Butterfly Night
延々と続く砂漠の道にクラシックなオープンカー。
アメリカに来たならこれ！と、レンタカーショップで借りたピンク色の50年代のキャデラック。
渓谷を越え、砂漠を走り続けると、遠くに見えてくる大きなネオンサイン。
“Welcome to Las Vegas”
ネオンサインに誘われた世界中の夜光虫たちが、一攫千金、一発逆転を狙ってこの街にやってくる。
ひっきりなしにうねりを上げる大きな噴水のあるホテルのエントランスに車をつけた。
ベルボーイがやってきて、車のキーを受け取ると親指を上げて駐車場に車を運んだ。
大袈裟で恭しいロビーを抜け、チェックインを済ませると、ロビーの右側にあるカジノの入口を確認する。
宿泊予定の部屋に入り、デコルテが大きく開いた膝丈の真っ赤なカクテルドレスに着替えた。
胸元のタトゥーの蝶が艶やかに映える。
稀代のイカサマ師と囁かれ、各国のカジノを楽しみ、欺いてきたが、その姿を知る者はいない。
いよいよ世界最高峰のこのカジノで“リベンジ”を果たす日がやってきた。その大舞台には、うってつけの衣装だった。
煌びやかなカジノの空気の中、人で賑わうスロットマシーンエリアを抜け、圧倒的な広さのテーブルゲームエリア。
目指すは、その奥にある「ハイリミットルーム」
世界の著名人、富豪など招待された人だけが楽しめる唯一の社交場。
インビテーションカードをドアマンに差し出す。ゆっくりと開くその扉の奥に並ぶ豪奢なテーブル。シャンパンタワーと世界中の富と名声を持つ顔ぶれが並ぶ。
胸元に大きく翅を広げる蝶を見て、右の眉を小さく動かした男。
それが今日のターゲット。
この日を待っていた。VIPだけが許されるハイレートのこのテーブルに招ばれる日を。
この男と同じテーブルを囲むこの瞬間のために生きてきた。
「お手並み拝見だ」男が小さく鼻で笑う。
この男に教えられた手口はとっくに超えているはずだった。そのために世界中のカジノを渡り歩いてきた。お手並み拝見は私のセリフ。
そして私は、この男の全てを奪う。
財産、地位・・・心を。
私が奪われた全てのものを奪い返す。
ゴールドに輝くシャンパンの向こうにゲームが始まる。
「butterfly night」 彩水（AYANA）
nobody 誰にもわからない
nobody 誰とも関わらない
nobody 誰にも触れさせない
listen to my heart beating
胸に秘めたbutterfly 眠る夜
knocking on 誰かが叩いてる
knocking on 近くに迫る声
knocking on カードは配られた
you can bet on me right now
気配消しhide and seek
Let's hide in the shadow
baby maybe
say me tell meヤバい山なら
逃げるが勝ちよ
honey money
many yummy うまい話は
裏があるのよ
nobody 誰にも許さない
nobody 誰をも信じない
nobody 誰とも交わさない
kiss and secret night
胸に秘めたbutterfly 見せた夜
baby maybe
say me tell me 誘い文句は
派手に決めてよ
honey money
many yummy ディールするなら
ゴージャスな夜
highly likely
bravery lovely 勇気を見せて
私の勝ちよ
tiny pretty
shiny diamond たった一つの
本気の愛を
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