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山本太郎が語る入管問題・難民問題

山本太郎(れいわ新選組代表) 街頭記者会見 新宿駅南口 2019年12月18日

質問者(1:18:02~):

ありがとうございます。入管施設で行われている医療放置についてお話をさせていただきます。日本国内で、何の罪もない外国籍の人が、入管の裁量ひとつで、難民として自由を奪われ、2年、3年と長期にわたって閉じ込められており、解放の判断も入管の裁量ひとつであるため、事実上、収容期限は無期限になってしまっています。今年6月には大村入管で収容者のハンストの果てに餓死、飢餓死がありました。この男性は強制治療のガイドライン要件を満たしていたにもかかわらず、入管所長が治療の指示を出さなかったせいで亡くなっています。今もハンストを続けている収容者がいて、この問題は一刻の猶予もならない緊急性のある事案です。入管が行なっていることは拷問であり、医療放置は緩やかな人殺しです。山本代表はこの緊急性を要する問題について、現在どのように考えていらっしゃいますでしょうか。また、改善のための具体的な要件があれば是非教えてください。

山本太郎(1:19:10~):

ありがとうございます。入管施設ですね。例えばここ東日本だったら、牛久にありますか。で、あと品川にもありますね。大阪にもあったりとか、まあ、いろんなところにそういうような入国管理施設っていうものがあって、そこでずっと留め置かれてる人達いっぱいいるんですよ。

で、最長でどれぐらいの人がいるんだってこと、私、現役の国会議員の時に法務省に確認したら、最長で6年間居続けてる人がいますと。長すぎません、これ? で、どうして6年間、難民申請が認められないかっていうことに対して、なぜダメだったかっていうことも答え出してもらえないんですよ。だからみんなすごく情緒不安定になっていくんですよね。緩やかな刑務所ですよ、だって。監獄ですよ、ある意味。そんな中で理由も分からないままで、いつ自分はこの国に普通に暮らせるのかってことさえも全く目処立たないってことですね。

あまりにもありえないっていう状況はそういうことだけじゃなくて、今おっしゃったような、医療につながれないってことも多々あるってことです。ごめんなさい、さっきの出して。

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いつ出れるか分からないというよりも、自分たちの国に帰ったら命を失うような方々もいるんですよ。政治的案件だったりとかっていうようなことで、日本に逃げ込んでいる方々もいらっしゃるわけですから。まあ、自殺未遂の件数っていうことを見ていくと、これ、ごめんなさい、ちょっと古い情報かもしれませんね。私が現役の時だったんで。次いって。ごめん。

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2016年、1年間で起こった入管全国17収容施設内で発生した官給食に係る異物混入、腐敗事案、395件。1年間に弁当腐ってたとか、なんか異物混入してたっていう案件が、これだけあるんですよ。普通あります? 普通考えられないですね、こんなこと。だから、どれぐらい、なんだろうな、どれぐらいの存在っていうか、すごく差別的な処遇を受け続けている人たちが確かにいるってことです。医療にも繋がれない。いや大丈夫だろ、大丈夫だろみたいな感じで、結局それでお亡くなりになった方もたくさんいらっしゃるってことですね。

そこに関してどうするのかってことなんですけど、これはもうはっきり言って、言わなきゃいけないってことですね。私は言ってるんですよ。要は、間違って日本に来るようなことがあっちゃいけないんです、この施設が変わらないなら。この施設が変わらないんだったら、ごめんなさい、私たちの国は難民は受け入れませんからねって。言わなきゃ来るよ、そういう話なんです。私はそれでいいのかっていう部分に関しては、そうは思わない。そうは思わない。でも、この国において、その難民の人たちが、なんだろうな、なじむかってことを考えた時に、ちょっと大陸とは違った部分を持ってるんだろうなと思います、ね。だって国境線、陸でずっと繋がっててっていうところで、人々が移動してるっていうような環境の中で日本があったわけじゃないから。だから当然、なんだろうな、たくさんの方々が押し寄せるようなことになっちゃったとしら、対応できないと思うんですね。

