研究ツールとしてのEvernote①
夏なので、note始めました。日本近代文学を研究している大学院生で、武久と申します。
個人的に研究で使うツールやアプリケーションに関心があるので、自分なりに使い方を整理したり模索したりするついでにnoteでも公開し、あわよくばアドバイスをいただこうという腹積もりです。
手はじめに、有名どころのEvernoteから考えてみたいと思います。
〇Evernoteとは
EvernoteはOneNoteなどと同じクラウド型のノートアプリです。1つのノートにテキストはもちろん、画像やPDF、手書き文字なども保存することができます。
一般的な使い方を宣伝する場ではないので細かい話は省略しますが、個人的には検索性に優れている部分が強みです。
自分なりの文章でも、論文でも、授業のレジュメ(PDF化したもの)でもなんでもこれに放り込んでタグ付けしておくと、タグを辿ってあとから簡単に見つけることができます。
これが便利なのは、存在することを忘れていたようなノートも見つかるところです。今日び検索しようと思ったものは問題なく見つけるので、検索しようとすら思わないようなものをどう見つけるかが考えどころです。
そのあたりを解決してくれるのが、Evernoteの良さというわけです。
〇Evernoteで論文をまとめる
自分は主に、evernoteを先行研究をまとめるときに使っています。
研究対象にしている作家にふれた論文はとりあえずタグ付けしておき、いざ必要になったらそのタグで検索をかければ、先行研究が一望できます。
あとはひとつひとつのノートに論文の概要を書いたり、重要部分の引用をしておけば、読み返す手間がある程度省けます。一度データとして文章を打っているので、それ以降同じ文章を使うときはコピペでオッケーです。
うまく検索がかかるようにしておけば、「どこかにアレが書いてあったはずだけどどの論文かわからん!」というあの厄介な状態を防ぐことができます。
※ちなみにプレミアムならPDFの中身にも検索をかけられるので、ノートにPDFを添付してタグ付けしておけばいちいち打ち込む手間もありません。僕はお金がないのでプレミアムではありませんが。
わざわざ別のツールを使わなくても、Wordファイル一枚にまとめればいいのではないか、と思う方もいるかもしれません。
確かに1つの論文が1つのトピックにしか触れていないときはそれでいいのですが、なかなかそうとばかりも限りません。
例えば、芥川龍之介について論じた論文の中に、夏目漱石についての重要な知見が登場していたとします。その場合、「夏目漱石」ファイルと「芥川龍之介」ファイルの2つをひらき、それぞれに情報を記しておかなくてはなりません。めんどうです。タグ付けの方が楽です。
また、Wordファイルはけっこう重いので、起動するのに時間がかかるときがありますし、携帯からいじりにくいという欠点もあります。自分なりのデータベース構築という意味では、Evernoteの方がWordよりも優れています。
〇Evernoteに文献をぶち込む
文献整理ツールとしてのEvernoteの使い方として、もうひとつ便利なのが雑に文献の情報をぶち込んでおける点です。
なんとなくきになった本の記述などをとりあえず写しておき、とりあえずタグ付けしておきます。
こうすることで、日々の読書のなかで読んだことすら忘れてしまった本の存在を思い出すことができ、うまくいけば検索にもひっかかります。
クラウドノートでスマホアプリもあるので、電車で本を読んでいてもぱっとメモをとれるのがいいですね。
本文を打ち込むのはややめんどうですが、打ち込みながらもう一度気になる部分を読み直せるというメリットもあります。昔「七回読み返す読書法」みたいな本もありましたね。七回は極端ですけど、二回目読み返した時の頭に入ってくる感はなかなか他では得難いものがあります。
〇まとめ
僕がクラウドノートをつけることで目指しているのは、情報の一元化です。とりあえずココを見れば自分の蓄積してきたことがわかる、情報を整理する上ではそういう場所を作ることが重要です(僕はこれを「一元化のテーゼ」と呼んでいます)。そのために書き込む情報の種類を選ばないところが、このノートのいい点です。
すごくざっくりまとめると、研究ツールとしてのEvernoteを考えたとき、文献整理・記録ツールとしての性能が重要なポイントになるのではないかということですね。
しかし情報の一元化といってもそううまくはいかず……。②に続きます。
※②はこちら