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#167 教育にも強烈なインセンティブが必要です!

二宮金次郎(尊徳)と言えば、
薪を背負って読書にいそしむ、
勉強家のイメージが先行しがちです。

実は、関東近郊で
200以上の貧しい地域の地方財政を立て直した、
地域再生の第一人者でもあります。

その功績が認められ、
農民出身でありながらも、
幕臣にまで出世しているんです。

彼の政策の特徴は三つ。

①合理的かつ具体的である
②徹底的に行う
③インセンティブをつける

彼の政策の根本は、
支出(浪費)をおさえ、
収入の一部を複利で回すというシンプルなもの。

合理的かつ具体的だったので、
庶民にもわかりやすかったのです。

収穫量の多い米であれば、
複利の効果も得やすかったでしょう。

しかし、政策の徹底が難しかったようです。

今まで「宵越しの金は持たない」
生活をしていた農民に、
(または経済について無知な武士に)
蓄財・投資を習慣化させるのですから、
当然といえば当然ですね笑

かなりスパルタに徹底させたようですが、
ここでインセンティブ政策が効果を見せます。

例えば、
少なめの薪で飯を炊けるようになったら、
その節約分を報酬として与えました。

また、エネルギー効率を上げるため、
かまどのススを削り取ったら、
その量に応じて報酬を支払いました。

目的と効果がはっきりしていても、
人はなかなか動きません。

これは教育の世界でも同じ。

生徒にとって目に見えるメリットを、
どのように用意するか。

一番わかりやすいのは、
通知表などで視覚化される
「評価」なんでしょうけど、
「A」や「5」をもらったところで、
実利がないのが現状なんですよね。

評価を明確なポイント制にして、
ポイントに応じて進級できたり、
進学先が決まったり、
もっと言えば、換金できたりしたら、
生徒たちの取組の姿勢も変わると思うのですが、
あまりにも俗物的すぎるでしょうか。

何にせよ、
日本の学校教育における評価システムは、
有名無実化しています。

日本の大学は入るのが難しく、
欧米の大学は出るのが難しい事実は、
両者の評価システムの在り方を
如実に表しています。

金次郎の政策を見習い、
インセンティブの設計を見直すことが、
日本の学校教育を活性化させる起爆剤なのです。

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