そう考えるとするならば、私は、この対応を続けるのであるならば、はっきりと宣言したほうがいいと国会でも言ったんですよ。私たち、いいんですよ、もう、血も涙もないってことがバレるってことですけどね、世界に。でも、実際にこの監獄の中でずっと、一体どうなるのかも分からないっていう中で暮らし続けなきゃいけない地獄を多くの方々に味わっていただくっていうのは、これ、逆にマイナスだと思ってます。

で、この難民政策に関しては、私は先々どうしていくべきかってことですね。こういうような難民収容、入管施設のあり方っていうのは私は反対です、当然。当然反対ですよ、こんな非人道的な。

直接お手紙いただくんですよ。その収容されてる方々から。全国から。何とかしてくれ。真夏とかでも、今年の夏とか、むちゃくちゃ暑かったでしょ。あんな中でもクーラー切られるんですよ、夜になったら。でも、その夜10時とか11時超えてから本格的に暑くなっていくんですよ。窓もほとんど開かないような施設なのに。これ、あまりにもやばいと。もうみんな朦朧としてるみたいな電話が入ってきたんですね。なので、法務省に電話して、「あの、至急これ、ごめんなさい、エアコン入れてもらっていいですか」っていう話をして、「入れていただけないんだったら、私が直接施設のほうにお邪魔しなきゃいけないってことを入管の方にお伝えください」っていう話をしたんですよね。だから、鬱陶しいやつ来られるぐらいだったらスイッチ入れちまえぐらいの感じで、スイッチ入ったんですけどね。だから、そういう話なんですよ。だったら最初から入れとけよって話なんですね。

だから、ここの入管施設に対して色々アプローチしてる議員っていうのは極端に少ないと思います、数はね。なんでかって言ったら、票にならないからですよ。票にならないから。でも、票にならないことでもやったほうがいいですね。だって、そりゃそうです、日本国内で起こってる問題なんだからってことです。もちろん今の入管施設のあり方っていうのは非常にありえないと。これはおそらく、あの、なんだろうな、他にも問題があると思ってます。何かって言うと、これ、入管職員を本当はもっと増強しなきゃいけないってことですね。対応できる人数にないってことですよ。オーバーワークになっちゃってるっていう部分が、おそらくそういう雑なことにもつながっていくんだろうというふうに思ってます。

なので一番やらなきゃいけないことはなにかって言ったら、日本は海外の方々を受け入れる気持ちがないんだから、今の政府は、今の政治はってことですね。だとするならば、はっきりと言えってことなんですよ。「私たち日本は難民受け入れません」って言ったほうがいいんですよ。受け入れるとか受けれないとかの話じゃないんですよ。その体制がないのに、受け入れるべきだとかっていう議論にはもう行けないってことですね、今んところ。

だって、来ちゃったら、とんでもない地獄に入れられちゃうわけだから。まずやらなきゃいけないことは、ごめんなさいって、日本政府として受け入れられませんってことを海外にちゃんと発信しろってことです。それによってバッシングされればいいんですよ。どういうことだって。世界中が今手を差し伸べるときに、日本だけそういうことをやっていいのかみたいな、そういう議論を始めていっていいんじゃないですかね、正面突破で。今、そういう地獄のような施設があるということに関して、受け入れる資格がないと私は思ってます。

(文字起こし&太字:Shino)

▼関連(1)東京入国管理局での対話(山本太郎公式サイトより引用)

http://www.taro-yamamoto.jp/wp-content/uploads/2018/08/02c4d0456dbfa1f9c0750a783af77158.pdf

2018年7月24日(火)、山本太郎参議院議員が、前日の東日本入国管理センターの視察にひきつづき、東京入国管理局を訪問した。その際、山本太郎議員によって、東京入国管理局と支援団体との話し合いの場がうけられた。

(中略)

