキミの為に、急遽、大晦日に店を開けたのは、あれは、Millenniumのことだったもんねー。
この会では、最年少で甘えん坊のMもこんなに立派になって...と
喜んでいたのもつかの間。
「何食べる? F、食べたいの頼みなよ、向こうに行ったら、また、美味しい和食食べられない?」
この銀座6丁目のこ〇きは、私の大好きなお店。料理はどれも美味しいし、酒の品揃えが私好み。
「じゃ、 さっき、 お薦めって言ってた、たかべの刺身にしよっと。」と、式根島のたかべが出てくると、私も初めて食べたがもっちりした新鮮な身が甘い。

載ってるのは、もちろん食用菊です

Fが、ツマや下の茗荷も食べていると、 Mが皿を押しながら言った。「全部食べちゃいなよ、そのひまわりも!」
「えっ!ひまわりじゃねえし。」ハハハハハ
「あっ、タンポポ?」
アハハハハ、私は、もう、 呼吸困難になるほど、涙流して笑った。
「あっ、ママ、 笑ってる! 笑うの身体にいいんだよねぇ。」そこでポイントにするんかいっ!?
楽しい時間は、あっと言う間。
別れ際、Mは、 「また、すぐ会おうね。ママ」 Hug
「F、また3年とか会えないの?」
「大丈夫、また、すぐ帰ってくるから。」 Hug
そこで、幼い子のように3人で団子になってHugHug.
「大丈夫。また会えるから。」それが、たとえ叶わなくてもいい。 この言葉をお守りに、私は、治療の日々に耐えられる。


翌朝、 「お前、どこにいんだ?」と、地元四つ木の友達Oから電話。
私が月に1度、東京へ検診に出てくるのを知っていて、「タイミングが合えば、帰り送ってやっから、日にち決まったら連絡しろよ。」と言ってくれている。
「今、銀座。」
「おー、銀座なら、ちけぇから、乗けてってやるよ。」
「いいよ、 大丈夫だってば。 帰り遠いのに大変じゃん。無理しなくていいってば、せっかくのお休みに。」
「バカヤロー、無理しなきゃ、会えねぇじゃねぇか!」 ーーーごもっともですが

そして、 結局、 車で2時間半かかって、送ってくれた。きっと帰りは、もっとかかるだろう。 ごめんね。
この海外駐在もしたことない、地元の友達が私にくれた大きなハンカチは、 ドラえもん。 竹コプターの刺繍付き。

悪いことばかりつづくもんじゃないよ

ハンカチ

中2からのつき合いだもんな。 きっと分かってる。 私が今どんなに飛びたがってるか。どれだけ、 飛び出せないことを歯痒く思っているのかを...。
ーーーでもさ、 竹コプターじゃ、 インドネシア まで、ちとキビシイなぁ。次は、どこでもドアにして下さい。



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