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#131 おばあちゃんと初詣とリセットボタン

生まれてからずっと、
母方の実家近くの神社へ
初詣に出かけています。

生活習慣を見直し、
様々なモノや行動を断捨離したとき、
この初詣も、
惰性で続けているだけなら
やめてしまおうと考えました。

それほど信心深いわけでもないのに、
どうして続けているんだろう?

近い場所にあるわけでもないのに、
わざわざ時間をかける
意味があるのだろうか?

そして気づいたのです。

僕は、
自分自身の立ち位置を
確認するために、
毎年同じ時期、
同じ場所に、
初詣に訪れているのだと。

僕が生まれる1週間前に、
母方の祖父は亡くなってしまいました。

残された祖母は、
初孫だった僕を、
目に入れても痛くないくらいに
可愛がりました。

物心ついたときから、
正月は大好きな祖母に連れられて、
参道を歩き、
お詣りをし、
お菓子を買ってもらって、
上機嫌で帰っていました。

病を患ってからは、
僕が連れて歩くようになり…。

そうこうしているうちに、
亡くなって10年になりました。

もう、
祖母との初詣は叶いませんが、
参道を歩くと、
かつての
楽しい想い出がよみがえります。

時は移ろい、
環境が変わりました。

僕も環境に合わせて、
変わらなければなりませんでした。

でも、
何を変えて、
何を残すのか。

変えてはならないものは何なのか?

「温故知新」
という言葉があります。

自身の立ち位置は、
常に確かめつつ前に進まなければ、
大切なものを見失いかねません。

僕にとっての初詣は、
無条件で100%の愛情を注いでくれた、
祖母からの、
「人」からの優しさを、
再確認できる行事です。

時間や仕事に追われ、
何かと競い合い、
効率を追い求めがちな毎日の中で、
僕の立ち位置は、
初詣でリセットされるのです。

人への優しさを忘れてはいけないと。

皆さんにも、
そんな行事がありませんか?

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