●山本太郎

 難民認定申請者や被収容者にたいする言動で、適切に指示しているという件について。今日職員の人たちと話をしてみて、すごく真面目に仕事をされていると思った。
 しかし、わたしは他の支援団体とのつながりもある。その人たちから、職員の言動の中にはかなり差別的なものもある、ときいた。入管収容所はかなり閉じられた世界だとおもう。
 つまり、外部の人たちが入り込めない世界で、被収容者と管理する側の立場の違いがはっきりしている。だから、差別的な言動が生まれかねない状況だ。
 被収容者は犯罪者ではない。もちろん、なかには犯罪に手を染めた人もいるが、その人たちは刑務所にはいって罪をつぐなった。建前ではあるが、ここにいるのは帰るまでの間の手続きである。被収容者は、差別的で高圧的な処遇をうける立場の人ではない。
 もちろん、刑務所であっても、差別的な処遇をうけるべきではない。被収容者は犯罪をおこしたわけではなく、これからどうするのかという点でここに留めおかれている人なのであって、そのことをふまえると、被収容者に対する気遣いが必要である。
 もちろん、予算は限られているが、「ない」とシャッターをおろすのではなく、気遣いをしてほしいし、こちらの願いを共有してほしい。
 被収容者にたいする言動については、他の支援者からもきいた。被収容者をあつかう際、相手を下にみている。かなり差別意識をもって接しているということは、入管問題に取り組む人たちにとって当たり前の話になっている。

●福山局長

 差別意識について。ヘイトみたいなことになると、わたし達 にとっても命とりになる、とかんがえている。今後は、そのようなことにならないように、常に職員の教育にあたりたい、と おもう。

▼関連(2)山本太郎が語る入管問題・難民問題(国会編)

▼関連(3)『#あなたを幸せにしたいんだ』(集英社 2019-12-18発行)より引用

山本 入管問題はここ数年、取り上げさせてもらっていますが、結局、議員って、票になるかカネにならなきゃ動かないことが多いんです。でもそもそも票にもカネにもならないところを、まず助ける政治。その人たちが切り捨てられないということは、この国に暮らす人は、全員が切り捨てられないことになる。そう考え動く議員がいてもいいだろうということです。入管のことをやりだしたのは、被収容者から手紙をもらったことがきっかけです。私のところに、牛久からも大阪(大阪出入国在留管理局)からも長崎(大村入国管理センター)からも頻繁に助けを求める手紙が送られてきます。ほんとにたどたどしい文字の人から、ものすごく文章のうまい人、もう「これ書いたの日本人、違うの?」というような人まで。それは何かというと、日本で生まれ育ち、小さい頃から日本で学校教育を受けていたけれども、親の入管法違反を理由に、いきなり入管に入れられた人ですよ。被収容者や仮放免(一時的に収容を停止し、身柄の拘束を解くこと)された人(外国人)とかに、「入管を批判するんなら、サッサと日本から出ていけよ」みたいなことを言う人もいますが、でも離民として逃れざるを得なかった状況や、迫害の犠牲者として日本に逃れてきても入管で人間扱いされていないような実情があるわけです。一度、入管施設で南米出身の20代前半という人に会いにいったんですけど、しゃべりは完全日本人ですよ。頭の回転も速いし、こんなところに閉じ込めずに、仕事に就けたら、会社にも社会にもプラスなのにもったいないと思ったんです。
 日本を愛している外国の方を何年にもわたって施設収容して、まったく先が見えないという虐待を何年も続けることに、さらに怒りが湧きました。役者時代に映画『夜を賭けて』(2002年公開)の中でやらせてもらった役で、入管に入れられて、ひどい暴力に遭うシーンがあるんですけど、当時は実情も知らないまま演じていました。逆に言えば、政治家になってからいろんなことを知って、ああそういうことやったんか、というふうに思うところです。今再びあの役を演じたら、途中で入管の実態について詳しく説明したくなると思いますね。説明セリフだけで15分は必要だな(笑)。
(p.45-46)

※関連(1)~(3)を追記しました。

#山本太郎 #れいわ新選組 #入管問題 #難民問題


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