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約30年前のニューヨーク④消防車と救急車。走り落ちてくる犬と、大阪弁のなぜ。

アパートを取り巻く騒音が激しかった話。

その前に少し横道。
当時の日記は、3.5インチフロッピーに記憶させていた。が、現在のパソコンでは見られないので『ディスクドライブ』なるものを購入。しかし、複数のややこしい理由(素人にはちんぷんかんぷん)によって、画面上に現れてくれないっ。たまたま何枚かコピー用紙に印字、保管していたから良かったけど。ほとんどは未だフロッピーに眠っている。

こんな事なら

日記帳に手書きで書いときゃよかったー!

なんでもかんでもを機械に(文明に?)頼ってちゃいかんね。すーぐ、置いてけぼりなるでよ。あーあ。

寄り道を終わります。

今回はグリニッジ・ビレッジのアパートに越したら騒音がすごかったよ話。


セントラル・パーク周辺やアップタウンの一部高級住宅街をのぞき、多種多様な音が激しめに飛び交うマンハッタン。グリニッジ・ビレッジもどっちかというと騒がしめ(活気に溢れてた)区域だ。

アパートのすぐ側に消防署があった。

といっても所有は一台。シャッターが閉まっていると普通のガレージにしか見えない。だが、通報入るやいなや、猛烈な大音量で出動。サイレンだから当たり前だが、スタート地点から、そない音量必要か?
あと、それにしても、通報、多過ぎないか?
首をひねることしきりであった。

少し行ったところに病院もあった。

したがって救急車のサイレンもひっきりなし。ニューヨークの救急隊は、まっこと忙しき部隊じゃった。

長年滞在する日本人から聞いた話(当時)。
事故で骨折して救急病院へ行っても

そこには

「さっき、弾ぶち込まれましてね」とか
「ナイフで刺されたんですわ」が並ぶ。


「事故って、腕を骨折したかも」

なんてのは、ヒヨッコもヒヨッコ、肩身が狭いのだと言う。どこまでホントか分からないが、まあまあホントだと思う笑えない話。

次に、個人的に困った音問題。

越した日の夜のことだ。ゴーって音と地面からの振動で飛び起きた。

「ニューヨークて、地震ないはずだよね!?」  

焦ってたら、それは、アパートの下を走る地下鉄が原因だった。窓の鉄格子(防犯上1〜2階の窓には必ずある)もカタカタカタカタ。ホラー映画かって。正確には、鉄格子のふりをしたアルミ製なので、やや高音である。

私は翌日、何を買うより先にガムテープを求めてビレッジを走った。そして、窓枠をテープでぐるぐる巻きの刑にしてやった。

カタカタは収まったが、地下鉄は止められないので、あとは我慢の日々だった。

アパートにはもうひとつ、朝と晩、ときに夕方ときに夜中、四足歩行による激しい音と地響きが起きた。ここは4階建てのアパートで、その最上階に住む、彼(あるいは彼女)が、散歩に出かけるとき降りてくる、いやあれは落ちてくる、ときの【爆足音】だ。

 各階にふた部屋だけのペンシルアパートだから階段も狭くて急。踊り場も細い。

そこを

ジェットコースターみたいなスピードで。

生駒山のそれどころではない、ほぼ180度のヘアピンカーブをクリアしながら、決河の勢いで階段を攻める、ハンドル(足)捌き。
うるさいの通り越して感動した。

そういえば、ヤツの鳴き声は聞いたことがないな。私は犬に詳しくないし、注意深くヤツとは鉢合わせないよう暮らしていたので、犬種は分からない。結局なんだったんだろうか。

吠えない爆速……瞬足……チーター?
んなアホな。

最後に、これは騒音というか大音声。
アパート前の通りには、夜遅くまで営業する店舗があり、人の声がよく聞こえる。とくに黒人の声(骨格の関係なんだろうか?)は、分厚く夜空に響いた。

そして、なぜか

喧嘩して言い争っていても
酔ってワイワイ楽しげでも

ときおり

「なんでやっ」とか
「うそや!」とか
「お前なぁ〜」と、大阪弁が聞こえてくる。

この大阪弁空耳アワーのたび、私は窓辺に走って、隙間から通りを覗き見た。黒人や。
不思議だ。

バラエティ色満載なグリニッジ・ビレッジの音たちを懐かしんで書きました。ニューヨーク滞在の話は、フロッピー問題が解決したらまた書こうと思います。


読んでくださってありがとうございました。


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