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情熱のイタリア男🇮🇹タクシー運転手

もう30年ほど前の話。

イタリアで出会った、イタリア気質溢れんばかりの【キャラ強め】男性たちの話を書こうと思う。

もしかしたら、今は日本と同じでイタリアでも草食系男子が増えているかも知れないが、あの頃見かけたイタリア男はぶっちゃけハッチャけラテン気質発散タイプが多かった。  

女性は基本、褒めて愛しむ存在。遠いアジアからの旅行者にさへ優しく親切。女性との向き合い方が常にアモーレONの人たちだった。

『タクシー運転手』

フィレンツェと日本を行ったり来たりしながら働く、私より少し歳上のモデルばりに綺麗なCちゃんと、イタリアで夏休みを過ごした。 

その日の予定は電車でアッシジまでの日帰り観光だ。私たちは、ホテルからフィレンツェ駅までタクシーに乗った。運転手に、どこへ行くのかと聞かれたので、列車でアッシジまで行く予定です云々、と。話をしているうちに駅へ到着した。

すると降りぎわに
「良い旅を!」
と運転手さんが一輪の花をくれたのだ。

ふつうの、本当にふつうのおじさん。
申し訳ないが、正直ふつうよりしょぼくれ感強めのおじさんである。

ホコリが被ったままのグレーの車に乗る
痩せて頭もごま塩、50代くらいかな。くすんだシャツにシワシワズボン。

だからよけいに驚いた。 

例えば、タクシー運転手なのに、隙あらばナンパしてやろう満載のビジュアルで決めてたり
そんな鼻息荒かったら理解できる。

だけど至って素朴なタクシー運転手

からの花一輪て。

ボロは着てても心は錦🎶さしずめ
ボロに乗っても心はアモーレ🎶か。
字余りやし無理矢理で面白くないすみません。

日本のタクシーで、飴ちゃんやティッシュは貰ったことあるけど「一輪の花」なんて初だ。
半分イタリアンみたいなCちゃんもこれは初めてだと喜んでいた。

カッコ良き。
惚れへんけど惚れてまうやろ〜! と言ってよい。オリジナルの女性客サービスなのかな。

すっかり感激した私たちは、幸先良き旅が出来そうだとウキウキ。列車に乗り込んだ。

だがこの日のイタリアは真夏日。

暑さ半端ないのに、超おおらかなイタリア鉄道さんは、ほとんどクーラーが効いてない。壊れとる?

到着までの二時間ちょっとで、おじさんの花はみるみる萎れて(干からびて)無残な姿になるわ

発車してから「暑い!暑い」とやかましい私に【暑いて言うたら負け】ゲームを提案してきたCちゃん

も数秒で暑い! と大騒ぎ。

おじさんのアモーレ花一輪もきっと「私も暑いっ水にいれて!」と言いたかったかも。

そんな、忘れられない出来事。それにしても粋だった運転手さん。グラッツェ!  

             終わり











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