無敵園児とバーバそこは空港。
夏休み、日本へ一時帰国するときのこと。
メロンのバーバがその少し前ソウルへ遊びに来ていたので三人で金浦空港へと向かった。
荷物検査、次にイミグレーション出国審査。我が子メロンのパスポートも一緒に見せる。
「留学は、もう終わったんですね」
審査官に尋ねられたので
「いいえ、またソウルに戻ってきます。学生ビザは延長済みです」
学校の書類などを並べて説明すると
「無理ですね。ソウルへの再入国許可が無いですよ」
と、審査官は言った。
「あそこの別室へ行ってください」
小部屋を指差す。
まじか😮💨知らなかった。
バーバはすでに出国。
免税店前で私たちを待っている。
メロンと私は別室へ連行された。
一時帰国のときはいるのですか、わぁ困った困った、そんなん今からどうすればええですのんやヤイヤイと私。
当たり前でしょ、ソウルに戻ってくるなら必要ですがな、ほれこここ書類にサインをしてちょ次から気をつけてヤイヤイと事務員。
その時だ。
隣に座ってた筈のメロンがいないことに気付く。ひぇぇ!
メロンはん、どこいきなさった。
あれはメロンが2歳頃のことか、お祭り縁日でほんの少し目を離したすきにいなくなってしまい長い間あちこち探し回った経験がある。そのときの恐怖は今も鮮明だ。
名前を呼ぶのだが恐怖で息漏れしほとんど声が出なかった。
いまはもい幼稚園生だし、自分の名も親の名も言える、けれどここは空港だ、別の意味でとても怖い。
事務所から飛び出してあちこち目をやると
メロンの姿が遠くに見えた。
なんとっ
パスポートを置いたままっ
いつのまにかっ
出国していたー!!
バーバと楽しそうに手を繋いどる。
母が呼ぶより先に事務員がメロンの名を大声で呼び、その後はもちろん韓国語で
「メロンさーん! こちらへ戻ってきてください。あなたはまだ、そちらに行けません!」
職員に自分の名を呼ばれるが、なんのこっちゃちっとも分かってないメロンはただポカンとしている。
けれど私の鬼の形相を見て
これはきっと何か叱られるんだと察したんだろうすぐに戻ってきた。
バーバとふたりで😱😱😱
今度は堂々と密入国するバーバ。
それを見たイミグレーションの審査官が、バーバへ激しく注意する。立ち上がって騒いでいる。
そりゃそうだ。警備員も走ってきた。
バーバが警備員たちによって、出国ゲートの外へ追い出されて
やれやれと思ったら
「あ、バーバー待ってぇぇ」
イミグレカウンターの下をピューと走り抜け
メロン2度目の亡命(笑)
「あら、メロンちゃんママの用事はもういいの?」
用事ちゃうっちゅうねんっ!
「メロンさん、戻りなさい!」
「婆さんあなたは入ってきてはいけません!」
警備員に怒られて怖くなった老婆と園児はゲートを右往左往した。イコールそれは連続密入国出国だ。なんせ二人はずっと手を繋いでいる。
やめてっ韓流ドラマかっ。亡命かのやら国外逃亡みたいな騒ぎなってしもてるやんか。
「バーバ! メロンをこっちに渡しなさい。メロン! ひとりでこっち来なさい。ここは、出たり入ったりしたらあかんの!」
それでも意味がわかってないふたり。
拡声器が必要だ。犯人に告ぐ!君らは完全に包囲されている!!おとなしく言うことを聞け。
それはしてないがとにかく私はありったけの声でバーバに注意した。二人はようやく手を離しメロンは係員に連れられて戻ってきた。
バーバとメロン。
老婆と園児。
奴らに勝るものはいない。無敵だあいつら。
当日の空港の皆さんお騒がせして申し訳なかったです。笑
さて明日は総括して
ソウル滞在日記を終わりますー。
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