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#96 「指導」と「自主」の線引きはどこか?

文部科学省が定めた学習指導要領には、
「部活動」や「朝読書」などの活動は
義務付けられていません。

「教育課程外」の活動となります。

では、学校で独自に設定された、
教育課程外の活動である、
朝読書への参加は、
生徒の「自主」に任せられるべきでしょうか。

僕はそうではないと考えています。

それが教育課程の中であろうが外であろうが、
学校でその必要性を認め、
実施すると決めたのであれば、
生徒には参加するように、
全力で「指導」すべきです。

朝読書には、以下の目的があります。

①塾や習い事で忙しい現代の子どもたちに、
日々の読書時間を確保することで、
学習機会の習慣化を促す。

②静謐な環境で本を読むことで、
授業開始に向け、気持ちと頭を整理する。

③教員が読書時間に生徒の様子を観察することで、
個別の声掛けを含む、生活指導の機会を設ける。

教員も、一人一人教育観は異なりますから、
朝読書は不要と考える方もいらっしゃいます。
その考えを否定するつもりはありません。

でも、年度当初に話し合って、
活動の実行を決めたのであれば、
個々の教育観は異なろうとも、
教員は足並みを揃えて、
真摯にその目的を生徒に説明し、
活動を全力で支援する必要があります。

そうでないと、
生徒の間にも教員の間にも、
指導の有無による不公平感が生まれます。

教育課程外の活動だから、
積極的に指導できない、
生徒の自主に任せて自由にさせればいい、
というのはおかしい。

結果を強く求められることのない、
教員の甘えではないでしょうか?

もちろん、例外はあっていい。

読字障害のある生徒がいます。
多動傾向がある子がいます。

他の手立てを考えればいいのです。

耳から情報を得ても良い。
本当に難しければ、
活動に参加させない配慮も必要です。

生徒が相談できる雰囲気は、
必ず作らなければなりません。

手を尽くして指導・支援したうえで、
それでもその必要性を疑問視し、
きちんと代替案を示す生徒が出るとしたら。

それこそ、生徒の「自主」だと思う。

全力で支援したい。
学校の活動の在り方も変えていきたい。

そこまで「自主」を求めて
「指導」している教員が、
果たしてどれだけいるのだろうか?

僕も完璧に実践できているわけではないけれど、
襟を正しながら過ごす毎日です。

教育って、難しいですね。

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