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『くま』を辿れば歴史が見える?!

昨年(2022年)4月末から洋館巡りが趣味となっています。
そこから次第に神社仏閣巡りも加わるようになりました。

そうした中、サッカー日本代表が必勝祈願に訪れるという『熊野本宮大社』の存在を知りました。

『熊野本宮大社』は、全国の『熊野神社』の総本宮にあたる『熊野三山』のひとつとありました。

ここで疑問が沸き起こりました。
なぜ『熊野』であり、なぜ全国に『熊野神社』が多いのか?

早速『熊野』について調べてみますと、 『熊(クマ)』は、『神』や『隅』『隈』を語源とし、『神々のおわす奥まった地』という意味で、『人々がたやすく近づけない秘境の地』とありました。

だから神社の名前として多用されているんですね。
そして『人々がたやすく近づけない秘境の地』ということから『熊』がいる場所ともいえるのかもしれませんね。

そんな『熊』の字から連想するのは、12年前、原発事故が発生した『福島県双葉郡大熊町』です。

『大熊町(おおくままち)』の由来は、『大野村』と『熊町村』が合併し、『大熊町』になったとありました。

この『熊町村』は、南北の勢力がせめぎ合う『境界地帯』を表す『苦麻』が語源とも言われています。

さらに『熊』の字で連想されるのは、京都大学原子炉実験所がある大阪の『熊取町』です。

京都大学の施設にも関わらず、なぜ大阪の『熊取町』にあるのかがずっと気になっていました。

まず『熊取町』の語源を調べてみますと、周りを山地や丘陵で『クマドリされた谷』、また、地形が『くま取られた』というのが最も濃厚な由来と書いてありました。

ちなみに『日本後紀』においては、桓武天皇が延暦23年(804年)『熊取野』で遊猟されたことが記されていたり、平安時代末期には、後白河法皇が『熊野詣』の途中、『五門の中家(国の重要文化財)』に立ち寄られ、行宮(仮設の御所)としたという伝承が残っていたり、また 鎌倉時代には、『熊取荘』という荘園が存在し、泉州における南朝方の拠点として南朝・北朝間で激しい争奪の舞台となるなど歴史的にも重要な場所だったようです。

しかし、そうした神聖な土地である『熊取町』には『原子炉実験所』
『大熊町』には『原発』が建てられたのは、偶然にしてはできすぎたストーリーではありませんか?

地名は先人からのメッセージが込められているとも言われています。
過去に洪水、氾濫、津波が起きた場所の地名、土砂崩れ、地滑り、液状化などが起きた地名等々...

先人は地名で危険性を知らせてくれています。
しかし、そうした地名が統廃合などの行政的理由により途絶えてしまうことも少なくありません。

いずれにしましても、先人からのメッセージが籠る地名にも耳を傾け、確実に次世代へも伝え続けていきたいものですね。

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