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キューウェルマリノスについての誤解と課題

 さて、本日、東京ヴェルディ戦に負けてしまい2連勝のち、2連敗となってしまった、マリノスです。
 私は、以前、解任論を書いたぐらいなので、結果論で感情的な批判を言うつもりはないです。ただ側から、勝手に応援している立場からしても、結果と中身がついてきていないのは事実だと思うので、思うところメモ書き程度に書いてみたいと思いますし、ネット上の無責任なコメントに腹が立っているので、書きます。

 現時点での見解を言わせていただければ、キューウェル(ハッチンソン)体制は、前任者のサッカーの極端な部分を削り、属人的なサッカーになっている、故に、人の質で上回ってしまえば、今後も良い面も悪い面もどうにかなってしまう、という感じです。不調の要因は、一つにACL参加に伴う過密日程。そして、現時点で、ビルドアップできるCB、畠中選手とが怪我で離脱。サイドアタッカーとして圧倒的な性能を持つエウベルが、怪我明け不調と、カードがないことも不調の大きな要因だと言えます。

参考サイト様:

ワンアンカーシステムについて

 一部で、昨シーズンまで、優勝争いまでしていたのに、どうしてこうなるんだ、というお怒りの意見を見ます。
 昨年と配置上違うので、よく槍玉に挙げられるのが、このワンアンカーシステム、4-3-3です。主に喜田選手が起用されています。
 まるで、このシステムが悪いかのように書かれている意見をよく見かけますが、欧州サッカーでは、CL決勝でドルトムントが記憶に新しく、プレミアリーグでは、シティ、アーセナル、リヴァプール、スパーズと、単純に使われていることからも明らかで、ピッチを広く使って満遍なく配置するこのシステムは、未だに最新のシステムです。
 では何が上手くいかないかというと、CBからのビルドアップの際に上手く
消されやすい。2トップの背後で、上手くアンカーの選手がマークされて、CBが出すところがなくなり、SBに渡って、外に回しになるというシーンを今シーズンはよく見ます。
 これに対して、何故変えないんだ、って意見はよく見ます。が、そういう人は試合を見てません。毎回ではないのですが、変えている試合もあります。恐らく選手間で変えているところがあり、試合中に修正も入っている、全ての原因みたいに言うのは間違っています。
 例でいえば、開幕戦のヴェルディ戦が途中から代わり、今日のヴェルディ戦でも後半から修正が入りました。ただ今までにところ、スタメンから変わることはないのが、キューウェルの考えが明らかだな、と思います。
 また、アンカーに求められるタスクも曖昧で、リヴァプールの遠藤選手のように、潰し屋的動きだけを強く求められているわけでもなく、プレス回避しつつのIHとの繋ぎ役両方を求められていると思います、となると、適任者は今のところいないでしょう。

・ハイプレス
 
 マリノス=ハイプレス、即時奪回で即攻撃みたいな印象を未だ持っている人も多いみたいですが、それはポステコグルー時代の印象。
 今シーズンのマリノスは明確にハイプレスではありません。恐らく、去年行った戦術の悪い面が、残ってしまっているからだと思います。
 
 それはブライトンに似た擬似カウンター、詳しいこと知りたい方は検索してほしいですが、簡単に言えば、じんわり自陣で保持しつつ、相手の強いプレッシングを誘発し、吊り出したスペースを狙って疑似的なカウンター的な縦パスを起点に攻撃を進めていくというもの。
 マリノスの場合、ワントップのアンデルソン・ロペスがゼロトップ気味で、中盤まで降りてくる、その空いたスペースをサイドアタッカーが狙うという感じでした。
 https://youtu.be/zd7SpTB3zJA?si=NPjko9i_1JHW9nSj

 
 
 疑似カウンターの基本は、即時奪回はあるのですが、間延びした状態からボールを追うので、前線からのハイプレスはそこまで要求されていません。  参考サイトのFootball LAB様のデータを借りれば、ポステコグルー指揮下の2020シーズンで記録されたハイプレッシング51.2%と比較したとき、去年のマスカット政権は46.2%、今年度のキューウェル指揮下では、46.1%となっています。
 
恐らく擬似カウンターが導入された経緯は色々あるんでしょうが、ロペスが、単純なポストプレイヤーというより、足元でボール受けて崩すタイプなのが一つあるでしょう。ロペスがハイプレスが不得意で、苦しい時に、降りてきてしまうのを逆手にとっている戦術だったけですが、キューウェル政権以降は逆戻り。ロペスが消えてしまう試合はとことん消えていて、攻撃面を単に保持して押し込めるという、悪く言えば、個人任せで、よく言えば、普通にしてしまったことが仇になっているように思います。
 一応、擬似カウンターに戻せ、と言っているわけでないです、それは、昨季のデゼルビ、ブライトンが2年目で上手くいかなかったことみれば明らかです。対策のしようがある程度明確だからです。
  話を戻すと、ハイプレスにいかないのにハイラインを引いてしまっているのが、今期の失点の多さに繋がってしまっていることも明らかでしょう。
 
・アタッキングフットボール 

 アタッキングフットボールとは、なんぞや
 よくよく考えれば、攻撃しないサッカーなどないのだからアタッキングフットボールはいつだってしている、なんて戯言はおいといて、まあマリノスの場合、具体的な意味で言えば、以前解説したポステコグルーのリスク承知のサッカーになるんでしょう。ただいい思い出はあれど、あれにハイリスクかつ、極端な人材が必要のは明らかで、戻るのはスパーズに羽ばたいてしまった本人がいないと無理でしょう。だから、アタッキングフットボールという言葉自体は広く具体的なものである必要はないのだと思います。
 もう一方で抽象の意味でいえば、マリノスは、岡ちゃん時代を筆頭にカウンターサッカーで結果を出したチームです。守備的なサッカーだったからこそ、一度もJ2に落ちたことがなく、ポステコグルーのアタッキングフットボールが目新しく、心を掴んだ経緯があるわけであるわけです、そこに逆戻りしないことがこのフレーズの意味ではないかと。

・予算規模

 サポーターはあれが欲しいこれが欲しい、と言いがちなわけですが、あくまで見て欲しいのは現実。

 具体的なこと、詳しい人に任せますが、2023年度の決済は、まんま優勝した年に上がった分がダウンした形。そこまで、ビッグクラブと言えるかといえば、微妙なところでしょう。
 補強的にもJ2からの個人昇格選手も目立ちます。またその一方で、海外に流出する選手も多い。すぐにビッグクラブフェイズではないのが明らかでしょう、今期ACLで戦えたように、数年単位で波がありながら、トップを争っていくチームだと思います。
 また補強面もサポーターからは見えづらいですが、小倉勉SD退任後、数年たちましたが、代役を立てることなく社長名義で行われていました。
 その中でも、植中朝日や加藤連などJ2からの個人昇格で、今後の成長株をうまくとるということには一定水準以上の成功を収めており、外国人選手の補強も含め、CFGのスカウト網との連携がうまくいっていると思います。
 公式にまだリリースされてませんが、浦和から西野努氏が就任する報道があるわけです。今は夏の補強を楽しみに待ちたいと思います。(例えなくても、それもまた現実なわけですが)

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