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防災教育とカリキュラム・マネジメント

 昨晩の東北での地震を受けて、防災教育について朝から考えています。もし地震が日中起きたらどうしようかと。学校が開いてるときに起きる可能性は高くないかもしれませんが、もし起きた時を考えると怖くなります。また、起きた後にどうするかとか、大人がいないときに起きたらとか、考え出すときりがありません。昨年末にもそんなことを考え、今年度から学校として防災教育について力を入れてみました。5年生を例にしてみます。

 まず、カリキュラム・マネジメントの視点に立ち、防災教育として関連させられる強化を昨年度末に整理しました。本校では、行事、学活、総合、社会、国語、外国語などと関連できると考えました。

 学活では学級活動(2)における安全に関する内容で扱うことにし、行事の精選が叫ばれたときに学活に入ってきたと思われる行事を見つけ出し、再度行事として戻しました。そして、学活で本来行うべき指導をきちんとできるよう学活をじゅんびしました。

 総合は、ふるさと教育という大きな単元構想の下、防災教育を総合の中に位置づけ、復興の様子を見学にいき、今後の未来に向けて考える時間を取りました。時数にして6時間ほどです。その中で、児童から復興の為に何かできることをしたいという課題が生まれ、ふるさと教育として行う他の活動と関連させました。その活動において、自分たちの作ったものを売るという活動を作り、児童はそこでお金を得ることができました。そして、そのお金は自分たちで考え、町に意図を説明し、自分たちの意図に合った使い方をしてほしいということで寄付しました。

 続いて、社会では他の都道府県の家の作りなどから、台風の被害などについて考える学習がありますが、その際に地震や津波などの災害を関連させながら学習を深めます。国語においては、これらの学習を説得力のある文章やスピーチで発表できるような力、言語活動などを設定していきます。そして、外国語では難しい表現を回避するために、写真を利用しながら地震の恐ろしさや、復興の様子など学習したことをテーマに発表しました。

 行事的な単発の活動で終わると防災教育の効果は薄いと思いますが、カリキュラム・マネジメントの視点にたち、他教科との関連を重視することで、既存の物を生かしてより効果のある実践を行うことができます。もちろん働き方改革につながると思います。最小の努力で最大の効果を発揮できるわけです。みなさんの努めている地域でそれぞれの災害があると思います。それを一度整理し、防災教育について考えてみるといいと思います。

 最後に児童が調べる過程で知ったことや今後の課題なんか書いておきます。

〇災害に備えてどれくらいのものをどこに保管しているのか。

→災害時に備えるのはだいじではあるが、何でもかんでも備えるのが得策ではない。特に、飲食物などは期限があるので、災害直後の2週間分しか保存していない。その後の分は、優先的に手配してもらえるよう協力してくれる企業を見つけ、契約している。お金の面など総合的に考えた判断しているそうです。

〇町にすんでいる外国の人がいるのだから、外国の人にもわかる看板などを準備したほうがいい。

→日頃からのALTとの交流などで大人が気づかないような視点をもっていると感心しました。 

〇避難所での過ごし方もどうにかできないものか。

 どこの災害でも、避難所の治安などについての問題に頭を抱えるようです。そんな中子供は、避難所で朝から晩まで遊んでいることが多く、規則正しい生活とはかけ離れてしまいます。そんな中、もし子供たちが避難所などにおいても何らかの役を担い、学校がなくても地域と何が取り組めるようになればと考えています。具体的なプランはまだ何もないですが、来年度はここに何か踏み込めたらと考えています。

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